12.3.1 プリンタ構成ファイルで設定するオプション機能
- 〈この項の構成〉
(1) プリンタ給紙トレイの設定(プリンタデバイス名.PrintTray01)
帳票印刷の実行環境で,プリンタ給紙トレイを設定できます。
この機能は,印刷モードが「GDI:ページプリンタ」のときに使用できます。
(a) プリンタ給紙トレイコードの追加
印刷拡張セットアップを起動し,印刷対象プリンタに搭載されている給紙トレイ情報の「トレイ名称」と「トレイコード」を確認します。そのあと,プリンタ構成ファイルをテキストエディタで開き,「option」セクションにプリンタ給紙トレイコードを追加します。このとき,プリンタデバイス名に「*」を指定すると,プリンタ構成ファイルに記載したすべてのプリンタデバイスに対して,共通の内容を設定できます。
(b) 設定例
プリンタ給紙トレイを使用する場合の設定例を次に示します。
(c) 設定時の注意事項
プリンタ給紙トレイを設定するときは,次の点に注意してください。
-
プリンタデバイス名が重複していた場合,先頭行の設定項目が有効となります。
-
トレイコードが不正(利用できないコード)の場合は,給紙トレイの設定は無視されます。
-
プリンタ給紙トレイの設定は,印刷モードが「GDI:ページプリンタ」の場合だけ有効です。「GDI:ページプリンタ」以外の印刷モードでは設定は無視されます。
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プリンタ給紙トレイを設定したあとに,表示・印刷セットアップで[標準値]ボタンをクリックすると,プリンタ構成ファイルの設定値はすべて新規インストールした直後の状態に戻ります。このため,プリンタ給紙トレイの情報も削除されるので注意してください。
なお,表示・印刷セットアップでほかの設定を更新して[更新]ボタンをクリックした場合は,プリンタ給紙トレイに関する内容は保持されます。
-
次の実行環境で印刷サービスを動作させて,ネットワークプリンタ(ほかのWindowsマシンに接続した共用プリンタに対してネットワーク接続したプリンタ)に印刷する場合,プリンタ給紙トレイの設定が無視される場合があります。
プリンタ給紙トレイの設定が有効にならない場合には,ネットワークプリンタのUNCパス(\\コンピュータ名\共用プリンタ名)をローカルポートに設定したローカルプリンタを使用してください。
(2) フォントの設定(プリンタデバイス名.PrintFont1〜PrintFont3)
帳票定義で指定した書体属性(標準,明朝,ゴシック)の出力時のフォント(全角文字フォントおよび半角文字フォント)を指定できます。
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PrintFont1:標準に対して適用するフォントを設定します。
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PrintFont2:明朝に対して適用するフォントを設定します。
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PrintFont3:ゴシックに対して適用するフォントを設定します。
この機能は,次に示す印刷モードのときに使用できます。
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GDI:ページプリンタ
-
GDI:シリアルインパクトプリンタ
-
日立FAXC/SPOOL出力:ページプリンタ
-
日立FAXC/SPOOL出力:シリアルインパクトプリンタ
-
PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用
PDFファイル出力の場合,該当するフォントがインストールされていないWindowsマシンからでも,作成したWindowsマシンで閲覧したときと同じ帳票イメージでPDFファイルを閲覧※できます。
- 注※
-
Adobe ReaderまたはAcrobat Readerの[ファイル]メニューで[文書のプロパティ]を選択し,[文書のプロパティ]ダイアログの[フォント]タブを選択すると,PDFファイル中で使用されているフォント名と,帳票イメージの表示に使用されている代替フォントを確認できます。
(a) フォント名の追加
印刷拡張セットアップを起動し,使用する「フォント名」を確認します。そのあと,プリンタ構成ファイルをテキストエディタで開き,「option」セクションにフォント名を追加します。
プリンタデバイス名に*(半角アスタリスク)を指定すると,すべてのプリンタデバイスに対する設定となります。
PrintFont1〜PrintFont3はそれぞれ単独で指定できます。PrintFont1〜PrintFont3のすべてを指定する必要はありません。
次の条件をすべて満たすフォントを使用できます。
-
日本語TrueType形式のフォント
-
非プロポーショナルフォント
-
埋め込みが許可されているフォント(PDFファイル出力だけ)
これらのフォントは印刷サービスが動作する環境にインストールされている必要があります。これらの条件を満たしていないフォントは,動作が不定となるため使用しないでください。
半角文字を全角文字と異なるフォントで出力したい場合は,半角文字フォント(PrintFontH1〜PrintFontH3)を指定してください。詳細は,「12.3.1(3) フォント(半角文字フォント)の設定(プリンタデバイス名.PrintFontH1〜PrintFontH3)」を参照してください。
(b) 設定例
フォントを指定する場合の設定例を次に示します。
(c) 設定時の注意事項
フォントを設定するときは,次の点に注意してください。
-
パラメタ名を重複して定義した場合,先頭行の設定項目が有効となります。
-
フォントがなかった場合は,次のようになります。
ドローでの書体指定が標準の場合は,MS明朝で印刷されます。
ドローでの書体指定が明朝の場合は,MS明朝で印刷されます。
ドローでの書体指定がゴシックの場合は,MSゴシックで印刷されます。
-
埋め込みが許可されていないフォントを埋め込むことはできません。フォントの埋め込みが許可されているか,ライセンスの購入などで,フォントの埋め込み権限を得ているかどうかを確認してください。
-
フォントを設定したあとに,表示・印刷セットアップで[標準値]ボタンをクリックすると,プリンタ構成ファイルの設定値はすべて新規インストールした直後の状態に戻ります。このため,フォントの情報も削除されるので注意してください。
なお,表示・印刷セットアップでほかの設定を更新して[更新]ボタンをクリックした場合,ここで設定したフォントの設定に関する内容は保持されます。
-
フォントを埋め込む場合,PDFファイルの文字数に比例して,PDFのファイルサイズおよび実行時の処理時間が増加します。運用上,問題がないことを十分に確認してください。
-
プリンタドライバの設定によっては,指定したフォントが代替フォントに置き換えられてしまうことがあります。フォントを指定する場合には,プリンタドライバで,指定するフォントの置き換えをしないようにしてください。
(3) フォント(半角文字フォント)の設定(プリンタデバイス名.PrintFontH1〜PrintFontH3)
帳票定義で指定した書体属性(標準,明朝,ゴシック)の出力時の半角文字フォントを指定できます。半角文字フォントの対象となる半角文字は,半角英数,半角の記号,および半角カタカナです。この機能は,フォントの設定(プリンタデバイス名.PrintFont1〜PrintFont3)が有効な場合にだけ設定できます。
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PrintFontH1:標準に対して適用する半角文字フォントを設定します。
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PrintFontH2:明朝に対して適用する半角文字フォントを設定します。
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PrintFontH3:ゴシックに対して適用する半角文字フォントを設定します。
また,この機能は,次に示す印刷モードのときに使用できます。
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GDI:ページプリンタ
-
GDI:シリアルインパクトプリンタ
-
日立FAXC/SPOOL出力:ページプリンタ
-
日立FAXC/SPOOL出力:シリアルインパクトプリンタ
-
PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用
PDFファイル出力の場合,該当するフォントがインストールされていないWindowsマシンからでも,作成したWindowsマシンで閲覧したときと同じ帳票イメージでPDFファイルを閲覧※できます。
- 注※
-
Adobe ReaderまたはAcrobat Readerの[ファイル]メニューで[文書のプロパティ]を選択し,[文書のプロパティ]ダイアログの[フォント]タブを選択すると,PDFファイル中で使用されているフォント名と,帳票イメージの表示に使用されている代替フォントを確認できます。
(a) フォント名の追加
印刷拡張セットアップを起動し,使用する「フォント名」を確認します。そのあと,プリンタ構成ファイルをテキストエディタで開き,「option」セクションにフォント名を追加します。
プリンタデバイス名に*(半角アスタリスク)を指定すると,すべてのプリンタデバイスに対する設定となります。
PrintFontH1〜PrintFontH3はそれぞれ単独で指定できます。PrintFontH1〜PrintFontH3のすべてを指定する必要はありません。
次の条件をすべて満たすフォントを使用できます。
-
日本語TrueType形式のフォント(PDFファイル出力だけ)
-
非プロポーショナルフォント
-
埋め込みが許可されているフォント(PDFファイル出力だけ)
これらのフォントは印刷サービスが動作する環境にインストールされている必要があります。これらの条件を満たしていないフォントは,動作が不定となるため使用しないでください。
なお,半角文字フォントで指定したフォントの文字コードの範囲は,シフトJISのコード範囲で(00)16〜(7F)16(半角英数),および(A0)16〜(DF)16(半角カタカナ)です。
フォント指定(PrintFont1〜PrintFont3)と,半角文字フォント指定(PrintFontH1〜PrintFontH3)を組み合わせて指定した場合,次の表に示すフォントで印刷されます。
項番 |
フォント指定 (PrintFont1〜PrintFont3) |
半角文字フォント指定 (PrintFontH1〜PrintFontH3) |
印刷結果 |
|
---|---|---|---|---|
全角文字フォント |
半角文字フォント |
|||
1 |
指定なし |
指定なし |
デフォルトのフォントで出力する |
|
2 |
指定あり |
デフォルトのフォントで出力する |
||
3 |
指定あり |
指定なし |
フォント指定(PrintFont1〜PrintFont3)の指定値で出力する |
|
4 |
指定あり |
フォント指定(PrintFont1〜PrintFont3)の指定値で出力する |
半角文字フォント指定(PrintFontH1〜PrintFontH3)の指定値で出力する※ |
- 注※
-
半角文字フォント指定(PrintFontH1〜PrintFontH3)に「OCRB」を指定した場合は,半角英数および記号は「OCRB」で,半角カタカナは「フォント指定(PrintFont1〜PrintFont3)の指定値」で出力されます。
出力例を次に示します。
なお,「OCRB」は次に示す印刷モードでだけ使用できます。
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GDI:ページプリンタ
-
GDI:シリアルインパクトプリンタ
そのほかの印刷モードで設定した場合,出力結果が不正となるため使用しないでください。
-
(b) 設定例
半角文字フォントを指定する場合の設定例を次に示します。
(c) 設定時の注意事項
フォントを設定するときは,次の点に注意してください。
-
パラメタ名を重複して定義した場合,先頭行の設定項目が有効となります。
-
埋め込みが許可されていないフォントを埋め込むことはできません。フォントの埋め込みが許可されているか,ライセンスの購入などで,フォントの埋め込み権限を得ているかどうかを確認してください。
-
フォントを設定したあとに,表示・印刷セットアップで[標準値]ボタンをクリックすると,プリンタ構成ファイルの設定値はすべて新規インストールした直後の状態に戻ります。このため,フォントの情報も削除されるので注意してください。
なお,表示・印刷セットアップでほかの設定を更新して[更新]ボタンをクリックした場合,ここで設定したフォントの設定に関する内容は保持されます。
-
フォントを埋め込む場合,PDFファイルの文字数に比例して,PDFのファイルサイズおよび実行時の処理時間が増加します。運用上,問題がないことを十分に確認してください。
-
プリンタドライバの設定によっては,指定したフォントが代替フォントに置き換えられてしまうことがあります。フォントを指定する場合には,プリンタドライバで,指定するフォントの置き換えをしないようにしてください。
(4) フォント(OCR用フォント)の設定(プリンタデバイス名.PrintFont4)
出力OCRオブジェクトを帳票で出力するときのフォントを指定できます。また,指定したフォントに対して,フォントの高さ,フォントの幅,および字間値調整ドット数を設定できます。
この機能は,次に示す印刷モードのときに使用できます。
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GDI:ページプリンタ
-
GDI:シリアルインパクトプリンタ
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日立FAXC/SPOOL出力:ページプリンタ
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日立FAXC/SPOOL出力:シリアルインパクトプリンタ
この機能を使用するには,プリンタ構成ファイル(X3PPINF)をテキストエディタで開き,「option」セクションにフォント名を追加します。プリンタデバイス名に*(半角アスタリスク)を指定すると,すべてのプリンタデバイスに対する設定となります。なお,設定方法を誤るなどで,プリンタ構成ファイル(X3PPINF)の内容が不正になると,印刷サービスが正しく動作しなくなります。十分に注意して設定してください。
(a) フォント名(プリンタデバイス名.PrintFont4=)
OCR用フォントの論理フォント名を指定します。論理フォント名には,スペース,半角全角,大文字,小文字などを正しく記載してください。指定を省略すると,OCRイメージ出力が仮定されます。
次の条件をすべて満たすフォントを使用できます。次のフォントは印刷サービスが動作する環境にインストールされている必要があります。これらの条件を満たしていないフォントは,動作が不定となるため使用しないでください。
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英数字用のTrueType形式(OCR-B)フォント
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ASCIIコードの0x20〜0x7Eのフォント
ただし,この機能で印刷できる文字の範囲は次のとおりです。
-
ASCIIコード:0x20〜0x7E
コードの印刷結果は,指定したフォントの字形に従います。
(b) フォントの高さ(プリンタデバイス名.Font4Height=)
フォントの高さをドットで指定します。各印刷モードの設定値は次のとおりです。
-
GDIページ :240dpi換算のドット数
20〜40の範囲の整数を指定してください。指定を省略すると,30ドットが仮定されます。
-
GDIシリアル:180dpi換算のドット数
20〜40の範囲の整数を指定してください。指定を省略すると,23ドットが仮定されます。
この指定は「プリンタデバイス名.PrintFont4」で,OCRフォントを指定している場合に有効です。
(c) フォントの幅(プリンタデバイス名.Font4Width=)
フォントの幅をドットで指定します。各印刷モードの設定値は次のとおりです。
-
GDIページ :240dpi換算のドット数
10〜30の範囲の整数を指定してください。指定を省略すると,20ドットが仮定されます。
-
GDIシリアル:180dpi換算のドット数
10〜30の範囲の整数を指定してください。指定を省略すると,15ドットが仮定されます。
この指定は「プリンタデバイス名.PrintFont4」で,OCRフォントを指定している場合に有効です。
(d) 字間値調整ドット数(プリンタデバイス名.Font4Between=)
帳票定義で指定された字間値に対して,指定されたドット数分を調整します。出力OCRの文字の字間値の調整ドット数を指定してください。なお,指定を省略すると,帳票定義の値が仮定されます。
-
GDIページ :240dpi換算のドット数
-
GDIシリアル:180dpi換算のドット数
この指定は「プリンタデバイス名.PrintFont4」で,OCRフォントを指定している場合に有効です。
(e) 設定例
フォントを指定する場合の設定例を次に示します。
(f) 設定時の注意事項
フォントを設定するときは,次の点に注意してください。
-
パラメタ名を重複して定義した場合,先頭行の設定項目が有効となります。
-
フォントを設定したあとに,表示・印刷セットアップで[標準値]ボタンをクリックすると,プリンタ構成ファイルの設定値はすべて新規インストールした直後の状態に戻ります。このため,フォントの情報も削除されるので注意してください。なお,表示・印刷セットアップでほかの設定を更新して[更新]ボタンをクリックした場合,ここで設定したフォントの設定に関する内容は保持されます。
-
プリンタドライバの設定によっては,指定したフォントが代替フォントに置き換えられてしまう場合があります。フォントを指定するときには,プリンタドライバで,指定するフォントの置き換えをしないようにしてください。
(5) 外字フォントファイルの設定(プリンタデバイス名.GaijiFont)
印刷制御で外字フォントに切り替える場合に,外字フォントファイルを指定できます。
-
GaijiFont:プリンタデバイスに該当する外字フォントファイル(*.tte)を設定します。
この機能は,次に示す印刷モードのときに使用できます。
-
GDI:ページプリンタ
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GDI:シリアルインパクトプリンタ
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PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用
PDFファイル出力の場合,該当する外字フォントがインストールされていないWindowsマシンからでも,作成したWindowsマシンで閲覧した場合と同じ帳票イメージでPDFファイルを閲覧できます。
- 注意事項
-
Windows標準の外字エディタで作成した外字フォントファイル(*.tte)を使用してください。
また,外字フォントのフォントフェース名は「EUDC」である必要があります。フォントフェース名が「EUDC」以外のフォントファイルを指定すると,印刷時にエラーになります。
(a) 外字フォントファイルの追加
プリンタ構成ファイルをテキストエディタで開き,外字フォントファイルのパス名を絶対パスで1〜255バイトの範囲内で指定します。プリンタデバイス名に「*」を指定すると,全サービスで指定した外字フォントファイル名が有効になります。「*」と「プリンタデバイス名」両方に外字フォントファイル名を指定すると,プリンタデバイス名に指定した方が使用されます。
(b) 設定例
外字フォントファイルを指定する場合の設定例を次に示します。
(c) 設定時の注意事項
外字フォントファイルを設定するときは,次の点に注意してください。
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パラメタ名を重複して定義した場合,先頭行の設定項目が有効となります。
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外字フォントファイルを設定したあとに,表示・印刷セットアップで[標準値]ボタンをクリックすると,プリンタ構成ファイルの設定値はすべて新規インストールした直後の状態に戻ります。このため,外字フォントファイルの情報も削除されるので注意してください。
なお,表示・印刷セットアップでほかの設定を更新して[更新]ボタンをクリックした場合,ここで設定した外字フォントファイルの設定に関する内容は保持されます。
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外字フォント指定機能で使用する外字フォントファイルは,%windir%\Fonts以外のフォルダに格納してください。%windir%\FontsにEUDC.TTE以外の外字フォントファイルを格納すると,次に示す問題が起こります。
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一つ目のEUDC.TTE以外のフォントは格納できても,二つ目のEUDC.TTE以外のフォントを格納しようとすると「フォントが既にインストールされている」ことを示すエラーになります。
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GaijiFontにどの外字フォントファイルを指定しても,%windir%\Fontsに格納した一つ目のEUDC.TTE以外の外字フォントファイルのフォントが使用されてしまいます。
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