6.2.5 クライアントから接続するサーバAPが異なるC/S構成の設定例
複数のクライアントをサーバに接続して,クライアントごとに別々の業務を実行する場合や,1クライアントで複数の業務を実行する場合は,この構成となります。
サービス名ファイル(X3PHOST)に指定する実行APを別にすると,各サービスから起動するAPを別々に使用できます。
1クライアントに対して複数サーバを同時に対応させることはできません。1クライアントに対して接続できるサーバは一つだけです。ただし,クライアントの起動時に接続するサーバを明示的に指定することで,複数のサーバを切り替えて運用できます。詳細については,「11.5 XMAP3のC/S環境に関する制限」を参照してください。
1台のサーバと2台のクライアントでのアプリケーションサーバ型C/Sシステムの構成と設定例で説明します。
実行時のおおまかな流れを次に示します。
-
XMAP3サーバを起動します。
-
XMAP3クライアントを起動します。
-
クライアントの表示サービスが起動されます。
-
表示サービスに連動し,サーバのAPが自動起動されます。
- 〈この項の構成〉
(1) 設定
サーバとクライアントで必要な設定について,システム構成に沿った内容で説明します。
設定するファイル間で名称を合わせる必要があります。ファイル間の関係を確認してください。
(a) サーバ側の設定
-
TCP/IPポート番号の設定
WindowsのSERVICESファイルに,ポート番号を設定します。
-
TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定
HOSTSファイルに次の項目が指定されていない場合は追加します。
-
XMAP3サーバのIPアドレスとホスト名
-
XMAP3クライアントのIPアドレスとホスト名
IPアドレスは[コントロールパネル]−[ネットワーク]−[TCP/IPプロトコル]のプロパティで指定した内容を,ホスト名は[システム]−[コンピュータ名]で指定した内容を追加します。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されます。
-
-
XMAP3のC/Sシステム環境の設定
クライアントでのAP起動方式によって次のように設定します。
クライアントでアプリケーション名を指定して起動する場合
一つのクライアントで表示サービスを一つ定義しておきます。その表示サービスに,複数のサーバAPを割り当てます。サーバで起動するAPをクライアントで切り替えることで,それぞれのクライアントごとに別々の1業務を行わせるような運用構成です。
-
C/Sセットアップの[C/S構成]タブで「指定種別」として「画面」を選択します。
-
C/Sセットアップの[C/S構成]タブの「ホスト名」に,XMAP3システムで画面や帳票を出力するWindowsマシンのホスト名を設定します。WindowsのHOSTSファイルに記述している名称を指定してください。
-
任意のサービス名を指定します。
-
仮想端末名は,「自動割当て」を指定します。
-
「起動時実行アプリケーション」は,「起動時に選択」を選択します。
-
[追加]ボタンをクリックして,指定情報を登録します。
-
使用するクライアントをすべて登録するまで,1〜6を繰り返します。
-
C/Sセットアップの[アプリケーション]タブでクライアント起動時に指定するアプリケーション名とサーバ上のファイル名を指定します。
-
[追加]ボタンをクリックして,アプリケーション名を登録します。
-
必要に応じて1〜9の手順を繰り返して,必要なAPを登録します。
-
[OK]ボタンをクリックし,設定を終了してください。[追加]ボタンをクリックしないで[OK]ボタンで終了すると,設定ファイルへは登録されません。また,実際の設定ファイルの内容は[OK]ボタンをクリックして登録するまでは変更されません。設定を取りやめるときは[キャンセル]ボタンをクリックして終了してください。
-
APとは別のフォルダにマップを登録するときは,表示・印刷セットアップの[アプリケーション1]タブの「マップ」でマップを登録したフォルダを指定します。
-
クライアント起動時は,実行時の引数で起動したいアプリケーション名を指定します。
クライアントでサービス名を指定して起動する場合
一つのクライアントで表示サービスを複数定義しておきます。そのそれぞれの表示サービスに,別のAPを割り当てます。クライアントで起動するサービスを切り替えて,一つのクライアントに複数の業務を行わせるような運用構成です。
-
C/Sセットアップの[C/S構成]タブで「指定種別」として「画面」を選択します。
-
[C/Sセットアップ]ダイアログの[C/S構成]タブの「ホスト名」に,XMAP3システムで画面や帳票を出力するWindowsマシンのホスト名を設定します。WindowsのHOSTSファイルに記述している名称を指定してください。
-
任意のサービス名を指定します。
-
仮想端末名は,「自動割当て」を指定します。
-
「起動時実行アプリケーション」では「固定で指定」を選択し,APをインストールしているフォルダおよびファイル名を指定します。
-
[追加]ボタンをクリックして,指定情報を登録します。
-
同じWindowsマシンに対して起動するAPとして別な物を登録したい場合は,ホスト名は変更しないで,サービス名を変更して登録します。
-
使用するクライアントをすべて登録するまで,1〜7を繰り返します。
-
[OK]ボタンをクリックし,設定を終了してください。[追加]ボタンをクリックしないで[OK]ボタンで終了すると,設定ファイルへは登録されません。また,実際の設定ファイルの内容は[OK]ボタンをクリックして登録するまでは変更されません。設定を取りやめるときは[キャンセル]ボタンをクリックして終了してください。
-
APとは別のフォルダにマップを登録するときは,表示・印刷セットアップの[アプリケーション1]タブの「マップ」でマップを登録したフォルダを指定します。
-
クライアント起動時は,実行時の引数で起動したいAPを設定したサービス名を指定します。
-
-
XMAP3のC/Sシステム環境の環境設定ファイルの内容例
サービス名ファイル(X3PHOST)の内容は,次のとおりです(クライアントでサービス名を指定して起動する場合)。
仮想端末名ファイル(X3MWHOST)の仮想端末の設定内容は,次のとおりです。
(b) クライアント側の設定
-
TCP/IPポート番号の設定
WindowsのSERVICESファイルに,サーバ側で設定した値と同じポート番号を設定します。
-
TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定
HOSTSファイルに次の項目が指定されていない場合は追加します。
-
XMAP3サーバのIPアドレスとホスト名
-
XMAP3クライアントのIPアドレスとホスト名
IPアドレスは[コントロールパネル]−[ネットワーク]−[TCP/IPプロトコル]のプロパティで指定した内容を,ホスト名は[システム]−[コンピュータ名]で指定した内容を追加します。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されます。
-
(2) APでの指定
サーバ上のAP1,AP2からそれぞれのクライアント,サーバのサービスを使用する場合,AP中の仮想端末を次のように指定します。
サーバ,クライアント1,クライアント2の画面:仮想端末名「DSP001」
(自動割当てを使用するため,一つの仮想端末名でよい)
(3) ソフトウェア構成
クライアントから起動するサーバAPが異なるC/Sシステムの,ソフトウェア構成を次に示します。
サーバ/クライアント |
使用するソフトウェア |
||
---|---|---|---|
XMAP3 |
コンパイラ※1 |
DB※2 |
|
サーバ |
XMAP3 Server Runtime |
COBOL2002(Runtime)またはVisual C++ |
HiRDB※3 またはISAM※4 |
クライアント1 |
XMAP3 Server RuntimeまたはXMAP3 Client Runtime |
− |
− |
クライアント2 |
(4) XMAP3システムを起動する手順
次の手順でXMAP3システムを起動してください。
-
サーバ側で,「XMAP3サーバ」アイコンを選び,XMAP3サーバを起動します。
-
クライアント側で,「XMAP3クライアント」アイコンを選び,XMAP3クライアントを起動します。
-
XMAP3クライアントによって,そのクライアントに定義された表示サービスが自動的に起動されます。
-
起動された表示サービスに対応するAPがサーバ側で起動されます。