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JP1 Version 10 JP1/Automatic Job Management System 3 入門


3.3.2 JP1/Baseのセットアップ

次に,JP1/Baseのセットアップを実施します。ここでは,マネージャーホスト「MAN01」でのJP1/Baseのセットアップで実施することについて説明したあと,実際の手順を説明します。

〈この項の構成〉

(1) JP1/Baseのセットアップで実施すること

マネージャーホスト「MAN01」のJP1/Baseのセットアップでは,次のことを実施します。

(a) 認証サーバの指定

認証サーバは,JP1専用のアカウントであるJP1ユーザーのアクセス権限を管理するサーバです。このマニュアルでは,マネージャーホスト「MAN01」を認証サーバとして指定します。

(b) JP1ユーザーの登録

JP1ユーザーを認証サーバに登録します。このマニュアルでは,「user01」というJP1ユーザーを登録します。

(c) JP1権限レベルの設定

登録したJP1ユーザー「user01」の権限を設定します。このマニュアルでは,次の権限を設定します。

  • JP1_AJS_Admin

    ジョブ定義・実行時の管理者権限です。ジョブネットの定義・実行・編集権限などを持っています。

  • JP1_JPQ_Admin

    実行エージェント操作時の管理者権限です。「3.3.3 JP1/AJS3 - Managerのセットアップ」で実行エージェントを追加するためのコマンドを実行する際に必要です。

(d) ユーザーマッピングの設定

JP1/AJS3では,処理を実行する場合,JP1ユーザーに対応づけられているOSユーザーの権限で実行ファイルなどのOS資源にアクセスし,処理を実行します。そのため,処理の実行先ホスト上でJP1ユーザーが,どのOSユーザーになるのか対応づける必要があります。この対応づけのことをユーザーマッピングといいます。このマニュアルで説明している操作例のために,JP1ユーザー「user01」と,マネージャーホスト「MAN01」のOSユーザー「user01」を対応づける必要があります。このユーザーマッピングについて次の図に示します。

図3‒2 このマニュアルで実施するユーザーマッピング

[図データ]

(2) JP1/Baseのセットアップの手順

ここからは,マネージャーホスト「MAN01」でJP1/Baseをセットアップする手順を説明します。

(a) 認証サーバの指定

まず,認証サーバとして使用するホストの名称を設定します。このマニュアルでは,マネージャーホスト「MAN01」を認証サーバとして指定します。手順を次に示します。

  1. Windowsの[スタート]メニューから[プログラム]−[JP1_Base]−[環境設定]を選択する。

    [JP1/Base環境設定]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  2. [認証サーバ]タブの[認証サーバの検索順序]の[追加]をクリックする。

    [認証サーバ]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  3. [認証サーバ名]に「MAN01」と入力する。

    [図データ]

  4. [OK]をクリックする。

    [認証サーバの検索順序]に「MAN01」が表示されます。

    [図データ]

  5. [適用]をクリックする。

    認証サーバ「MAN01」が確定します。

これで,マネージャーホスト「MAN01」に認証サーバが設定されました。

(b) JP1ユーザーの登録

認証サーバを指定したら,JP1ユーザーを登録します。JP1ユーザーを登録する手順を次に示します。

  1. [JP1/Base環境設定]ダイアログボックスの[認証サーバ]タブの[認証サーバの検索順序]で,ユーザーを登録する認証サーバ「MAN01」を選択する。

    [図データ]

  2. [JP1ユーザー]の[追加]をクリックする。

    [JP1ユーザー]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  3. [JP1ユーザー名]に「user01」,[パスワード]と[パスワード確認]に「nyumon01」を入力する。

    [図データ]

  4. [OK]をクリックする。

    [JP1ユーザー名]に「user01」が表示されます。

これで,認証サーバ「MAN01」にJP1ユーザー「user01」が登録されました。

(c) JP1権限レベルの設定

JP1ユーザーを登録したら,JP1権限レベルを設定します。登録したJP1ユーザーに対して,業務を定義する権限や業務を実行する権限を設定します。JP1権限レベルを設定する手順を次に示します。

  1. [JP1/Base環境設定]ダイアログボックスの[認証サーバ]タブの[JP1ユーザー]で,権限を設定するJP1ユーザー「user01」を選択する。

    [図データ]

  2. [JP1資源グループ別権限レベル]の[追加]をクリックする。

    [JP1資源グループ詳細]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  3. [JP1資源グループ]に「*(アスタリスク)」を入力する。

    [図データ]

    「*」を指定することで,すべての資源グループにアクセスできるようになります。

  4. [所有しない権限]から「JP1_AJS_Admin」および「JP1_JPQ_Admin」を選択し,[<-追加]をクリックする。

    選択した権限レベル名が[所有する権限]に表示されます。

    [図データ]

  5. [OK]をクリックする。

    [JP1/Base環境設定]ダイアログボックスの[JP1資源グループ別権限レベル]に,アクセスできるグループ名(JP1資源グループ)とそのグループに対する権限レベル(JP1権限レベル)が表示されます。

    [図データ]

これで,JP1権限レベルが設定されました。

(d) ユーザーマッピングの設定

JP1権限レベルを設定したら,ユーザーマッピングを設定します。ここでは,JP1ユーザー「user01」と,マネージャーホスト「MAN01」のOSユーザー「user01」を対応づけます。手順を次に示します。

  1. [JP1/Base環境設定]ダイアログボックスの[ユーザーマッピング]タブをクリックする。

    [ユーザーマッピング]タブの内容が表示されます。

    [図データ]

  2. [パスワード管理]の[設定]をクリックする。

    [パスワード管理]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  3. [新規登録]をクリックする。

    [新規登録]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  4. [ユーザー名]にOSユーザーとして「user01」を,[パスワード]および[パスワード確認]に「nyumon01」を入力する。

    [図データ]

  5. [OK]をクリックする。

    「user01」がOSユーザーとして登録されたことを知らせるメッセージダイアログボックスが表示されます。

  6. メッセージダイアログボックスの[OK]をクリックする。

    メッセージダイアログボックスが閉じ,[パスワード管理]ダイアログボックスに,登録したユーザー名「user01」が表示されます。

    [図データ]

  7. [パスワード管理]ダイアログボックスの[終了]をクリックする。

    [パスワード管理]ダイアログボックスが閉じます。

  8. [ユーザーマッピング]タブの[JP1ユーザー]の[追加]をクリックする。

    [JP1ユーザー]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  9. [JP1ユーザー名]に「user01」を,[サーバホスト名]にすべてのサーバホストからジョブ実行を受け付けることを示す「*(アスタリスク)」を入力する。

    [図データ]

  10. [OK]をクリックする。

    [JP1ユーザー]ダイアログボックスが閉じ,[マッピングOSユーザー詳細]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  11. [マッピングしないOSユーザー]から「user01」を選択して[<-追加]をクリックする。

    選択したOSユーザーが[マッピングするOSユーザー]に表示されます。

    [図データ]

  12. [OK]をクリックする。

    JP1ユーザーとOSユーザーのマッピングが完了します。

    [JP1/Base環境設定]ダイアログボックスの[JP1ユーザー]のユーザー名を選択すると,[マッピングOSユーザー一覧]に,マッピングしたOSユーザー名「user01」が表示されます。

    [図データ]

  13. [OK]をクリックする。

これで,ユーザーマッピングが設定されました。