4.9 部品の同時実行数を変更する手順
部品の同時実行数を変更する場合は,製品の再起動が必要です。
部品の同時実行数を変更できるのは,通常のタスクに含まれる部品の同時実行数です。部品の同時実行数には,10,50,または100を指定してください。
また,それぞれの値に応じてJP1/AOサーバのメモリー所要量,およびタスク処理エンジンの実行エージェントの多重度の設定値を見直す必要があります。
部品の同時実行数を変更するには:
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部品の同時実行数を見積もります。その値に応じて,JP1/AOサーバのメモリー所要量を確保してください。部品の同時実行数に応じたJP1/AOサーバのメモリー所要量を次の表に示します。
表4‒3 部品の同時実行数に応じたJP1/AOサーバのメモリー所要量 部品の同時実行数
JP1/AOサーバのメモリー所要量(GB)※
最小
推奨
10
4
6
50
5
7
100
6
8
- 注※
-
次の処理が同時に上限値に達する可能性がある場合は,「推奨」のメモリー所要量を確保することをお勧めします。対象となる処理の上限値は次のとおりです。
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ユーザー応答待ち部品の上限値70個
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繰り返し実行部品の上限値20個
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デバッグタスクの上限値10個
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次のコマンドラインを実行し,環境変数「JP1_USERNAME」の値を設定します。
- Windowsの場合
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set JP1_USERNAME=ビルトインサービス共有プロパティ「JP1ユーザー名」の値
- Linuxの場合※
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export JP1_USERNAME=ビルトインサービス共有プロパティ「JP1ユーザー名」の値
注※ Bourne Shell系のエディタを使用する場合の例です。
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タスク処理エンジンの実行エージェントの多重度を設定するため,次の形式でajsagtaltコマンドを実行します。
- 非クラスタシステムの場合
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ajsagtalt -a @SYSTEM -c 0:00-0:00=実行エージェントの多重度※
- クラスタシステムの場合
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ajsagtalt -h 論理ホスト名 -a @SYSTEM -c 0:00-0:00=実行エージェントの多重度※
- 注※
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コマンド名の先頭にajsが付くコマンドは,タスク処理エンジンのシステムファイルの格納先フォルダ内に格納されています。詳細は,「付録A.1 フォルダ一覧(Windowsの場合)」または「付録A.2 フォルダ一覧(Linuxの場合)」のトピックを参照してください。
実行エージェントの多重度には,部品の同時実行数に応じて,次の表の値を設定してください。
表4‒4 部品の同時実行数に応じた実行エージェントの多重度の設定値 部品の同時実行数
実行エージェントの多重度
10
50
50
60
100
110
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プロパティファイル(config_user.properties)のキー「plugin.threadPoolSize」に,部品の同時実行数を指定します。部品の同時実行数には,10,50,または100を,次の形式で指定してください。
plugin.threadPoolSize = 部品の同時実行数
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JP1/AOのサービスを停止します。
- 非クラスタシステムの場合
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hcmdssrvコマンド,またはhcmds64srvコマンドにstopオプションを指定して実行します。
- クラスタシステムの場合
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クラスタソフトを使用してサービスをオフラインにします。
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JP1/AOのサービスを開始します。
- 非クラスタシステムの場合
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hcmdssrvコマンド,またはhcmds64srvコマンドにstartオプションを指定して実行します。
- クラスタシステムの場合
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クラスタソフトを使用してサービスをオンラインにします。
- ポイント
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実行時間の長い部品を同時に実行した場合,部品の同時実行数に達すると,処理能力に余裕があるときでも,実行待ちの状態になります。この場合,部品の同時実行数を増加させると,不要な待ち時間を減少させ,全体の処理時間を短縮できます。ただし,実行時間の短い部品を大量に実行した場合など,JP1/AOの処理能力を十分に使用している状態では,部品の同時実行数を増加させても処理時間は短縮できません。
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