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JP1 Version 10 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


5.11.48 vCenterサーバ経由でのファイル送信

機能

この部品は,VMware vSphere環境で,指定したファイルを実行対象サーバからvCenterサーバ経由で仮想サーバのゲストOSに送信します。

ファイルはバイナリ形式で送信します。

ファイル送信は,実行対象サーバで次のvSphere PowerCLIのコマンドレットを使用して行います。

 Copy-VMGuestFile -Source "実行対象サーバ上のファイルパス(VMware.fileOnHostプロパティ)の値"

          -Destination "ゲストOS上のファイルパス(VMware.fileOnGuestプロパティ)の値"

          -LocalToGuest

          -Force※1

          -VM VirtualMachineオブジェクト※2

          -GuestUser "ゲストOSにログインするためのユーザー名(VMware.guestOSUserNameプロパティ)の値"

          -GuestPassword "ゲストOSにログインするためのパスワード(VMware.guestOSUserPasswordプロパティ)の値"

          -Confirm:$false※3

 ※1 ゲストOS上のファイルパス(VMware.fileOnGuestプロパティ)に存在しないフォルダが含まれる場合,フォルダを作成します。

 ※2 仮想サーバ名(VMware.vmNameプロパティ)の値から取得したオブジェクト

 ※3 コマンドレットが対話型になるのを防ぎます。

この部品が前提とするサーバを次に示します。

・vCenterサーバ

 VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。

・ESXサーバ

 VMware vSphere ESXiがインストールされているサーバです。

・vCenter操作サーバ(実行対象サーバ)

 VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。JP1/AOによってこのサーバに部品が転送され,実行されます。

・仮想サーバ

 vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXiによって管理されている仮想サーバです。

Copy-VMGuestFileコマンドレットの詳細については,vSphere PowerCLI Documentationの「Cmdlet Reference」を参照してください。

利用場面

vCenterサーバが管理する仮想サーバと,JP1/AOサーバが通信できない環境で,OSの初期設定を行うスクリプトファイルを実行する場合に,vCenterサーバを経由してvCenter操作サーバから仮想サーバにスクリプトを送信するために使用します。

「vCenterサーバ経由でのスクリプト実行(vsphereInvokeScript部品)」「vCenterサーバ経由でのファイル削除(vsphereDeleteFileOnGuest部品)」と組み合わせて使用します。

前提条件

【システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 10-52以降

【実行対象サーバ内前提製品】

 ・VMware vSphere PowerCLI 6.0 Release1,5.8 Release1,5.5 Release2,5.5 Release1,5.1 Release2,5.0

【実行対象システム内前提製品】

(1)vCenterサーバの前提製品

 ・VMware vCenter Server 6.0,5.5,5.1,5.0

(2)仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi

 ・VMware vSphere ESXi 6.0,5.5,5.1,5.0

(3)仮想サーバの前提OS

 vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。

 ・Windows Server 2008 Standard/Enterprise (x86/x64),Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (AMD/Intel 64),Red Hat Enterprise Linux 5 (AMD/Intel 64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

【実行対象システム内前提製品の使用条件】

(1)VMware vSphere ESXiがVMware vCenter Serverで管理されていること。

(2)VMware vCenter Server上の設定に関する条件

 ・仮想サーバの名称が一意であること。

 ・VMwareに関連する次の名称について,VMware上では英字の大文字・小文字は区別されますが,この部品が実行するvSphere PowerCLIからは,指定した名称の英字の大文字・小文字を区別できません。

  - 仮想サーバ名

(3)仮想サーバに関する条件

 ・仮想サーバが起動していること。

 ・仮想サーバに,VMwareToolsがインストールされていること。

注意事項

(1)この部品のプロパティには「"」(ダブルクォーテーション)および「'」(シングルクォーテーション)を含む文字列は指定しないでください。

(2)その他の注意事項については,vSphere PowerCLI Documentationの「Cmdlet Reference」のCopy-VMGuestFileコマンドレットの注意事項を参照してください。

実行権限

(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。

 システム管理者ロール

バージョン

01.54.00

カテゴリ

VirtualMachine/vSphere

タスクログに表示される部品の名称

vsphereSendFileToGuest

戻り値

戻り値

説明

0

正常

12

異常(ユーザーミス) プロパティ不正

23

異常(環境不正) 前提環境不正

27

異常(エラー内容はタスクログで確認)

41

異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知)

プロパティ一覧

プロパティ一覧を次の表に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

デフォルト値

入出力種別

必須区分

plugin.destinationHost

実行対象サーバのホスト名

この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

VMware.vCenterServerName

vCenterサーバ名

VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

VMware.userName

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。

− 

入力

○ 

VMware.password

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。

− 

入力

○ 

VMware.portNumber

VMware vCenter Server接続用ポート番号

VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。

443

入力

△ 

VMware.protocol

VMware vCenter Server接続用プロトコル

VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。

https

入力

○ 

VMware.vmName

仮想サーバ名

仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

− 

入力

○ 

VMware.guestOSUserName

ゲストOSにログインするためのユーザー名

ゲストOSにログインするためのユーザー名を指定します。

− 

入力

○ 

VMware.guestOSUserPassword

ゲストOSにログインするためのパスワード

ゲストOSにログインするためのパスワードを指定します。

− 

入力

○ 

VMware.fileOnHost

実行対象サーバ上のファイルパス

送信元となる実行対象サーバ上のファイルパスをフルパスで指定します。

− 

入力

○ 

VMware.fileOnGuest

ゲストOS上のファイルパス

送信先となるゲストOS上のファイルパスをフルパスで指定します。

− 

入力

○ 

common.returnValue

部品の戻り値

この部品の戻り値が格納されます。

− 

出力

△