8.7.6 restoresystem(JP1/AOシステムのリストア)
機能
backupsystemコマンドで取得したJP1/AOの設定情報やデータベース情報のバックアップデータをリストアします。
コマンド実行時にリストアするデータを次に示します。
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タスク※
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デバッグタスク※
-
タスクの履歴
-
サービス
-
デバッグサービス
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サービステンプレート
-
ユーザー
-
ユーザーグループ
-
リソースグループ
-
エージェントレス接続先定義
-
サービス共有プロパティ
-
各種定義ファイル
- 注※
-
リストアしたタスクおよびデバッグタスクでは,詳細情報の一部(進捗およびステップ一覧)が削除されます。また,リストア後のタスクおよびデバッグタスクの状態は次のように変更されます。
表8‒13 バックアップ時とリストア後のタスクおよびデバッグタスクの状態 バックアップ時のタスクおよびデバッグタスクの状態
リストア後のタスクおよびデバッグタスクの状態
待機中
キャンセル(タスクおよびデバッグタスクの終了日時にはリストアした日時が設定されます)
保留中
実行中
失敗
応答待ち中
異常検出
停止中
正常終了
正常終了
失敗
失敗
キャンセル
キャンセル
形式
restoresystem /dir バックアップデータのパス /jp1user JP1ユーザー名 [/auto]
引数
- /dir バックアップデータのパス
-
backupsystemコマンドで指定したバックアップデータが格納されているバックアップフォルダのパスを絶対パスまたは相対パスで指定します。
- /jp1user JP1ユーザー名
-
バックアップを取得したときに登録されていたJP1ユーザー名を指定します。
- /auto
-
JP1/AOおよびHitachi Command Suite製品のサービスとデータベースの停止・開始を自動で実行します。このオプションを省略した場合は,JP1/AOおよびHitachi Command Suite製品のサービスとデータベースの停止・開始を自動で実行しません。
なお,クラスタ環境でこのオプションを指定する場合は,クラスタソフトに登録したサービスがオフラインである必要があります。
格納先
- Windowsの場合
-
JP1/AOのインストール先フォルダ¥bin
- Linuxの場合
-
/opt/jp1ao/bin
実行権限
Administrators権限またはroot権限を持つユーザーで実行してください。Administrators権限またはroot権限がない場合は,権限昇格を求めるメッセージが表示されます。
注意事項
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このコマンドは実行時に一時ファイルが作成されます。このため,バックアップファイルを格納するフォルダに十分な空き容量があることを確認してください。必要な空き容量は次のとおりです。
バックアップ対象ファイルの容量+20MB
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このコマンドでリストアを実施する前に,JP1/Baseのリストアを実施してください。
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このコマンドでは,次のファイルはリストアされません。必要に応じて手動で再設定してください。
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https接続用のSSLサーバ証明書ファイル
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https接続用の秘密鍵ファイル
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公開鍵認証用の秘密鍵ファイル
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作成したクラスタサービス制御コマンド(Linuxでクラスタ構成の場合)
https接続用のファイルはhttpsd.confファイル(Windowsの場合)またはuser_httpsd.confファイル(Linuxの場合),公開鍵認証用のファイルはプロパティファイル(config_user.peroperties)で定義されている,それぞれの格納先に配置してください。
-
-
autoオプションを指定しない場合,JP1/AOのサービスが停止していることを確認してからこのコマンドを実行してください。
停止していない場合は,hcmdssrvコマンドまたはhcmds64srvコマンドにstopオプションを指定して実行し,サービスを停止してください。
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バックアップを取得したときに登録されていたJP1ユーザー名以外をjp1userオプションに指定した場合は,リストア後,[サービス共有プロパティ]ビューで「JP1ユーザー名」および「JP1ユーザーのパスワード」をコマンドに指定したJP1ユーザーに変更してください。
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JP1/AOのインストールパスに半角スペースが含まれる場合,半角の直前までのパスと同名のパスのファイルやフォルダが存在すると,restoresystemコマンドの実行が戻り値114で失敗します。この現象が発生した場合は,該当ファイルまたはフォルダを別のパスに移動してください。その後,JP1/AOを再インストールし,restoresystemコマンドを再度実行してください。
(例)JP1/AOを"C:¥Program Files (x86)¥HITACHI¥JP1AO"にインストールしていて,"C:¥Program"のファイルまたはフォルダが存在した場合restoresystemコマンドの実行に失敗します。
-
リストアしたタスクおよびデバッグタスクは,次の操作を選択できません。
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失敗したステップからリトライ
-
失敗した次のステップからリトライ
-
-
リストアしたタスクおよびデバッグタスクは,ステップの進捗や状態が表示されません。
戻り値
コマンドの戻り値を次の表に示します。
戻り値 |
説明 |
---|---|
0 |
正常に終了しました。 |
1 |
引数が不正です。 |
2 |
コマンドの実行を中断しました。 |
3 |
サービスの状態が不正です。 |
4 |
ほかのコマンドを実行中です。 |
7 |
パスの指定が不正です。 |
9 |
指定したパスが存在しません。 |
10 |
指定したパスにアクセスできません。 |
14 |
コマンドの実行権限がありません。 |
110 |
リストアの実行に失敗しました。 |
111 |
サービスの開始/停止に失敗しました。 |
113 |
バックアップファイルが不正です。 |
114 |
スケジューラーデータベースへのアクセスエラーが発生しました。 |
116 |
指定したJP1ユーザーにタスク処理エンジンをセットアップする権限がありません。 |
255 |
そのほかのエラーでコマンドの実行が中断しました。 |
使用例
Windowsで,指定したバックアップフォルダのデータをリストアする場合のコマンドの使用例を示します。
restoresystem /dir C:\Users\Backup /jp1user JP1_AO_Admin /auto
関連トピック
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マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」−「バックアップとリカバリー」のトピック
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マニュアル「JP1/AO 構築ガイド」−「プロパティファイル(config_user.properties)」のトピック