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JP1 Version 10 JP1/Performance Management - Agent Option for Enterprise Applications


12.5.1 トラブルシューティング時にWindows環境で採取する資料の採取方法

〈この項の構成〉

(1) ダンプ情報を採取する(Windows Server 2008,Windows Server 2012の場合)

Windows Server 2008,Windows Server 2012の環境での,ダンプ情報の採取手順を次に示します。

  1. タスクマネージャーを開く。

  2. プロセスのタブを選択する。

  3. ダンプを取得するプロセス名を右クリックし,「ダンプ ファイルの作成」を選択する。

    次のフォルダに,ダンプファイルが格納されます。

    システムドライブ\Users\ユーザー名\AppData\Local\Temp
  4. 手順3のフォルダからダンプファイルを採取する。

    手順3と異なるフォルダにダンプファイルが出力されるように環境変数の設定を変更している場合は,変更先のフォルダからダンプファイルを採取してください。

(2) 資料採取コマンドを実行する

トラブルの要因を調べるための資料の採取には,jpcrasコマンドを使用します。資料採取コマンドの実行手順を次に示します。なお,ここで説明する操作は,OSユーザーとしてAdministrators権限を持つユーザーが実行してください。

  1. 資料採取するサービスがインストールされているホストにログオンする。

  2. コマンドプロンプトで次に示すコマンドを実行して,コマンドインタープリタの「コマンド拡張機能」を有効にする。

    cmd /E:ON
  3. 採取する資料および資料の格納先フォルダを指定して,jpcrasコマンドを実行する。

    jpcrasコマンドで,データベース情報とダンプ情報を除く情報をc:\tmp\jpc\agtフォルダに格納する場合の,コマンドの指定例を次に示します。

    jpcras c:\tmp\jpc\agt all 

jpcrasコマンドを実行すると,PFMサービスの一覧取得および起動状態の確認のため,内部的に「jpctool service list -id * -host *」コマンドが実行されます。コマンド実行ホストとほかのPerformance Managementシステムのホストとの間にファイアウォールが設定されていたり,システム構成が大規模だったりすると,「jpctool service list -id * -host *」コマンドの実行に時間が掛かる場合があります。そのような場合は,環境変数JPC_COLCTRLNOHOSTに1を設定することで「jpctool service list -id * -host *」コマンドの処理を抑止し,コマンドの実行時間を短縮できます。

jpcrasコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

Windows Server 2008の環境で実行する場合の注意事項

OSのユーザーアカウント制御機能(UAC)を有効にしている場合は,コマンド実行時にユーザーアカウント制御のダイアログが表示される場合があります。ダイアログが表示された場合は,[続行]または[はい]ボタンをクリックして資料採取を続行してください。[キャンセル]または[いいえ]ボタンをクリックした場合は,資料採取が中止されます。

(3) 資料採取コマンドを実行する(論理ホスト運用の場合)

論理ホスト運用のPerformance Managementの資料は共有ディスクにあり,資料は実行系と待機系の両方で採取する必要があります。

トラブルの要因を調べるための資料の採取には,jpcrasコマンドを使用します。資料採取コマンドの実行手順を次に示します。なお,ここで説明する操作は,OSユーザーとしてAdministrators権限を持つユーザーが実行してください。

論理ホスト運用の場合の資料採取コマンドの実行について,手順を説明します。

  1. 共有ディスクをオンラインにする。

    論理ホストの資料は共有ディスクに格納されています。実行系ノードでは,共有ディスクがオンラインになっていることを確認して資料を採取してください。

  2. 実行系と待機系の両方で,採取する資料および資料の格納先フォルダを指定して,jpcrasコマンドを実行する。

    jpcrasコマンドで,データベース情報とダンプ情報を除く情報をc:\tmp\jpc\agtフォルダに格納する場合の,コマンドの指定例を次に示します。

    jpcras c:\tmp\jpc\agt all

    jpcrasコマンドをlhostの引数を指定しないで実行すると,そのノードの物理ホストと論理ホストのPerformance Managementの資料が一とおり採取されます。論理ホスト環境のPerformance Managementがある場合は,共有ディスク上のログファイルが取得されます。

    なお,共有ディスクがオフラインになっているノードでjpcrasコマンドを実行すると,共有ディスク上のファイルを取得できませんが,エラーは発生しないで正常終了します。

    注意

    実行系ノードと待機系ノードの両方で,資料採取コマンドを実行して資料採取をしてください。フェールオーバーの前後の調査をするには,実行系と待機系の両方の資料が必要です。

    jpcrasコマンドについては,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

  3. クラスタソフトの資料を採取する。

    この資料は,クラスタソフトとPerformance Managementのどちらでトラブルが発生しているのかを調査するために必要になります。クラスタソフトからPerformance Managementへの起動停止などの制御要求と結果を調査できる資料を採取してください。

(4) システムログ情報やCCMSアラート情報をデフォルトの格納先から変更した場合

変更後の格納先から,格納ファイルおよび管理ファイルを手動で採取してください。

(5) Windowsイベントログを採取する

Windowsの[イベントビューア]ウィンドウで,Windowsイベントログをファイルに出力してください。

(6) SAPシステムの情報を採取する

監視対象プログラムであるSAPシステムに関する情報を採取します。

採取する資料は「12.4.1 (3) SAPシステムの情報」を参照してください。

(7) オペレーション内容を確認する

トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録しておいてください。確認が必要な情報を次に示します。

(8) 画面上のエラー情報を採取する

次に示すハードコピーを採取してください。

(9) その他の情報を採取する

OS共通
  • コマンド実行時にトラブルが発生した場合は,コマンドに指定した引数

  • [アクセサリ]−[システムツール]−[システム情報]の内容

Windows Server 2008,Windows Server 2012の場合
  • Windowsの[イベントビューア]ウィンドウを開き,左ペイン[Windowsログ]の,[システム]および[アプリケーション]の内容