uCosminexus EUR システム設計ガイド
ユーザ定義には,スプールデータを操作するユーザごとに,アクセスできるスプールデータの条件を定義します。
ユーザ定義には,次の情報を定義します。
ユーザ認証情報,およびスプールデータに対するアクセス制限情報は,スプールデータの属性情報を基に定義します。利用できる属性情報がない場合は,属性情報を新たに追加します。また,新規にスプールデータを作成する場合は,帳票の蓄積時に,スプールデータの管理方法に合わせて必要な属性情報(ジョブ検索キーの分類と値)を指定します。
スプールデータの属性情報を追加する方法,および蓄積方法の詳細については,マニュアル「EUR 帳票出力 機能解説 EUR Server編」を参照してください。
スプールデータに指定したユーザ名と確認キーが,ユーザ定義の定義内容と一致すると,条件に一致するスプールデータにアクセスできます。
存在しないユーザ名を指定した場合,またはユーザ名と確認キーがユーザ定義の内容と一致しなかった場合は,デフォルトユーザとしてスプールデータにアクセスします。デフォルトユーザとは,アクセス制限の対象としないスプールデータにアクセスするための最低限の権限を持つユーザのことです。
例えば,ユーザ定義を次の表に示すように定義します。
表1-7 ユーザ定義の定義例
ユーザ名※1 | アクセス制限方式 | アクセスを許可する属性情報※2 | ユーザ名が一致するスプールデータの場合 | アクセスを許可する分類名がジョブ検索キーに設定されていない場合 | |
---|---|---|---|---|---|
分類名 | キー値 | ||||
ユーザA | 分類 | 公開先 | 部内 社内 |
○ | × |
ユーザB | 分類 | 公開先 | 社内 | △ | ○ |
このとき,スプールデータの属性情報とユーザがアクセスできるスプールデータとの関係は,次の表に示すようになります。
表1-8 スプールデータの属性情報とアクセス可否
スプールデータの属性 | ユーザ別 アクセス可否 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|
ファイル名 | ジョブ検索キー | |||||
分類1 | 値1 | 分類2 | 値2 | ユーザA | ユーザB | |
ファイルA | ユーザ名 | ユーザA | - | - | ○ | ○ |
ファイルB | ユーザ名 | ユーザA | 公開先 | 部内 | ○ | × |
ファイルC | ユーザ名 | ユーザA | 公開先 | 社内 | ○ | ○ |
ファイルD | ユーザ名 | ユーザB | - | - | × | ○ |
ファイルE | ユーザ名 | ユーザB | 公開先 | 部内 | ○ | × |
ファイルF | ユーザ名 | ユーザB | 公開先 | 社内 | ○ | ○ |
ファイルG | - | - | - | - | × | ○ |
「ユーザA」は,ユーザ名が一致するスプールデータ,および「公開先」の値が「部内」と「社内」のスプールデータにアクセスできます。そのため,「ファイルA」,「ファイルB」,「ファイルC」,「ファイルE」,「ファイルF」にアクセスできます。
「ユーザB」は,ユーザ名が一致するかどうかに関係なく,「公開先」の値が「社内」のスプールデータ,および「公開先」がジョブ検索キーに設定されていないスプールデータにアクセスできます。そのため,「ファイルA」,「ファイルC」,「ファイルD」,「ファイルF」,「ファイルG」にアクセスできます。
ユーザ定義は最大100,000件登録できます。ユーザ定義の定義方法と定義する際に決めておく内容を説明します。
Windows環境では,[EUR Spool Service 構成定義]ダイアログの[ユーザ定義]タブでユーザを定義します。
[ユーザ定義]タブでの設定手順の詳細は,マニュアル「EUR システム構築ガイド」を参照してください。
UNIX/Linux環境では,サンプルファイルを基にユーザ管理ファイルを作成し,ユーザを定義します。
ユーザを登録するためには,次の情報を決定しておいてください。なお,4.~7.はスプールデータへのアクセスを制限する場合に必要です。
ユーザ定義を定義する場合の注意事項について次に示します。
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