1.1.2 サービステンプレートの開発に使用する要素
サービステンプレートには,運用手順を自動化するために必要な情報が定義されています。サービステンプレートの開発に使用する要素を次に示します。
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サービステンプレートを開発するための環境です。開発したサービステンプレートの動作を検証するため,デバッグや運用テストも実行します。サービステンプレートは本番環境で開発することもできますが,開発環境と本番環境は別にすることを推奨します。
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開発が完了したサービステンプレートからサービスを追加し,実行するための環境です。実際に自動化の運用を行います。
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IT運用を自動化するための処理の最小単位です。
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ITシステムの運用手順を自動化するための処理が定義されています。サービステンプレートにはフローおよびステップが含まれています。
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ユーザーが作成中のサービステンプレートです。リリースサービステンプレートを複製して作成したサービステンプレートも,開発サービステンプレートに含まれます。開発環境で使用します。
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開発サービステンプレートをリリースすると,リリースサービステンプレートになります。リリースサービステンプレートは,編集できません。JP1/AOが提供するサービステンプレートもリリースサービステンプレートに含まれます。本番環境で実際に使用します。
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自動化する運用手順の流れが定義されています。
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フローを構成する要素で,1つの部品を実行します。
サービステンプレートおよび部品の要素とプロパティマッピングについて説明します。
プロパティマッピングの例を次の図に示します。
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プロパティマッピング
サービステンプレートには,汎用的な運用手順が定義されています。そのため,サービステンプレートから追加したサービスには,ホスト名やリソースサイズなど,サービスの実行に必要な入力値を格納するためのプロパティが定義されています。これを,サービスの入力プロパティといいます。サービスの実行結果は,サービスの出力プロパティの値として,JP1/AOの操作画面に出力されます。
また,部品には,部品の実行に必要な入力値を格納する入力プロパティと,実行結果を格納する出力プロパティが定義されています。部品の入力プロパティは,直接値を入力する以外に,サービスの入力プロパティや変数と結び付けることで,値を引き継ぐことができます。
サービスの出力プロパティと部品の出力プロパティを結び付けることで,部品の実行結果をJP1/AOの操作画面で確認できます。このように,プロパティを結び付けて値を引き継ぐことを,プロパティマッピングといいます。
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サービスの入力プロパティと部品の入力プロパティのマッピング
「図1‒3 サービステンプレートおよび部品の要素とプロパティマッピング」の例では,「サービスの入力プロパティ1」と「部品Aの入力プロパティ1」,「サービスの入力プロパティ2」と「部品Bの入力プロパティ2」をマッピングし,「部品Aの入力プロパティ2」にはマッピングの設定をしていません。
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「サービスの入力プロパティ1」に入力した値が,「部品Aの入力プロパティ1」に入力されます。
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「サービスの入力プロパティ2」に入力した値が,「部品Bの入力プロパティ2」に入力されます。
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マッピングの設定をしていない「部品Aの入力プロパティ2」には,サービステンプレートを作成または編集したときに入力した値が設定されています。
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サービスの出力プロパティと部品の出力プロパティのマッピング
「図1‒3 サービステンプレートおよび部品の要素とプロパティマッピング」の例では,「部品Aの出力プロパティ2」と「サービスの出力プロパティ2」,「部品Bの出力プロパティ1」と「サービスの出力プロパティ1」をマッピングしています。
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「部品Aの出力プロパティ2」として出力された部品Aの実行結果(コマンドの標準出力,標準エラー出力,または出力プロパティ)が,「サービスの出力プロパティ2」にも出力され,ユーザーはJP1/AOの操作画面から部品Aの実行結果を確認できます。
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「部品Bの出力プロパティ1」として出力された部品Bの実行結果(コマンドの標準出力,標準エラー出力,または出力プロパティ)が,「サービスの出力プロパティ1」にも出力され,ユーザーはJP1/AOの操作画面から部品Bの実行結果を確認できます。
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変数と部品のプロパティのマッピング
「図1‒3 サービステンプレートおよび部品の要素とプロパティマッピング」では,「部品Aの出力プロパティ1」と「変数1」,「変数1」と「部品Bの入力プロパティ1」をマッピングしています。
「部品Aの出力プロパティ1」として出力された値が,「変数1」に格納されたあと,「部品Bの入力プロパティ1」に入力されます。これによって,部品Aの実行結果を部品Bの入力プロパティの値として引き継いで,処理に反映させることができます。
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