画面・帳票サポートシステム XMAP3 実行ガイド

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19.13.2 問題内容と取得情報

<この項の構成>
(1) 問題内容と操作手順および環境の確認
(2) マップ定義情報の取得
(3) ログ情報取得とXMAP3環境情報の取得(Windows)
(4) Windows版XMAP3サーバ/クライアント実行環境(64ビット)でのログ情報の取得
(5) ログ情報取得とXMAP3環境情報の取得(UNIX)
(6) TCP/IP環境情報
(7) XMAP3以外の製品情報の取得
(8) マシンのレジストリ情報の取得
(9) プロセスダンプの情報取得

(1) 問題内容と操作手順および環境の確認

発生した問題に関して,次のような確認をしてください。

(2) マップ定義情報の取得

問題が発生しているマップやその前後のマップ定義情報を取得してください。

マップ定義情報を含むファイルを次に示します。

(3) ログ情報取得とXMAP3環境情報の取得(Windows)

(a) ロギング支援環境の準備

次の手順で,ロギング支援環境の準備をしてください。ターミナルサービス構成で利用する場合は,Windowsサーバで設定します。

  1. ロギング支援を起動して,情報採取レベルを「詳細」に設定する
  2. ログ採取対象は「すべて」,ログファイルの書き出し方法は「上書き」を選択する
(b) ログ情報取得

次の手順で,ログ情報を取得してください。ターミナルサービス構成で利用する場合は,Windowsクライアントで実行します。

  1. ロギング支援を起動する
    必ず,業務APを起動する前に起動してください。
  2. 問題が発生する業務(操作)を実行する
(c) XMAP3環境情報取得

次の手順で,XMAP3の環境情報を取得してください。ターミナルサービス構成で利用する場合は,Windowsサーバで採取します。

  1. ロギング支援の「実行環境表示」でXMAP3の環境情報をファイルに出力する
  2. XMAP3インストールフォルダ\XMAP3\ADMフォルダすべてを取得する
  3. XMAP3インストールフォルダ\XMAP3\ETCフォルダすべてを取得する
(d) AP実行時に発生したイベントのトレース情報取得

AP実行時に発生したイベントのトレースを取得する場合は,AP環境ファイル(X3MWDRV)に次の行を追加して,APを再起動してください。

 
traceEntry = 65535
 

この指定をすると,表示・印刷サービス一つにつき約2MBのログファイルが「XMAP3インストールフォルダ\ADM」フォルダ下に出力されます。

この設定が有効な場合,逐次トレース情報が出力されます。資料採取後は,AP環境ファイル(X3MWDRV)の設定を元に戻し,環境を元に戻してください。

(4) Windows版XMAP3サーバ/クライアント実行環境(64ビット)でのログ情報の取得

(a) ログ情報を取得するための準備

Windows版XMAP3サーバ/クライアント実行環境(64ビット)でトラブルが発生した場合,トラブルの原因を調査するための情報がログで出力されます。このログ情報の出力レベル,ログ情報を出力するファイルの最大サイズおよび世代数は,コンフィグファイル(X3MWDR64)のX3MWDR_LOGセクションで編集できます。

コンフィグファイル(X3MWDR64)の格納場所
XMAP3インストールフォルダ\etc
コンフィグファイル(X3MWDR64)の設定項目
セクション 設定項目 省略時仮定値 設定内容
X3MWDR_LOG LogLevel INF ログの出力レベルを指定します。
ログファイルには,指定した出力レベル以上のログが出力されます。
指定できる出力レベルを次に示します。
  • ERR:エラーを示すログを出力します。XMAP3は,ERRレベルのログを出力すると処理を中断します。この値を指定すると,ERRレベルのログだけが出力されます。
  • WAR:警告を示すログを出力します。XMAP3は,WARレベルのログを出力しても処理を続行します。この値を指定すると,ERRおよびWARレベルのログが出力されます。
  • INF:動作情報を提供するログ(例えば,プロセスの開始および終了,リクエストの受け付け)を出力します。この値を指定すると,ERR,WARおよびINFレベルのログが出力されます。
  • DBG:障害の要因調査で使用するデバッグ情報のログ(例えば,実行時に読み込んだコンフィグの設定値)を出力します。この値を指定すると,ERR,WAR,INFおよびDBGレベルのログが出力されます。
ERR,WAR,INF,およびDBG以外の値が指定された場合,または値が省略された場合,XMAP3は省略時仮定値(ERR)を仮定して動作します。
LogSize 3 ログファイルの最大サイズを1〜10の範囲で指定します。単位はMBです。範囲外の値が指定された場合,または値が省略された場合,XMAP3は省略時仮定値(3)を仮定して動作します。
ログファイルのサイズが指定した最大サイズに達すると,次の世代のファイルにログが出力されます。LogNumに指定した世代数に達すると,初めの世代(1)のファイルを上書きします。
LogNum 2 ログファイルを切り替える世代数を1〜10の範囲で指定します。範囲外の値が指定された場合,または値が省略された場合,XMAP3は省略時仮定値(2)を仮定して動作します。
コンフィグファイル(X3MWDR64)の設定例
[X3MWDR_LOG]
LogLevel=WAR
LogSize=1
LogNum=3
(b) ログ情報の取得

Windows版XMAP3サーバ/クライアント実行環境(64ビット)で出力するログファイルを次の表に示します。

表19-29 Windows版XMAP3サーバ/クライアント実行環境(64ビット)で出力するログファイル

ログファイル 出力先 説明
X3mwdr64_x.log XMAP3インストールフォルダ\ADM\x64 Windows版XMAP3サーバ/クライアント実行環境(64ビット)で発生したトラブルを調査するための情報を出力するファイルです。ログの出力レベル,ログファイルの最大サイズおよび世代数は,コンフィグファイル(X3MWDR64)で変更できます。
X3mwdr32_x.log
X3mwdr64_pid_date_time.log ログの出力処理でログファイルの排他に失敗した場合に出力されるファイルです。
X3mwdr32_pid_date_time.log

注 xは,世代数を示します。


X3mwdr64_x.logおよびX3mwdr32_x.logに出力されるINFレベルのログの内容を次の表に示します。

表19-30 X3mwdr64_x.logおよびX3mwdr32_x.logに出力されるINFレベルのログの内容

出力先のログファイル 出力されるメッセージ
X3mwdr64_x.log リクエスト待ち受け処理を開始します。
COMサーバを起動しました。pid=[プロセスID]
リクエスト処理を開始します。type=[リクエスト種別]
マップトファイルの作成に失敗しました。
リクエスト処理が終了しました。ret=[jsvwadrv関数のリターンコード]
COMサーバを終了します。
リクエスト待ち受け処理を終了します。
X3mwdr32_x.log プロセスを開始します。
リクエスト処理を行います。type=[リクエスト種別]
リクエスト処理が終了しました。ret=[jsvwadrv関数のリターンコード]
プロセスを終了します。
(凡例)
プロセスID:起動したCOMサーバのプロセスID(16進数の8バイト)。
リクエスト種別:リクエストの処理内容(OPEN,MOD,SEND,RECVまたはCLOS)。
jsvwadrv関数のリターンコード:Windows版XMAP3サーバ/クライアント実行環境(32ビット)から出力されるjsvwadrv関数のリターンコード。jsvwadrv関数のリターンコードおよび詳細コードについては,マニュアル「XMAP3 プログラミングガイド」の「XMAP3のリターンコードと詳細コード」を参照のこと。
注※
COMは,Component Object Modelの略です。

LogLevelに「INF」を指定した場合のX3mwdr64_x.logおよびX3mwdr32_x.logの出力例を次に示します。

X3mwdr64_x.logの出力例
I 2016/02/23 15:58:53.962(0x00001508): dllload(226):リクエスト待ち受け処理を開始します。
I 2016/02/23 15:58:56.759(0x00001508): jsvwadrv(411):COMサーバを起動しました。pid=[0x1930]
I 2016/02/23 15:58:56.760(0x00001508): jsvwadrv(430):リクエスト処理を開始します。type=[OPEN]
I 2016/02/23 15:58:56.770(0x00001508): jsvwadrv(564):リクエスト処理が終了しました。ret=[8]
I 2016/02/23 15:58:56.771(0x00001508): jsvwadrv(589):COMサーバを終了します。
I 2016/02/23 15:58:59.101(0x00001508): dllunload(283):リクエスト待ち受け処理を終了します。
X3mwdr32_x.logの出力例
I 2016/02/23 15:58:56.731(0x00001930): InitInstance(183):プロセスを開始します。
I 2016/02/23 15:58:56.764(0x00001930): x3mwdr_RelayReq(527):リクエスト処理を行います。type=[OPEN]
I 2016/02/23 15:58:56.769(0x00001930): x3mwdr_RelayReq(547):リクエスト処理が終了しました。ret=[8]
I 2016/02/23 15:58:57.785(0x00001930): TermInstance(296):プロセスを終了します。

(5) ログ情報取得とXMAP3環境情報の取得(UNIX)

(a) 印刷サービスのトレース情報の取得

印刷サービスの処理中にエラーが発生し,表示・印刷サービスの動作履歴のトレースを取得する場合には,エラー発生直後に次のコマンドを入力して,トレース情報をファイル出力してください。該当ファイルは,すぐに媒体へ保存するか,または取得時期があとで区別できるような名称で一時的にコピーしておくことで,障害発生直後の資料が残るように配慮してください。

このトレース情報ファイルは,通常稼働時も定期的に出力しています。

 
/opt/HIXMAP/bin/xptrace サービス名
 

なお,取得できる情報は,通信インタフェースおよびシステムコールです。

トレース情報が格納されているファイルを次に示します。

 
/var/opt/HIXMAP/.trace/サービス名
 

また,次の情報も取得してください。

 
/usr/tmp/xpw/.remote/.lprmsg_印刷サービス名
 
(b) 表示・印刷ライブラリのトレース情報の取得

表示・印刷ライブラリのトレースを取得する場合には,APを起動する前に次の環境変数に出力ファイル名を設定してください。出力ファイル名は30バイト以内で指定してください。

環境変数 XPTRACEFILE

このファイル名を設定した場合,AP終了時に,次のファイルに表示・印刷ライブラリのトレース情報が格納されます。

(c) XMAP3 Server Runtimeのエラーロギング情報の取得

XMAP3でエラーを検出した場合,XMAP3は次のディレクトリ下にXMAP3のエラーロギング情報を取得します。エラーが発生した直後に,このディレクトリ下のすべての情報ファイルを媒体に取得してください。

エラーロギング情報が格納されているファイルを次に示します。

(6) TCP/IP環境情報

次の方法で,TCP/IP環境情報を確認および取得してください。

そのほか,UNIXの場合,「netstat -n」の出力結果も取得してください。

(7) XMAP3以外の製品情報の取得

XMAP3と連携している製品の情報(エラー情報)を取得してください。取得方法は,連携する製品のマニュアルを参照してください。

(8) マシンのレジストリ情報の取得

次の手順で,レジストリの情報を取得してください。

  1. Windowsの[ファイル名を指定して実行]を選択する
  2. 名前を入力するところに「regedit」※1を入力し[OK]ボタンをクリックする
  3. [レジストリ]−[レジストリファイルの書き出し]を選択する
  4. ファイル名※2を入力して保存する
    このファイルは,テキスト形式で数メガバイトのサイズになります。
    注※1
    system32の下にある「regedt32」ではありません。
    注※2
    安全のためレジストリ情報を保存するファイル名の拡張子は,「reg」でなく「txt」としてください。

(9) プロセスダンプの情報取得

Windowsでは,プロセスダンプの情報はWindowsが採取しています。問題が発生する操作を実行したあとで,Windowsが採取するログ情報を確認してください。プロセスダンプを取得する機能は,Windowsによって呼称が異なります。Windows 7,Windows Server 2008,Windows Server 2008 R2の場合はユーザーモードプロセスダンプ,Windows 8.1,Windows 10,Windows Server 2012,Windows Server 2012 R2,Windows Server 2016,Windows Server 2019の場合はユーザーモードダンプといいます。

取得手順
  1. タスクマネージャを次のどちらかの方法で起動します。
    ・タスクバーの空白の領域を右クリックし,[タスクマネージャ]をクリックする。
    ・[Ctrl]+[Shift]+[Esc]キーを押す。
  2. [プロセス]タブをクリックします。
  3. 問題が発生する操作のプロセスを右クリックし,[ダンプファイルの作成]をクリックします。
    管理者のパスワードを要求するダイアログボックスが表示された場合は,パスワードを入力して[OK]をクリックします。
  4. 次のフォルダに出力されたダンプファイルを取得します。
    Windowsインストールドライブ\Users\UserName\AppData\Local\Temp\プロセス名.dmp
  5. ダンプファイルが正常に作成されたことを示すメッセージが表示されたら,[OK]をクリックします。

詳細については,各Windowsのドキュメントを参照してください。