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JP1 Version 10 JP1/Automatic Operation 運用ガイド


12.6 JP1/AOシステムをリストアする手順(Linuxのクラスタ構成の場合)

JP1/AOのリプレースやデータベースのメンテナンスなどを実施したあと,JP1/AOおよびJP1/Baseのバックアップしたデータをサーバにリストアします。

注意事項
  • JP1/AOのバックアップ・リストア時には,タスクの詳細情報の一部(ステップ一覧および進捗状況)が削除されたり,タスクの状態が一部変更されたりします。

    バックアップ作業の前にlisttasksコマンドを実行することで,タスク詳細情報を出力しておくことができます。また,出力したタスク詳細情報を使用して,リストア後にsubmittaskコマンドを実行すると,指定日時実行タスクおよび定期実行タスクを同一の設定で別のタスクとして一括再登録できます。

  • restoresystemコマンドは,実行系サーバ(cluster.confファイルのmodeにonlineが設定されているサーバ)で実行してください。

  • backupsystemコマンドを実行して,バックアップデータを作成します。

  • バックアップ時のホストとリストア先のホストで,次の項目が同じであることを確認します。

    • JP1/AOのインストール先のディレクトリパス

    • インストールされているJP1/AOのバージョン,リビジョンおよび限定コード※1

    • ホスト名※2

    • IPアドレス

    • JP1ユーザーとマッピングされているOSユーザー

    • システムのロケール

    注※1

    JP1/AOのバージョン,リビジョンおよび限定コードは,[バージョン]ダイアログボックスで確認できます。

    注※2

    JP1/AOサーバのホスト名を変更する手順や,ホスト名が異なる環境に対してリプレースをする手順の中でリストアする場合は,ホスト名を同じにする必要はありません。

操作できる権限およびロール:

OSのroot権限およびクラスタの管理権限を持つユーザー

JP1/AOシステムをリストアするには(クラスタ構成の場合):

  1. 実行中,応答待ち中,異常検出,および停止中の状態のタスクがないことを確認します。ある場合は,タスクを実行停止するか,正常終了または失敗の状態になるまで待ちます。

  2. クラスタソフト上で,JP1/AOが登録されたリソースグループをオフラインにします。

  3. 次のリソースの起動,停止,および動作監視を無効にします。手順の詳細はクラスタソフトのドキュメントを参照してください。

    • JP1/Base

    • 共通コンポーネントのデータベース

    • HBase 64 Storage Mgmt SSO Service

    • HBase 64 Storage Mgmt Web SSO Service

    • HBase 64 Storage Mgmt Web Service

    • HAutomation Engine Web Service

    • HAutomation Engine

    • stopclusterコマンド

  4. クラスタソフト上で,JP1/AOが登録されたリソースグループをオンラインにします。

  5. JP1/Baseの設定情報やデータベース情報をリストアします。

  6. 実行系サーバの共有ディスクをオンラインにします。

  7. 実行系サーバでrestoresystemコマンドを実行して,JP1/AOの設定情報やデータベース情報をリストアします。

    ポイント

    restoresystemコマンドでは,次のファイルはリストアされません。必要に応じて手動で再配置してください。

    • https接続用のSSLサーバ証明書ファイル

    • https接続用の秘密鍵ファイル

    • 公開鍵認証用の秘密鍵ファイル

    • 作成したクラスタサービス制御コマンド

    https接続用のファイルはuser_httpsd.confファイル,公開鍵認証用のファイルはプロパティファイル(config_user.peroperties)で定義されている,それぞれの格納先に配置してください。

  8. hcmds64srvコマンドにstopオプションを指定して実行し,JP1/AOシステムを停止します。

  9. 実行系サーバで,リストア先の環境に合わせて,次の定義ファイルを再設定します。

    これらの定義ファイルは,バックアップはされますが,リストアはされません。

    • 外部認証サーバ連携コンフィグファイル(exauth.properties)

    • セキュリティ定義ファイル(security.conf)

    • ポート番号変更の設定(user_httpsd.conf)

    なお,定義ファイルは次のフォルダに格納されています。

    • バックアップ先フォルダ/HBase/base/conf

    • バックアップ先フォルダ/HBase/base/httpsd.conf

  10. 実行系サーバで,JP1/AOとWebブラウザー間のポート番号またはタスク処理エンジンとの通信で使用するポート番号を変更している場合は,ポート番号の変更手順に従い再設定します。

  11. JP1/AOとWebブラウザー間でhttps接続を使用している場合は,実行系サーバでhttps接続を有効にします。

  12. 手順8,手順9,手順10,手順11を待機系サーバでも実行します。

  13. クラスタソフト上で,JP1/AOが登録されたリソースグループをオフラインにします。

  14. 次のリソースの起動,停止,および動作監視を有効にします。手順の詳細はクラスタソフトのドキュメントを参照してください。

    • JP1/Base

    • 共通コンポーネントのデータベース

    • HBase 64 Storage Mgmt SSO Service

    • HBase 64 Storage Mgmt Web SSO Service

    • HBase 64 Storage Mgmt Web Service

    • HAutomation Engine Web Service

    • HAutomation Engine

    • stopclusterコマンド

    注意事項

    stopclusterコマンドについては,リソースがオフラインになるときだけ実行されるよう設定してください。

    誤ってこのリソースがオンラインのときに実行すると,KNAE01635-Eのメッセージが出力され,タスク操作が失敗します。この場合は,JP1/AOを停止し,このリソースをオフライン時にだけ実行するよう設定したあとに,JP1/AOを再起動してください。

  15. クラスタソフト上で,JP1/AOが登録されたリソースグループをオンラインにします。

指定したホストにデータがリストアされます。

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