10.4.2 印刷モード(GDI,PDLスルー,FAXC/SPOOL出力,PDFファイル出力)
印刷モードには,GDIモード,PDLスルーモード,FAXC/SPOOL出力モード,およびPDFファイル出力モードがあります。使用する印刷モードによって,使用条件が変わります。
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WindowsがAPに提供する機能で,シリアルインパクトプリンタ,ページプリンタ共用に使用できる印刷モードです。
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PDLスルーモードには,LIPSとESC/Pがあります。LIPSはページプリンタ専用の印刷モードです。ESC/Pはシリアルインパクトプリンタ専用のモードになります。
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FAXC/SPOOLと連携してFAX出力する場合の専用の印刷モードです。なお,一般のFAX通信プログラムを使用する場合は,GDIモードとなります。
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PDFファイルに出力する場合の印刷モードです。ページプリンタ用の帳票および書式オーバレイで使用できます。
- 〈この項の構成〉
(1) 印刷モード選択のポイント
FAXC/SPOOL,PDFファイル出力を除いて,プリンタへ帳票を印刷するときの印刷モードは通常,GDIモードを使用することをお勧めしますが,次の条件のときは,PDLスルーモードを使用してください。
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印刷性能を重視したい,またはWindowsマシン側のCPUの負荷を軽くしたい。
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プリンタのフォントを利用したい。
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連続紙で改ページ制御をしたい。
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排紙方向を決めたい(日立インサータ付プリンタの場合)。
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プリンタ固有の印刷制御を指定するESC/Pコマンドを使用したい(日立製以外のESC/P シリアルインパクトプリンタの場合)。
(a) シリアルインパクトプリンタへ帳票を印刷するときの印刷モードの選択基準
シリアルインパクトプリンタへ帳票を印刷するときの印刷モードの選択基準を次の表に示します。
項目 |
GDI |
PDL |
|
---|---|---|---|
LIPS |
ESC/P |
||
運用面 |
○ |
− |
△ 使用するプリンタが限定されます |
性能/リカバリ |
△ データ量が多くなります |
− |
○ |
印刷仕様 |
○ Windowsのフォントを使用するためプリンタに関係なく一定です |
− |
△ ハードウェアのフォントに依存します |
FAX印刷 |
○※ |
− |
× |
(b) ページプリンタへ帳票を印刷するときの印刷モードの選択基準
ページプリンタへ帳票を印刷するときの印刷モードの選択基準を次の表に示します。
項目 |
GDI |
PDL |
|
---|---|---|---|
LIPS |
ESC/P |
||
運用面 |
○ |
△ 使用するプリンタが限定されます |
− |
性能/リカバリ |
△ データ量が多くなります |
○ |
− |
印刷仕様 |
○ Windowsのフォントを使用するためプリンタに関係なく一定です |
△ ハードウェアのフォントに依存します |
− |
FAX印刷 |
○※ |
× |
− |
(c) 運用面での印刷モードの選択基準
運用面での印刷モードの選択基準を次の表に示します。
(d) 性能/リカバリの面での印刷モードの選択基準
性能/リカバリの面での印刷モードの選択基準を次の表に示します。
項目 |
GDI |
PDL |
|
---|---|---|---|
LIPS |
ESC/P |
||
両面印刷/縮小印刷 |
○ プリンタドライバの設定に従います |
× |
× |
スプール上のデータ量/CPU負荷 |
× 多くなります |
○ PDL表現によって少なくなります |
○ PDL表現によって少なくなります |
(e) 印刷仕様の面での印刷モードの選択基準
印刷仕様の面での印刷モードの選択基準を次の表に示します。
(2) 印刷モードの設定
印刷モードは,XMAP3実行環境の表示・印刷セットアップ(プリンタ構成ファイル:X3PPINF)の[プリンタ]タブで設定します。印刷モードの設定については,マニュアル「XMAP3 実行ガイド」を参照してください。