画面・帳票サポートシステム XMAP3 実行ガイド


19.11.3 WindowsサービスでXMAP3サーバを起動したときのエラーコードとメッセージ

XMAP3サーバをWindowsのサービスとして起動した場合のエラーは,Windowsのイベントログへ出力されます。イベントログの内容は,イベントビューアで確認できます。

〈この項の構成〉

(1) エラーコード

Windows サービスとしてXMAP3サーバを起動または終了する際に,致命的なエラーが発生した場合,Windowsに対してサービス固有のエラーコードを返します。

なお,このエラーは,XMAP3サーバで回復できないエラーがシステムに対して発生したことを通知するためのものです。

XMAP3サーバのWindowsサービス運用時のエラーコードを次の表に示します。

表19‒18 XMAP3サーバのWindows サービス運用時のエラーコード

エラーコード

意味

エラー要因

2001001

XMAP3サーバの起動処理に失敗

  • すでにXMAP3サーバが起動されている。

  • システムに過剰な負荷が掛かっている。

  • メモリ領域の確保に失敗した。

2001002

イベントオブジェクトの生成に失敗

  • システムリソースが不足している。

2001004

SendMessageがタイムアウト

  • システムに過剰な負荷が掛かっている。

2001005

XMAP3プリントサーバ起動後の初期処理に失敗

  • すでにXMAP3サーバまたはXMAP3プリントサーバが起動されている。

  • プリントサーバ起動ファイル(X3PPRSV)に誤りがある。

2001006

XMAP3プリントサーバの異常終了

  • 予期しない要因で,すべてのXMAP3プリントサーバが異常終了した。

  • 内部論理エラーが発生した。

注※

エラーを解決するには,「表19-19 XMAP3サーバ出力メッセージの内容と対処方法」を参照してください。

(2) メッセージ一覧

XMAP3サーバをWindowsサービスとして起動したときのエラーログ情報は,Windowsシステムのイベントログのアプリケーションログへ出力されます。出力されたイベントログは,イベントビューアで参照できます。出力される情報の内容と対処方法を次の表に示します。なお,対処後は,対象となるXMAP3サーバを必ず再起動してください。

表19‒19 XMAP3サーバ出力メッセージの内容と対処方法

メッセージID

メッセージ

対処方法

KBXP50101

サービス名ファイルにエラーがあります。※1

X3PHOSTファイルを開き,エラーのある行を訂正する。またはサーバ起動ファイルに設定したX3PHOSTファイルのファイル名が正しいか設定を見直す。

なお,サーバ起動ファイルを訂正した場合は,Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP50201

サーバAP名ファイルにエラーがあります。※1

X3PAPLファイルを開き,エラーのある行を訂正する。

KBXP50301

openに失敗しました。※2

設定ファイルが開けない。ファイルの存在,またはアクセス権を確認する。またはサーバ起動ファイルの設定を見直す。

なお,サーバ起動ファイルを訂正した場合は,Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP50401

readに失敗しました。※2

設定ファイルが読み込めません。ファイルのアクセス権を確認する。

KBXP50501

ソケットが生成できませんでした。※3

TCP/IPの設定を見直す。

KBXP50601

bindに失敗しました。

SERVICESファイルの設定を見直して,ほかのアプリケーションとポート番号が重複していないか確認する。

KBXP50701

ホスト情報の取得ができません。※4

通信情報(HOSTSファイル,またはDNS)の設定を見直す。

KBXP50801

データ送信に失敗しました。

TCP/IPの設定を見直してください。また,ネットワークに過剰な負荷が掛かっていないか確認する。

KBXP50901

データ受信に失敗しました。

TCP/IPの設定を見直してください。また,ネットワークに過剰な負荷が掛かっていないか確認する。

KBXP51001

自ホスト名の取得ができません。

TCP/IP設定を見直してください。

KBXP51101

サービス情報が取得できませんでした。※5

SERVICESファイル,またはサーバ起動ファイルの設定を見直す。

なお,サーバ起動ファイルを訂正した場合は,Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP51201

listenに失敗しました。

TCP/IPの設定を見直す。また,ネットワークに過剰な負荷が掛かっていないか確認する。

KBXP51301

サービスの起動に失敗しました。※6

C/Sセットアップを起動したり,X3PHOSTファイルをメモ帳などで開いたりして,設定を見直す。

KBXP51401

IPアドレスの登録に失敗しました。

システムに過剰な負荷が掛かっていないか確認する。ほかのアプリケーションを終了するか,システムを再起動する。

KBXP51501

ウィンドウの生成に失敗しました。

ほかのプログラムを終了後,再起動する。

KBXP51601

システムコールエラーが発生しました。

システムを再起動する。

KBXP51701

メモリ領域が確保できません。

ほかのプログラムを終了後,再起動する。

KBXP51801

プリンタ情報が取得できないため,印刷サービスを起動しません。

表示・印刷セットアップの「プリンタ」の設定を見直す。

KBXP51901

起動時の引数が不正です。

引数の設定を見直す。

KBXP52001

すでにXMAP3サーバが使用されています。

XMAP3サーバ終了後,再起動する。

リモートデスクトップサービスのクライアントから起動した場合には,サーバのデスクトップ上にXMAP3サーバのエラーダイアログが表示されていないか確認する。

KBXP52101

構成定義情報を取得できません。

構成定義情報(C/Sセットアップ,またはX3PHOSTファイル)の設定を見直す。

KBXP52201

すでにXMAP3クライアントが使用されています。

XMAP3クライアント終了後,再起動する。

KBXP52301

接続時に割当てが要求された表示・印刷サービスは、他のクライアントで使用中です。※7 ※8 ※9

クライアント側でXMAP3クライアント起動時に指定した実行時オプション「/attach」の指定に誤りがないか見直す。または,サーバ側のX3PHOSTファイルに定義した表示・印刷サービスを複数のクライアントに割り当てていないかXMAP3の運用環境を見直す。

上記見直しで現象が改善しない場合,Windowsマシンの強制的なシャットダウン,ネットワークの一時的な瞬断などの発生で,XMAP3サーバに前回接続したサービスの情報が残っていることが考えられます。XMAP3サーバ上に残っているサービスの情報をクリアする方法を次に示します。

  1. XMAP3サーバを再起動する。

  2. XMAP3サーバ管理コマンドを使用して,該当する表示・印刷サービスの情報をクリアする。

  3. メッセージに出力された接続中のIPアドレスのマシンから,エラーとなっているサービス名を指定してXMAP3クライアントを起動し,すぐにXMAP3クライアントを停止させる。

KBXP52401

正常に開始しました。

KBXP52501

正常に終了しました。※10

KBXP52701

サービス名ファイルに定義されているホストの情報が取得できません,設定を見直して下さい。※1,※4

X3PHOSTファイルに設定されているホスト名を確認し,正しいホスト名に変更する。

または,X3PHOSTファイルの設定を変更しないで,環境変数XMAP3_CLTCNF_HOSTを設定する。出力される行数は,有効行(コメント行や空白行などを除く)の行数を示す。

KBXP52801

XMAP3サーバ管理コマンドより,次のサービスの情報をクリアしました。(表示・印刷サービス名 ...※11

KBXP52901

XMAP3クライアントからDHCP環境下でC/Sシステムの通信設定簡略化機能(attach)を受け付けました。(表示・印刷サービス名 ...※12)

(凡例)

−:なし。

イベントログには,SERVICESファイルのサービス名が表示されます。

注※1

イベントログには,エラーのある行の番号が表示されます。

注※2

イベントログには,アクセスに失敗したファイル名が表示されます。

注※3

イベントログには,作成に失敗したソケットのプロトコル名が表示されます。

注※4

イベントログには,情報の取得に失敗したホスト名が表示されます。

注※5

イベントログには,情報の取得に失敗したSERVICESファイルのサービス名が表示されます。

注※6

イベントログには,起動に失敗したプロセスのファイル名が表示されます。

注※7

イベントログには,ほかのクライアントで使用中の表示・印刷サービス名が表示されます。

注※8

イベントログには,要求された表示・印刷サービスを実行しているクライアントのIPアドレス(16進数表記)が表示されます。

注※9

イベントログには,表示・印刷サービスの要求を行ったクライアントのIPアドレス(16進数表記)が表示されます。

注※10

Windowsマシンの強制的なシャットダウンや修復できない障害(停電や電源断など)の場合,システムの制御によってWindowsのイベントログに終了の情報を出力しないときがあります。

注※11

「表示・印刷サービス名」には,クリアした表示・印刷サービスの数だけ表示・印刷サービス名が出力されます。

例えば,表示サービスと印刷サービスの情報がクリアされた場合,次のように出力されます。

 (xppDSP01△xppPRT1)

 △:半角スペース

なお,メッセージの全体長が1024バイト以上の場合,表示・印刷サービス名が出力されないことがあります。出力されなかった表示・印刷サービス名を確認するには,次のどちらかの方法で確認してください。

・サーバ管理コマンド(x3psvmng)の実行時に出力されたときは,「/svname」オプションの指定内容を確認します。

・XMAP3クライアント起動時に出力されたときは,「/attach」オプションの指定内容を確認します。

注※12

「表示・印刷サービス名」には,XMAP3クライアント起動時に「/attach」オプションを受け付けた表示・印刷サービスの数だけ表示・印刷サービス名が出力されます。

例えば,表示サービスと印刷サービスの2サービスが「/attach」オプションを受け付けた場合,次のように出力されます。

 (xppDSP01△xppPRT1)

 △:半角スペース

なお,メッセージの全体長が1024バイト以上の場合,表示・印刷サービス名が出力されないことがあります。出力されなかった表示・印刷サービス名を確認するには,「/attach」オプションの指定内容を確認してください。

表19‒20 Windowsサービス出力メッセージの内容と対処方法

メッセージID

メッセージ

対処方法

KBXP80101-E

システムコールエラーが発生しました。

システムを再起動する。

KBXP80201-E

メモリ領域が確保できません。他のプログラムを終了後、再起動して下さい。

ほかのプログラムを終了後,Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP80301-E

XMAP3サーバのプロセス生成に失敗しました。※1

ほかのプログラムを終了する。または,複数起動するXMAP3サーバの数を少なくしてから,Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP80401-E

XMAP3サーバを開始中にタイムアウトが発生しました。※1

システムに過剰な負荷が掛かっていないか確認する。または,複数起動するXMAP3サーバの数を少なくしてから,Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP80501-E

XMAP3サーバの停止中にタイムアウトが発生しました。システムを再起動して下さい。※1

システムを再起動する。

KBXP80601-W

サーバ起動ファイルにエラーがあります。※2

サーバ起動ファイルを開き,エラーのある行を訂正後,Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP80701-W

XMAP3サーバが異常終了しました。※1

  • アプリケーションログに異常終了の原因となったメッセージが出力されていないか確認する。

  • Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。または,XMAP3サーバ管理コマンドを使用してXMAP3サーバを開始する。

KBXP80801-W

XMAP3サーバ管理コマンドでXMAP3サーバを開始中にタイムアウトが発生しました。※1

システムに過剰な負荷が掛かっていないか確認してから,XMAP3サーバ管理コマンドを再実行する。

KBXP80901-W

XMAP3サーバ管理コマンドでXMAP3サーバを停止中にタイムアウトが発生しました。※1

対象のXMAP3サーバがまだ開始していないときは,「KBXP52401 正常に開始しました。」がアプリケーションログに出力されてからXMAP3サーバ管理コマンドを再実行する。対象のXMAP3サーバが開始しているときは,システムを再起動する。

KBXP81601-E

プリントサーバのプロセス生成に失敗しました。※3

ほかのプログラムを終了する。または,複数起動するXMAP3プリントサーバの数を少なくしてから,Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP81701-E

プリントサーバを開始中にタイムアウトが発生しました。※3

システムに過剰な負荷が掛かっていないか確認する。または,複数起動するXMAP3プリントサーバの数を少なくしてから,Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP81801-E

プリントサーバを停止中にタイムアウトが発生しました。システムを再起動して下さい。※3

システムを再起動する。

KBXP81901-W

プリントサーバ起動ファイルにエラーがあります。※2

プリントサーバ起動ファイルを開き,エラーのある行を訂正後,Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP82001-E

プリントサーバ起動ファイルに有効となる行がありません。

プリントサーバ起動ファイルを開き,エラーのある行を訂正後,Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP82101-W

プリントサーバが異常終了しました。※3

  • アプリケーションログに異常終了の原因となったメッセージが出力されていないか確認する。

  • Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

KBXP82201-E

全てのプリントサーバが異常終了しました。プリントサーバサービスを停止します。

  • アプリケーションログに異常終了の原因となったメッセージが出力されていないか確認する。

  • Windowsサービス中の「XMAP3 Server」を再起動する。

注※1

イベントログには,SERVICESファイルのサービス名が表示されます。

注※2

イベントログには,エラーのある行の番号が表示されます。

注※3

イベントログには,ホスト名が表示されます。