帳票システム構築支援 uCosminexus EUR uCosminexus EUR サーバ帳票出力

[目次][索引][前へ][次へ]

7.15.2 暗号化設定ファイルの編集

暗号化設定ファイルは,メモ帳など,テキストファイルが編集できるエディタを起動して編集します。任意の拡張子のファイルを使用できます。

<この項の構成>
(1) 暗号化設定ファイルの構文
(2) 暗号化設定ファイルのキーワード
(3) OwnerPasswordとUserPasswordの違い
(4) パスワードの暗号化

(1) 暗号化設定ファイルの構文

キーワード=値
セキュリティ属性を,「キーワード=値」の形式で記述します。キーワードに指定できる値を次に示します。

表7-27  暗号化設定ファイルの構文

キーワード
OwnerPassword PDFに,セキュリティ属性と権限を設定する時のパスワードを指定します。
DisablePrint PDFからの印刷を禁止するかどうかを指定します。
DisableChange PDF文書情報の変更を禁止するかどうかを指定します。
DisableCopy PDF中の内容のコピー,または抽出を禁止するかどうかを指定します。
DisableAdd 注釈とフォームフィールドの作成を禁止するかどうかを指定します。
UserPassword PDF形式ファイルを閲覧する時のパスワードを指定します。
EncryptionMode PDFファイルを暗号化する時の暗号化モードを指定します。

キーワードの指定は,PDF形式ファイルを暗号化出力する場合と,PDF形式ファイルを暗号化仕分け出力する場合とで異なります。キーワードと対応する出力方法について,次に示します。

表7-28  キーワードと対応する出力方法

キーワード PDF形式ファイルを暗号化出力する場合 PDF形式ファイルを暗号化仕分け出力する場合
OwnerPassword ※1
DisablePrint
DisableChange
DisableCopy
DisableAdd
UserPassword ※2
EncryptionMode
(凡例)
◎:必ず指定するキーワードです。
○:指定を省略できるキーワードです。
注※1
PDF形式ファイルを暗号化仕分け出力する場合,暗号化設定ファイルの指定は省略できますが,暗号化設定ファイルを指定するときは,キーワードOwnerPasswordを必ず指定してください。省略した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
注※2
PDF形式ファイルを暗号化仕分け出力する場合は,PDF仕分け定義ファイルでユーザパスワードを指定します。そのため,暗号化設定ファイルのキーワードUserPasswordは,指定されていても無視されます。

(2) 暗号化設定ファイルのキーワード

暗号化設定ファイルに指定するキーワードは,大文字,小文字の区別をしません。

(a) OwnerPassword

PDFに,セキュリティ属性と権限を設定する場合のパスワードを指定します。暗号化したパスワードも指定できます。パスワードを複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。

PDF形式ファイルを暗号化出力する場合,パスワードは,キーワードOwnerPassword,またはキーワードUserPasswordのどちらかを指定してください。どちらも指定していない場合は,エラー(KEEU033-E)になります。

また,キーワードOwnerPasswordとキーワードUserPasswordには,異なるパスワードを指定してください。同じパスワードを指定した場合は,エラー(KEEU034-E)になります。

■キーワードOwnerPasswordの形式
OwnerPassword=文字列
文字列
パスワード文字列を指定します。
文字列に指定できる文字は,次のとおりです。指定できない文字を使用した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
  • 半角数字
    0〜9
  • 半角英字
    A〜Z,a〜z
  • 半角記号
    ! " # $ % & ' ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ \ ] ^ _ ` { | } ~
  • 半角空白
指定できる文字列の長さは,Shift JISコードで32バイトまでです。32バイトを超えた場合は,エラー(KEEU030-E)になります。

パスワードの暗号化については,「7.15.2(4) パスワードの暗号化」を参照してください。

(b) DisablePrint

PDFからの印刷を禁止するかどうかを指定します。複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。

■キーワードDisablePrintの形式
DisablePrint=〔Yes | No〕
Yes | No
Yesを指定すると,PDFからの印刷を禁止します。ただし,キーワードOwnerPasswordが設定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
Noを指定すると,PDFからの印刷を許可します。
オプションは,大文字と小文字を区別しています。「Yes」または「No」で指定してください。正しく指定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
(c) DisableChange

PDF文書情報の変更を禁止するかどうかを指定します。複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。

■キーワードDisableChangeの形式
DisableChange=〔Yes | No〕
Yes | No
Yesを指定すると,PDF文書情報の変更を禁止します。ただし,キーワードOwnerPasswordが設定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
Noを指定すると,PDF文書情報の変更を許可します。
オプションは,大文字と小文字を区別しています。「Yes」または「No」で指定してください。正しく指定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
(d) DisableCopy

PDF中の内容のコピー,または抽出を禁止するかどうかを指定します。複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。

■キーワードDisableCopyの形式
DisableCopy=〔Yes | No〕
Yes | No
Yesを指定すると,PDF中の内容のコピー,または抽出を禁止します。ただし,キーワードOwnerPasswordが設定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
Noを指定すると,PDF中の内容のコピー,または抽出を許可します。
オプションは,大文字と小文字を区別しています。「Yes」または「No」で指定してください。正しく指定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
(e) DisableAdd

注釈とフォームフィールドの作成を禁止するかどうかを指定します。複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。

■キーワードDisableAddの形式
DisableAdd=〔Yes | No〕
Yes | No
Yesを指定すると,注釈とフォームフィールドの作成を禁止します。ただし,キーワードOwnerPasswordが設定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
Noを指定すると,注釈とフォームフィールドの作成を許可します。
オプションは,大文字と小文字を区別しています。「Yes」または「No」で指定してください。正しく指定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
(f) UserPassword

PDF形式ファイルを閲覧する時のパスワードを指定します。パスワードには,暗号化したパスワードも指定できます。パスワードを複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。

■キーワードUserPasswordの形式
UserPassword=文字列
文字列
パスワードの文字列を指定します。
文字列に指定できる文字は,次のとおりです。指定できない文字を使用した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
  • 半角数字
    0〜9
  • 半角英字
    A〜Z,a〜z
  • 半角記号
    ! " # $ % & ' ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ \ ] ^ _ ` { | } ~
  • 半角空白
指定できる文字列の長さは,Shift JISコードで32バイトまでです。32バイトを超えた場合は,エラー(KEEU030-E)になります。

パスワードの暗号化については,「7.15.2(4) パスワードの暗号化」を参照してください。

(g) EncryptionMode

PDFファイルを暗号化する場合の暗号化モードを指定します。

■キーワードEncryptionModeの形式
EncryptionMode=〔1 | 2〕
1 | 2
暗号化モードを設定します。
指定値とその説明を次に示します。

表7-29  キーワードEncryptionModeの指定値

指定値 鍵長 作成されるPDFファイルのバージョン 暗号強度
1 40ビット バージョン1.2 弱い
2 128ビット バージョン1.4 強い
キーワードEncryptionModeの指定を省略した場合は,128ビットの鍵長でPDFファイルを暗号化します。
指定できる文字は,半角数字の「1」または「2」です。指定できない文字を使用した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。

(3) OwnerPasswordとUserPasswordの違い

暗号化されたPDF形式ファイルを開こうとすると,パスワードの入力を求められます。どのパスワードを入力して開くかによって,PDF形式ファイルの表示は次のように異なります。

■セキュリティ属性を変更する場合の注意
PDF形式ファイルのセキュリティ属性を変更する場合は,暗号化設定ファイルをエディタで開き,設定を変更してください。Adobe AcrobatでPDF形式ファイルを開き,オーナパスワードを入力することで文書のセキュリティを変更できますが,この場合EURでは動作を保証しません。

(4) パスワードの暗号化

セキュリティを強化するために,暗号化設定ファイル,およびPDF仕分け定義ファイルに設定されたキーワードOwnerPasswordとUserPasswordのパスワードを暗号化できます。

(a) パスワードを暗号化する方法

パスワードの暗号化は,PDFパスワード暗号化ツールで行います。 PDFパスワード暗号化ツールは,EUR Print Service - Cipher optionに同梱されています。

(b) 出力されるファイル

パスワード暗号化ツールのコマンドを実行すると,暗号化設定ファイルまたはPDF仕分け定義ファイルの中のパスワードだけが暗号化され,指定したファイルに出力されます。暗号化前のファイルへの上書きはできません。