7.2.5 フォント構成ファイル(X3PFONT)
XMAP3で実行時の画面表示に使用するフォントは,フォント構成ファイル(X3PFONT)の設定に従います。ただし,この設定は帳票には反映されません。
C/S構成の環境の場合は,常に,各クライアントでの設定が有効になります。サーバ側の設定は無効ですので留意が必要です。
フォント構成ファイルには,スモール文字(16(2D用),10(3D用)フォント)とラージ文字(24(2D用),14(3D用)フォント)の,それぞれの文字サイズ(文字の高さ)と表示フォントタイプを設定します。フォント構成定義ファイルの設定によって,表示時の文字の高さ,フォントタイプを任意に変更できます。
また,画面に表示する文字フォントを,ユーザが任意に指定できます。
変更方法,および注意については,「8.10 表示文字に関する設定」を参照してください。
(1) フォント構成ファイルの格納場所
XMAP3インストールフォルダ\ETC\X3PFONT
(2) フォント構成ファイルの記述形式
精細度モード:基準文字サイズ:適用文字サイズ:適用フォント名 〔FontStyle1:〔任意フォント名〕〕 〔FontStyle2:〔任意フォント名〕〕 〔FontStyle3:〔任意フォント名〕〕 |
〔 〕内は省略できます。初期状態(インストール直後)は各値とも仮定値が設定され,FontStyle1,FontStyle2,FontStyle3は省略されています。初期状態のファイルの内容を次に示します。
フォント構成ファイルでの設定内容を次に示します。
- 精細度モード
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画面の列方向のドット数に応じて,各指定値が適用されます。
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LDP/3DP:ディスプレイが低精細での文字表示
640×480のディスプレイ
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MDP/3DM:ディスプレイが中精細での文字表示
800×600のディスプレイ
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HDP/3HD:ディスプレイが高精細1での文字表示
1,024×768のディスプレイ
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XDP/3DX:ディスプレイが高精細2での文字表示
上記以上の精細度のディスプレイ
ディスプレイの横ドット数は,Windowsの画面のプロパティで設定した,画面の解像度の値です。ただし,ディスプレイによって,設定できる上限があります。
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- 基準文字サイズ
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ドローの定義画面単位に指定する基準文字サイズに対応するもので,指定できる値とその意味を次に示します。
- GUI画面の基準文字サイズの設定
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S:小さい文字サイズ(16フォント文字相当,ドロー上の小)
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L:標準文字サイズ(24フォント文字相当,ドロー上の中)
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X:大きい文字サイズ(32フォント文字相当,ドロー上の大)
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- CUI画面の基準文字サイズの設定
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CUI画面では,基準文字サイズを表示・印刷環境ファイルの次のパラメタで設定します。
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CUI画面の文字サイズ(表示サービス名.DCCHSZ=)
CUI画面に表示する文字の大きさを指定します。
24:フォント構成ファイルで指定した標準の文字サイズになる(標準は24×12)。標準値はこの設定になります。
16:フォント構成ファイルで指定した小さい文字サイズになる(標準は16×8)。
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- 適用文字サイズ(8〜48の偶数値)
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文字の高さをドットサイズで指定します。文字の高さとは半角文字(1バイトコード)の通常文字の文字の高さを意味します。ここで設定する値と基準文字サイズとは任意の組み合わせができます。
設定できる値の範囲内で奇数値が設定された場合,設定された値に1を加えた偶数値に補正されます。
標準設定での文字サイズ,ます目サイズを次に示します。表示文字サイズの仮定値は太字で示す値になります。ここでいうます目とは,ドローのグリッドのことです。ただし,GUI画面の場合,縦方向のグリッド二つ分になります(半行単位のため)。
文字タイプ
精細度モード
HDP/XDP
(画面横>1000ドット)
LDP/MDP
(画面横≦1000ドット)
文字サイズ
ます目サイズ
文字サイズ
ます目サイズ
2D
S(16フォント)
16×8
18×8
12×6
14×6
L(24フォント)
24×12
26×12
16×8
18×8
X(32フォント)
32×16
34×16
24×12
26×12
3D
S(12フォント)
12×6
16×6
12×6
16×6
L(14フォント)
14×7
18×7
14×7
18×7
X(22フォント)
22×11
26×11
22×11
16×11
-
また,ドローの画面定義で設定された倍角文字の表示時の文字サイズ,およびます目サイズは次の方式で決定されます。この表は,半角文字を単位とした値です。したがって,全角文字の場合には,横方向がさらに2倍になります。
文字の拡大
文字サイズ
ます目サイズ
通常モード
通常文字
縦
表示文字サイズ
表示文字サイズ+2
横
表示文字サイズ÷2
同左
縦拡大
縦
表示文字サイズ×2
−
横
表示文字サイズ÷2
−
横拡大
縦
表示文字サイズ
−
横
表示文字サイズ
−
縦横拡大
縦
表示文字サイズ×2
−
横
表示文字サイズ
−
- 適用フォント名
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文字表示で使用する論理フォント名を指定します。指定できる値とその意味を次に示します。
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MS ゴシック :適用フォントとしてMS ゴシックを使用する。
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MS 明朝 :適用フォントとしてMS 明朝を使用する。
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標準明朝 :適用フォントとして標準明朝を使用する。
-
標準ゴシック :適用フォントとして標準ゴシックを使用する。
「標準明朝」または「標準ゴシック」はOSで提供されないため,通常は「MS 明朝」または「MS ゴシック」となります。
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- FontStyle1〜3
-
画面に表示する文字フォントを指定できます。「任意フォント名」に任意のフォント名を指定します。「任意フォント名」に指定できるフォント名は31バイト以内です。「任意フォント名」を指定しない場合は,「指定なし」になります。
任意フォントは,ドローで定義した文字の書体属性(標準・明朝・ゴシック)に応じて割り当てることができます。
- FontStyle1:任意フォント名
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書体が「標準」のフィールドに対するフォントを指定します。CUI画面には「標準」が適用されます。CUI画面の場合は,FontStyle1に任意のフォント名を指定してください。
- FontStyle2:任意フォント名
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書体が「明朝」のフィールドに対するフォントを指定します。
- FontStyle3:任意フォント名
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書体が「ゴシック」のフィールドに対するフォントを指定します。
FontStyle1〜3を指定する場合の注意を次に示します。
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FontStyle1を設定した場合,精細度モード・基準文字サイズに応じた適用フォント名を指定することはできません。すべてFontStyle1に設定した文字フォントが使用されます。
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任意フォントに指定できるフォントは,次に示す条件を満たすフォントだけです。
・日本語フォント
・TrueTypeフォント
・等幅フォント(非プロポーショナルフォント)
この条件以外のフォントを指定した場合は,正常に表示できません。また,定義されているフォントデータが不正なフォントなど,指定したフォントによっては,条件を満たすフォントでも正しく表示されないときがあります。任意フォント指定を使用する場合は,使用するフォントで正しく表示されることを確認した上で,運用を開始してください。
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設定したフォントがシステムにインストールされていない場合,および設定した任意フォント名が不正な場合は,次の動作となります。
GUI画面の場合,ドローでの書体指定によって次のように異なります。
・「標準」の場合,表示・印刷セットアップの指定に従います。
・「明朝」の場合,MS明朝で表示されます。
・「ゴシック」の場合,MSゴシックで表示されます。
CUI画面の場合,表示・印刷セットアップの指定に従います。
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「任意フォント名」は,論理フォント名称を指定してください。論理フォント名称内のスペースなどの空白も文字として処理します。
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任意フォントの設定は,XMAP3のサービスを定義してあるWindowsマシン上で行ってください。
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任意フォント指定が適用される文字コード範囲は,システム内字だけです。ユーザがシステムに登録した外字には適用されません。外字は,実行環境に定義されている外字の字形で出力されます。
(3) フォント構成ファイルの注意
フォント構成ファイルを編集するときの注意を次に示します。
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行の先頭に「#」を付けた場合,その行はコメント行として扱われます。
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行の最後は,改行してください。
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「適用フォント名」,「任意フォント名」以外は,すべて半角文字で指定してください。
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フォント構成ファイル中に,同一の設定項目が複数定義された場合には,ファイルの最終行に近い行の内容が有効になります。
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大文字,小文字を区別します。
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形式が正しくない行は読み飛ばされます。
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設定を変更した場合は,次にアプリケーションを起動した時点で変更が反映されます。