JP1/Base 運用ガイド
jp1hosts情報を使用する場合とjp1hosts2情報を使用する場合の違いについて説明します。
表4-3 jp1hosts情報を使用する場合とjp1hosts2情報を使用する場合の違い
| 項番 | 項目 | jp1hosts情報の場合 | jp1hosts2情報の場合 |
|---|---|---|---|
| 1 | インポートした定義を反映するためのJP1/Baseの再起動 | 常にJP1/Baseの再起動が必要。 | 他ホストのIPアドレスを追加した場合,JP1/Baseの再起動は不要。 |
| 2 | 物理ホストおよび論理ホストへの定義 | 物理ホストと論理ホストの両方にホスト定義が必要。 | 物理ホストに設定したホスト定義が論理ホストにマージされる。 |
| 3 | クラスタ運用時の論理ホストへの定義 | 論理ホストへのインポートは,実行系と待機系の両方に必要。 | 論理ホストへのインポートは実行系だけに必要。 |
| 4 | 共通定義情報への登録 | 定義内容は共通定義情報へ登録される。 | 共通定義情報へは登録されない。定義内容はバイナリファイルで保持する。 |
| 5 | 定義できるホスト数 | 制限なし。 | 最大10,000台。 |
| 6 | 定義ファイルの1レコードの長さ | 最大256バイト。 | 制限なし。 |
| 7 | ホスト定義がない定義ファイルのインポート | エラーになる。 | 有効に定義される。 |
| 8 | 設定済みの定義内容と同じ設定の定義ファイルのインポート | 有効に定義される。 | エラーになる。 |
| 9 | IPv6アドレス | 設定できない。 | 設定できる。 |
| 10 | イベントサービスの通信 | 使用できない。 | 使用できる。 |
jp1hosts情報の定義を変更した場合,その内容を反映するにはJP1/Base,JP1/Baseを前提とする製品,およびJP1/Baseと依存関係のあるプログラムを常に再起動する必要があります。
jp1hosts2情報の場合,他ホストのIPアドレスを追加したときは,定義をインポートするだけで定義内容が反映されます。したがって,ネットワークにエージェントホストを追加したときに,マネージャーホストのJP1/Base,JP1/Baseを前提とする製品,およびJP1/Baseと依存関係のあるプログラムの再起動が不要になります。なお,他ホストのIPアドレスの追加以外で定義を変更した場合は,再起動が必要です。
jp1hosts情報の場合,名前解決するためのホスト定義を,物理ホストと論理ホストそれぞれに設定する必要があります。
jp1hosts2情報の場合,物理ホストのjp1hosts2情報のホスト定義と論理ホストのjp1hosts2情報のホスト定義をマージして,論理ホストのjp1hosts2情報に反映できます。この機能を物理マージ機構といい,論理ホストのjp1hosts2情報の+PhysicalMergeパラメーターで指定します。
初期設定では,+PhysicalMergeパラメーターは有効になっているため,物理ホストのjp1hosts2情報にホスト定義を設定すれば,論理ホストのjp1hosts2情報にも物理ホストのjp1hosts2情報のホスト定義がマージされます。したがって,同一のホストに対して,物理ホストと論理ホストで異なるIPアドレスを解決する必要がある場合を除いて,論理ホストへのホスト定義は不要になります。
+PhysicalMergeパラメーターの詳細については,「14. 定義ファイル」の「jp1hosts2定義ファイル」を参照してください。
クラスタ運用時の論理ホストにjp1hosts情報を設定する場合,実行系および待機系の両系に定義情報をインポートする必要があります。
クラスタ運用時の論理ホストにjp1hosts2情報を設定する場合,実行系に定義情報をインポートすれば,待機系にはインポートする必要はありません。
jp1hosts情報は,共通定義情報に登録されます。
jp1hosts2情報は,共通定義情報には登録されません。バイナリファイル(hostdb{0|1}.bin)に登録されます。格納先については,「付録A ファイルおよびディレクトリ一覧」を参照してください。
jp1hosts情報に定義できるホスト数には,制限がありません。
jp1hosts2情報に定義できるホスト数は,10,000台までです。
jp1hosts情報は,定義ファイルの1レコード(1行)の長さは,256バイトまでです。
jp1hosts2情報は,定義ファイルの1レコード(1行)の長さには,制限がありません。
jp1hosts情報の場合,一つもホストが定義されていない定義ファイルをインポートすると,エラーになりインポートが抑止されます。その際,メッセージKAVA0427-Eが出力されます。
jp1hosts2情報の場合,定義ファイルに一つもホストが定義されていなくても,正常にインポートされます。したがって,+DefaultResolveパラメーターまたは+PhysicalMergeパラメーターだけを定義した定義ファイルをインポートできます。また,何も定義のない定義ファイルもインポートできます。その場合,各パラメーターは省略したときと同じ設定になります。
jp1hosts情報の場合,インポートをした結果,設定されているjp1hosts情報の定義内容に変更がなくても,常に更新されます。
jp1hosts2情報の場合,設定されているjp1hosts2情報の定義内容に変更がある場合だけインポートします。変更がないときは,インポートは抑止されます。その際,メッセージKAVA0456-Iが出力されます。なお,論理ホストにインポートするときは,物理マージ機構のマージ結果に対して変更の有無を確認します。
jp1hosts情報の場合,IPv6アドレスを設定できません。
jp1hosts2情報の場合,IPv6アドレスを設定できます。IPv6アドレスを使用して通信する場合の設定については,「4.11 IPv6環境での運用」を参照してください。
jp1hosts情報の場合,イベントサービスの通信で名前解決に使用できません。
jp1hosts2情報の場合,イベントサービスの通信でも名前解決に使用できます。なお,JP1/Baseを新規インストールした環境では,イベントサービスの通信にjp1hosts2情報を使用する設定になっています。上書きインストールした環境の場合,jp1hosts2情報を使用するには,イベントサーバ設定ファイル(conf)とapi設定ファイル(api)の変更が必要です。変更方法の詳細については,「4.4.4 jp1hosts情報からjp1hosts2情報への移行」を参照してください。
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