暗号化設定ファイルに指定するキーワードは,大文字,小文字の区別をしません。
PDFに,セキュリティ属性と権限を設定する場合のパスワードを指定します。暗号化したパスワードも指定できます。パスワードを複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
PDF形式ファイルを暗号化出力する場合,パスワードは,キーワードOwnerPassword,またはキーワードUserPasswordのどちらかを指定してください。どちらも指定していない場合は,エラー(KEEU033-E)になります。
また,キーワードOwnerPasswordとキーワードUserPasswordには,異なるパスワードを指定してください。同じパスワードを指定した場合は,エラー(KEEU034-E)になります。
- ■キーワードOwnerPasswordの形式
- OwnerPassword=文字列
- 文字列
- パスワード文字列を指定します。
- 文字列に指定できる文字は,次のとおりです。指定できない文字を使用した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
- 半角数字
0〜9
- 半角英字
A〜Z,a〜z
- 半角記号
! " # $ % & ' ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ \ ] ^ _ ` { | } ~
- 半角空白
- 指定できる文字列の長さは,Shift JISコードで32バイトまでです。32バイトを超えた場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
パスワードの暗号化については,「7.15.2(4) パスワードの暗号化」を参照してください。
PDFからの印刷を禁止するかどうかを指定します。複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
- ■キーワードDisablePrintの形式
- DisablePrint=〔Yes | No〕
- Yes | No
- Yesを指定すると,PDFからの印刷を禁止します。ただし,キーワードOwnerPasswordが設定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
- Noを指定すると,PDFからの印刷を許可します。
- オプションは,大文字と小文字を区別しています。「Yes」または「No」で指定してください。正しく指定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
PDF文書情報の変更を禁止するかどうかを指定します。複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
- ■キーワードDisableChangeの形式
- DisableChange=〔Yes | No〕
- Yes | No
- Yesを指定すると,PDF文書情報の変更を禁止します。ただし,キーワードOwnerPasswordが設定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
- Noを指定すると,PDF文書情報の変更を許可します。
- オプションは,大文字と小文字を区別しています。「Yes」または「No」で指定してください。正しく指定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
PDF中の内容のコピー,または抽出を禁止するかどうかを指定します。複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
- ■キーワードDisableCopyの形式
- DisableCopy=〔Yes | No〕
- Yes | No
- Yesを指定すると,PDF中の内容のコピー,または抽出を禁止します。ただし,キーワードOwnerPasswordが設定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
- Noを指定すると,PDF中の内容のコピー,または抽出を許可します。
- オプションは,大文字と小文字を区別しています。「Yes」または「No」で指定してください。正しく指定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
注釈とフォームフィールドの作成を禁止するかどうかを指定します。複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
- ■キーワードDisableAddの形式
- DisableAdd=〔Yes | No〕
- Yes | No
- Yesを指定すると,注釈とフォームフィールドの作成を禁止します。ただし,キーワードOwnerPasswordが設定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
- Noを指定すると,注釈とフォームフィールドの作成を許可します。
- オプションは,大文字と小文字を区別しています。「Yes」または「No」で指定してください。正しく指定されていない場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
PDF形式ファイルを閲覧する時のパスワードを指定します。パスワードには,暗号化したパスワードも指定できます。パスワードを複数指定した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
- PDF形式ファイルを暗号化出力する場合
PDF形式ファイルを暗号化出力する場合,パスワードは,暗号化設定ファイルのキーワードOwnerPassword,またはキーワードUserPasswordのどちらかを指定してください。どちらも指定していない場合は,エラー(KEEU033-E)になります。
また,キーワードOwnerPasswordとキーワードUserPasswordには,異なるパスワードを指定してください。同じパスワードを指定した場合は,エラー(KEEU034-E)になります。
- PDF形式ファイルを暗号化仕分け出力する場合
PDF形式ファイルを暗号化仕分け出力する場合は,ユーザパスワードをPDF仕分け定義ファイルのuserpasswordで指定します。そのため,暗号化設定ファイルのキーワードUserPasswordの指定は要りません。指定されていても無視されます。
パスワードは,暗号化設定ファイルのキーワードOwnerPassword,またはPDF仕分け定義ファイルのuserpasswordのどちらかを指定してください。どちらも指定していない場合は,エラー(KEEU033-E)になります。
また,暗号化設定ファイルのキーワードOwnerPasswordとPDF仕分け定義ファイルのuserpasswordには,異なるパスワードを指定してください。同じパスワードを指定した場合は,エラー(KEEU034-E)になります。
PDF仕分け定義ファイルについては,「7.12.2 PDF形式ファイルを暗号化仕分け出力する場合」を参照してください。
- ■キーワードUserPasswordの形式
- UserPassword=文字列
- 文字列
- パスワードの文字列を指定します。
- 文字列に指定できる文字は,次のとおりです。指定できない文字を使用した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
- 半角数字
0〜9
- 半角英字
A〜Z,a〜z
- 半角記号
! " # $ % & ' ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ \ ] ^ _ ` { | } ~
- 半角空白
- 指定できる文字列の長さは,Shift JISコードで32バイトまでです。32バイトを超えた場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
パスワードの暗号化については,「7.15.2(4) パスワードの暗号化」を参照してください。
(g) EncryptionMode
PDFファイルを暗号化する場合の暗号化モードを指定します。
- ■キーワードEncryptionModeの形式
- EncryptionMode=〔1 | 2〕
- 1 | 2
- 暗号化モードを設定します。
- 指定値とその説明を次に示します。
表7-29 キーワードEncryptionModeの指定値
| 指定値 |
鍵長 |
作成されるPDFファイルのバージョン |
暗号強度 |
| 1 |
40ビット |
バージョン1.2 |
弱い |
| 2 |
128ビット |
バージョン1.4 |
強い |
- キーワードEncryptionModeの指定を省略した場合は,128ビットの鍵長でPDFファイルを暗号化します。
- 指定できる文字は,半角数字の「1」または「2」です。指定できない文字を使用した場合は,エラー(KEEU030-E)になります。
セキュリティを強化するために,暗号化設定ファイル,およびPDF仕分け定義ファイルに設定されたキーワードOwnerPasswordとUserPasswordのパスワードを暗号化できます。
パスワードの暗号化は,PDFパスワード暗号化ツールで行います。 PDFパスワード暗号化ツールは,EUR Print Service - Cipher optionに同梱されています。
- Windows環境のファイルを暗号化する場合
Windows環境の暗号化設定ファイル,およびPDF仕分け定義ファイルのパスワードを暗号化する場合は,PDFパスワード暗号化ツール「eurecpdf.exe」を使用します。「eurecpdf.exe」はEUR Print Service - Cipher optionのインストール先フォルダ\Program\下にあります。
- コマンドの構文
eurecpdf.exe
/t 暗号化対象ファイル種別
/if 暗号化対象ファイルパス
/of 出力先ファイルパス
/es 暗号化鍵
- /tオプション
暗号化するファイルの種別を指定します。指定できるファイル種別を次に示します。
cr:暗号化設定ファイル
pd:PDF仕分け定義ファイル
大文字と小文字の区別はしません。「cr」,「pd」以外の文字を指定すると,エラーになります。
- /ifオプション
パスワードを暗号化する暗号化設定ファイル名,またはPDF仕分け定義ファイル名のフルパスを,259文字以内で指定します。
- /ofオプション
パスワードを暗号化したデータを出力するファイルのフルパスを,259文字以内で指定します。
- /esオプション
暗号化したパスワードから元のパスワードを読み出すための,暗号化鍵を指定します。パスワード暗号化鍵に指定できる文字は,次のとおりです。
指定できるパスワード暗号化鍵の長さは,Shift JISコードで32バイトまでです。32バイトを超えた場合は,エラー(KEEU806-E)になります。また,パスワード暗号化鍵に指定できない文字を指定した場合も,エラー(KEEU806-E)になります。
- UNIX/Linux環境のファイルを暗号化する場合
UNIX/Linux環境の暗号化設定ファイル,およびPDF仕分け定義ファイルのパスワードを暗号化する場合は,PDFパスワード暗号化ツール「eurecpdf」を使用します。「eurecpdf」は,/opt/eurps/bin/下にあります。
- コマンドの構文
eurecpdf
-t 暗号化対象ファイル種別
-if 暗号化対象ファイルパス
-of 出力先ファイルパス
-es 暗号化鍵
- -tオプション
暗号化するファイルの種別を指定します。指定できるファイル種別を次に示します。
cr:暗号化設定ファイル
pd:PDF仕分け定義ファイル
大文字と小文字の区別はしません。「cr」,「pd」以外の文字を指定すると,エラーになります。
- -ifオプション
パスワードを暗号化する暗号化設定ファイル名,またはPDF仕分け定義ファイル名のフルパスを,1,023バイト以内で指定します。
- -ofオプション
パスワードを暗号化したデータを出力するファイルのフルパスを,1,023バイト以内で指定します。
- -esオプション
暗号化したパスワードから元のパスワードを読み出すための,暗号化鍵を指定します。パスワード暗号化鍵に指定できる文字は,次のとおりです。
指定できるパスワード暗号化鍵の長さは,Shift JISコードで32バイトまでです。32バイトを超えた場合は,エラー(KEEU002-E)になります。また,パスワード暗号化鍵に指定できない文字を指定した場合も,エラー(KEEU002-E)になります。
パスワード暗号化ツールのコマンドを実行すると,暗号化設定ファイルまたはPDF仕分け定義ファイルの中のパスワードだけが暗号化され,指定したファイルに出力されます。暗号化前のファイルへの上書きはできません。
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