画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発ガイド


8.5.17 グラフィック

グラフィックは,画面上に決められた固定グラフィックや,APが指定した可変グラフィックを表示するときに使用します。XMAP3の表示領域は行列単位でサイズを指定するのに対し,グラフィックはドット単位でサイズを変更する上,ディスプレイの画像解像度によって行列当たりのドット数が異なるため,表示の際に何を優先するかで使い分けてください。

グラフィックファイルについては「2.2.1 グラフィックデータの準備」を参照してください。また,XMAP3が標準提供しているクリップアートを利用することもできます。

〈この項の構成〉

(1) 設定できる項目

グラフィックの項目と設定できる値を次の表に示します。

表8‒38 グラフィックの項目と設定できる値

項目

動的変更

設定できる値

固定グラフィック

出力グラフィック

固定グラフィック

出力グラフィック

ボックスサイズに合わせて表示する

チェックあり/チェックなし

チェックあり/チェックなし

スクロールバーを付ける

チェックあり/チェックなし

枠付き(ボックスに枠を付ける)

チェックあり/チェックなし

チェックあり/チェックなし

グラフィックデータの渡し方

ファイル名指定,フルパス64

フルパス128,フルパス259

データ名

データ項目のデータ名を次の規則に従って指定します。

  • 指定できる文字数は,接頭語(マップ名)を含めて29文字以内です。このため,ドローセットアップの[マップ名の長さ]の設定が「7」の場合は21文字以内,「6」の場合は22文字以内となります。全角文字は2文字分として数えます。ただし,データ名の先頭および末尾の全角文字は,4文字分として数えます。また,全角文字と半角文字が混在する場合,半角文字の直前の全角文字は,4文字分として数えます。

  • 指定できる文字種は,COBOLの場合は「A〜Z」「0〜9」「-(ハイフン)」「大文字の半角カナ」「全角(混在)」です。

    Cの場合は「A〜Z」「a〜z」「0〜9」「_(アンダースコア)」です。

APが渡す項目

グラフィックデータの渡し方

8.6 APが受け取る項目およびAPが渡す項目」を参照

データ名

データ長

(凡例)

−:動的変更できない,または,該当しない。

(2) 固定グラフィック

画面定義時に,表示するグラフィックを設定する場合に使用します。固定グラフィックを使用する場合は,あらかじめWindows形式の固定グラフィックファイルを用意してください。

(3) 出力グラフィック

実行時に,APが表示するグラフィックを決定する場合に使用します。グラフィックデータを画面に表示する命令はAPで行います。ドローで,グラフィックを表示する領域とグラフィックデータの渡し方を定義します。実行時は,APからグラフィック表示の命令をされると,XMAP3は「グラフィックデータの渡し方」に定義したファイル名,または取り込み元がクリップボードである指示を基にしてグラフィックデータを取り込み,画面上に表示します。

(a) 表示処理

グラフィックデータ出力の仕組みを次の図に示します。

図8‒14 グラフィックデータの出力

[図データ]

(b) 出力時のAPの操作

  • イメージデータを表示する場合

    イメージデータをスキャナやイメージOCRなどから入力し,ファイルに格納しておきます。APからこのファイル名を論理マップに代入し,SEND要求をすると,XMAP3実行環境が指定されたファイルからデータを入力して表示します。APから直接イメージデータを論理マップに代入することはできません。グラフィックデータを格納しておくフォルダは表示・印刷するマシンの「グラフィックフォルダ(ディレクトリ)」です。グラフィックパスはXMAP3実行環境の表示・印刷環境ファイルで設定します。

  • グラフを表示する場合

    描画ソフトを使用してグラフを作成し,グラフィックデータとしてファイルまたはクリップボードに格納します。COBOLで提供するOLE2オートメーションインタフェース機能を使用することでExcelなどのグラフ作成ツールを呼び出せます。APからこのファイル名を論理マップに代入し,SEND要求をすると,XMAP3実行環境が指定されたファイルからデータを入力して表示します。APから直接イメージデータを論理マップに代入することはできません。グラフィックデータを格納しておくフォルダは表示・印刷するマシンの「グラフィックフォルダ(ディレクトリ)」です。グラフィックパスはXMAP3実行環境の表示・印刷環境ファイルで設定します。

    [図データ]

(c) ボックスサイズに合わせて表示する

グラフィックサイズをオブジェクトのボックスサイズに合わせたい場合にチェックします。異なる解像度のディスプレイ上で,グラフィックサイズを同じに表示したい場合などに使用します。ボックスサイズは,ドローでオブジェクトをドラッグして変更します。「ボックスサイズに合わせて表示する」をチェックすると,ボックスサイズの拡大・縮小に合わせて,グラフィックも拡大・縮小するので,実際のグラフィックファイルに比べて表示が不鮮明になることがあります。鮮明なグラフィックを表示するために,次のことをお勧めします。

  • 画面の定義前に,設定するグラフィックが,異なる解像度のディスプレイ上でどちらの解像度でも鮮明に表示される大きさを確認して決める。

  • いちばん使用頻度の高い画面解像度のディスプレイに合わせて,ボックスサイズを決める。

  • ボックスサイズの大きさに合わせた解像度のグラフィックファイルを用意する。

また,実際のグラフィックファイルと同じ大きさで表示したい場合は,チェックしません。この場合,ボックスサイズが実際のグラフィックファイルよりも小さいと,ボックスからはみ出た部分はカットされます。大きいサイズのグラフィックを鮮明に表示するためには,640×480ドットの画面解像度のディスプレイをベースに領域サイズを決めることをお勧めします。

(d) 枠付き

グラフィックオブジェクトのボックスに枠を付ける場合はチェックします。

(e) スクロールバーを付ける

グラフィックデータがボックスのサイズを超えるとき,超えた部分を表示するためのスクロールバーを付けます。

(f) グラフィックデータの渡し方

  • ファイル名指定

    ファイル名(拡張子を含む)だけをAPが設定する標準的な方法です。グラフィックデータのファイルのパス名は,XMAP3実行環境で変更することもできます。詳細については,マニュアル「XMAP3 実行ガイド」を参照してください。また,APからファイル名の代わりに「*CLIP」と設定すると,クリップボードのデータを出力できます。

  • フルパス

    ファイルをフルパスで設定する方法です。ユーザが指定するパス名の長さに応じて数値を選んでください。

(g) データ名

データ項目のデータ名を次の規則に従って指定します。

  • 指定できる文字数は,接頭語(マップ名)を含めて29文字以内です。このため,ドローセットアップの[マップ名の長さ]の設定が「7」の場合は21文字以内,「6」の場合は22文字以内となります。全角文字は2文字分として数えます。ただし,データ名の先頭および末尾の全角文字は,4文字分として数えます。また,全角文字と半角文字が混在する場合,半角文字の直前の全角文字は,4文字分として数えます。

  • 指定できる文字種は,COBOLの場合は「A〜Z」「0〜9」「-(ハイフン)」「大文字の半角カナ」「全角(混在)」です。Cの場合は「A〜Z」「a〜z」「0〜9」「_(アンダースコア)」です。