Hitachi

JP1 Version 10 JP1/IT Service Level Management


3.1 JP1/ITSLMで実現できる監視

JP1/ITSLMが監視するのは,監視対象サービスに対する利用者からの実アクセスに基づいた次の3つの監視項目です。

監視項目である平均応答時間,スループット,およびエラー率を監視した結果のデータをサービス性能といいます。サービス性能は1秒間の秒間のデータです。そのため,1分間に60個のサービス性能が測定されます。

監視項目を基に,JP1/ITSLMでは外れ値検知とSLO監視を実行できます。外れ値検知とSLO監視の内容を次の表に示します。

表3‒1 外れ値検知とSLO監視の内容

項番

監視(検知)の種類

内容

1

外れ値検知

監視対象サービスのサービス性能がふだんのサービス性能と大きく異なっている場合に,サービス性能の異常の予兆として検知する監視方法です。

2

SLO監視

傾向監視

監視対象サービスのサービス性能の傾向を算出して,傾向からサービス性能のしきい値超過を事前に検知する監視方法です。

しきい値監視

監視対象サービスのサービス性能が,設定したしきい値を超過した場合に検知する監視方法です。

外れ値検知,傾向監視,およびしきい値監視をすべて実行した場合,監視対象サービスにサービス性能の異常の発生が見込まれたときに,外れ値検知および傾向監視によって警告が表示されます。この段階で適切に対処することで,サービス性能の異常の発生を未然に防げます。また,サービス性能の異常が発生してしまったときには,しきい値監視によってエラーが表示されます。この場合は,至急対処が必要であると判断できます。

また,JP1/PFMと連携することで監視対象サービスを提供しているホストやミドルウェアを監視できるようになります。監視する項目は,あらかじめJP1/PFMで設定した監視項目になります。JP1/PFMで監視する性能データをシステム性能といいます。システム性能も,サービス性能と同様に外れ値検知とSLO監視ができます。

さらに,JP1/PFMと連携することで監視対象サービスの可用性についても監視できます。可用性監視は,異常が発生して停止している監視対象サービスを検知する監視方法です。可用性監視で取得した稼働情報を基に,次の評価指数(SLO)を算出できます。

〈この節の構成〉