JP1/Base 運用ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

4.11.2 IPv6環境で運用する場合の通信設定

図4-9のシステム構成例を基に,エージェントホスト3およびエージェントホスト4を追加する場合の通信設定について説明します。

IPv6環境でIPv6アドレスを用いた通信をする場合の通信設定は,ANYバインド方式とIPバインド方式の場合で違います。

<この項の構成>
(1) ANYバインド方式の場合に必要な設定
(2) IPバインド方式の場合に必要な設定
(3) jp1hosts2情報の+DefaultResolveパラメーターの設定

(1) ANYバインド方式の場合に必要な設定

(a) ANYバインドアドレスの設定

ANYバインドアドレスの指定で,サーバーバインドするIPアドレスを次のどちらかに設定します。

●設定例
マネージャーホストで必要な設定
  1. anybind_all.confを指定して,jbssetcnfコマンドを実行する。
    Windowsの場合
     jbssetcnf インストール先フォルダ\conf\anybind_all.conf
    Linuxの場合
     jbssetcnf /etc/opt/jp1base/conf/anybind_all.conf
エージェントホスト3およびエージェントホスト4で必要な設定
  1. anybind_ipv6.confを指定して,jbssetcnfコマンドを実行する。
    Windowsの場合
     jbssetcnf インストール先フォルダ\conf\anybind_ipv6.conf
    Linuxの場合
     jbssetcnf /etc/opt/jp1base/conf/anybind_ipv6.conf
(b) jp1hosts2情報の設定

各ホストのjp1host2情報に,IPv6アドレスで通信する接続先ホストのIPv6アドレスを設定します。また,IPv6ホストのjp1host2情報には,自ホストのIPv6アドレスも設定します。

●設定例
マネージャーホストで必要な設定
  1. jp1hosts2定義ファイルを編集する。
    jp1hosts2定義ファイルを次に示すように編集してください。
    Agent3 2001:db8::28
    Agent4 2001:db8::32
  2. jbshosts2importコマンドを実行する。
    jbshosts2import {-o|-r} [jp1hosts2定義ファイル名]
エージェントホスト3で必要な設定
  1. jp1hosts2定義ファイルを編集する。
    jp1hosts2定義ファイルを次に示すように編集してください。
    Manager 2001:db8::1e
    Agent3 2001:db8::28
  2. jbshosts2importコマンドを実行する。
    jbshosts2import {-o|-r} [jp1hosts2定義ファイル名]
エージェントホスト4で必要な設定
  1. jp1hosts2定義ファイルを編集する。
    jp1hosts2定義ファイルを次に示すように編集してください。
    Manager 2001:db8::1e
    Agent4 2001:db8::32
  2. jbshosts2importコマンドを実行する。
    jbshosts2import {-o|-r} [jp1hosts2定義ファイル名]

(2) IPバインド方式の場合に必要な設定

(a) jp1hosts2情報の設定

各ホストのjp1host2情報に,IPv6アドレスで通信する接続先ホストのIPv6アドレスと自ホストのIPアドレスを設定します。

●設定例
マネージャーホストで必要な設定
  1. jp1hosts2定義ファイルを編集する。
    jp1hosts2定義ファイルを次に示すように編集してください。
    Manager 10.0.0.30 2001:db8::1e
    Agent3 2001:db8::28
    Agent4 2001:db8::32
  2. jbshosts2importコマンドを実行する。
    jbshosts2import {-o|-r} [jp1hosts2定義ファイル名]
エージェントホスト3で必要な設定
  1. jp1hosts2定義ファイルを編集する。
    jp1hosts2定義ファイルを次に示すように編集してください。
    Manager 2001:db8::1e
    Agent3 2001:db8::28
  2. jbshosts2importコマンドを実行する。
    jbshosts2import {-o|-r} [jp1hosts2定義ファイル名]
エージェントホスト4で必要な設定
  1. jp1hosts2定義ファイルを編集する。
    jp1hosts2定義ファイルを次に示すように編集してください。
    Manager 2001:db8::1e
    Agent4 2001:db8::32
  2. jbshosts2importコマンドを実行する。
    jbshosts2import {-o|-r} [jp1hosts2定義ファイル名]

(3) jp1hosts2情報の+DefaultResolveパラメーターの設定

jp1hosts2情報の+DefaultResolveパラメーターは,jp1hosts2情報に定義していないホスト名の名前解決方法を指定するパラメーターです。OSのhostsやDNSを使用してIPv6アドレスを求める場合は,+DefaultResolveパラメーターに1(IPv4アドレスおよびIPv6アドレスを求める)を設定します。

ただし,IPv4ホストとIPv6ホストが混在するネットワーク環境で,JP1/Baseを運用する場合は,IPv6ホストのIPアドレスを明示するために,jp1hosts2情報に定義することを推奨します。

なお,+DefaultResolveパラメーターの初期設定および省略時は,0(IPv4アドレスだけを求める)に設定されます。したがって,jp1hosts2情報にIPv6アドレスで通信するホストのIPアドレスを設定すれば,+DefaultResolveパラメーターの設定は不要です。