8.1.3 画面の表示様式
XMAP3で表示する画面の表示環境は,仮想端末ごとに設定できます。APでは,仮想端末名で表示環境を区別しているため,表示環境を動的に変更することはできません。XMAP3では,物理画面上の複数の仮想端末に対して,いちいちオープン・クローズをしなくても,一時的に非表示にしたり,ウィンドウの位置を設定したりできます。
- 〈この項の構成〉
(1) 表示様式
表示様式には「全画面表示」および「ウィンドウ表示」があります。XMAP3実行環境の表示・印刷環境ファイルで設定します。
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全画面表示
全画面表示は,一次ウィンドウにだけ設定できます。全画面表示を設定すると,デスクトップ画面に対してウィンドウが最大化表示されます。全画面表示時には次の点に注意してください。
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タスクバーは,クライアントでのWindowsの設定に従って表示される。
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画面属性ダイアログで「ウィンドウのサイズ変更を抑止する」をチェックしていなくても,画面のリサイズはできない。また,画面属性ダイアログの[ウィンドウサイズを変更する]のチェックが外れている状態で,XMAP3実行環境の表示・印刷環境ファイルで[全画面表示する]を設定していても,画面のリサイズはできない。
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ウィンドウの移動はできない。
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二次ウィンドウに対しては,全画面表示の設定はできない。
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XMAP3実行環境の表示・印刷環境ファイルで設定する。
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動的変更はできない。
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ドロー上での定義は,標準表示と変わらない。
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壁紙は,ドローで定義したウィンドウの大きさまで表示される。
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物理画面(ディスプレイ)の中央位置を基準に物理画面がウィンドウ枠より大きいときだけ,背景を引き伸ばし全画面化する。また,タイトルは画面の上部に表示する。
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ウィンドウ表示
標準的な使い方です。ウィンドウサイズに従って表示されます。ウィンドウサイズは変更でき,小さく変更する場合は必要に応じてスクロールバーが付きます。それぞれのウィンドウの表示位置を指定しておきます。位置の指定には縦横(XY位置)を指定して物理画面上での平面的な位置を指定する方法と,奥行き(Z位置)を指定してウィンドウ同士の重なりを指定する方法があります。これらの指定はAPから動的変更できます。
(2) ウィンドウ表示位置と重なり
ウィンドウ表示位置およびウィンドウ同士の重なりは,画面属性の「XY位置」および「Z位置」で設定します。ただし,APでの「XY位置」および「Z位置」の設定が有効になるのは,表示形態で「全面書換」を指定している場合だけです。
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XY位置
XY位置は「左上」「左下」「中央」「右上」「右下」「自由な位置」から選べます。
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Z位置
Z位置は「標準表示」「手前に表示」「後ろに表示」「一時非表示」から選べます。「一時非表示」は奥行きの指定に関係なく,一時的にウィンドウを隠します。なお,二次ウィンドウの場合は,標準表示だけとなります。
複数のウィンドウを表示するときのウィンドウ同士の重なりを,奥行きを示すZ位置で指定できます(Zオーダー)。
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標準表示
表示するといちばん手前に表示されます。ほかのAPのウィンドウが表示されると,後ろへ移動されます。
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手前に表示
活性/不活性に関係なく,常に手前に表示されます。
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後ろに表示
活性/不活性に関係なく,常に後ろに表示されます。
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一時非表示
ウィンドウを見えない状態にします。通常の表示にするには,APから動的変更をして「標準表示」などに切り替えます。一時非表示を利用すると,一時的にウィンドウをクローズしたような状態を作れます。なお,一時非表示の場合,送信キーを押したときと同じイベント通知コードが,自動的にAPに渡されます。
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(3) 表示様式とウィンドウ表示位置の関係
画面の表示様式とウィンドウ表示位置の関係を次の図に示します。
表示様式 |
ウィンドウの定義 |
|||
---|---|---|---|---|
一次ウィンドウ |
二次ウィンドウ |
XY位置 |
Z位置 |
|
全画面表示 |
様式の定義は有効 |
様式の定義は無効 |
× |
○ |
ウィンドウ表示 |
様式の定義は有効 |
様式の定義は有効 |
○ |
○ |
(4) 一次ウィンドウと二次ウィンドウ
一次ウィンドウは,データ入力のために使用する画面です。これに対し二次ウィンドウは,ヘルプやメッセージを表示するために使用する画面です。二次ウィンドウは同時に3個まで,一つの一次ウィンドウ上に重ねて表示できます。なお,二次ウィンドウ表示は,一次ウィンドウが表示されていることが前提になります。
一次ウィンドウおよび二次ウィンドウの表示位置や重なって表示される場合の前後関係は,画面属性ダイアログで設定します。
複数のウィンドウを表示しているとき,オペレータが画面操作できるのは,活性状態のウィンドウだけです。操作できる状態にあることをフォーカスがあるといいます。
ウィンドウの代表的な表示規則を次に示します。
(5) 二次ウィンドウ
二次ウィンドウは,一次ウィンドウを消去しないで補助的なデータの表示と操作をするときに使用します。また,二次ウィンドウは,メッセージの表示や入力するデータを検索するダイアログを表示するときにも使用します。
二次ウィンドウの表示は,一次ウィンドウを表示する方法と同じです。二次ウィンドウは,必ず一次ウィンドウの前面に重ねて表示します。このとき,一次ウィンドウが消去されることはありません。また,二次ウィンドウの表示中には,一次ウィンドウの操作はできません。
また,画面属性ダイアログの「二次ウィンドウの位置」または「種別」が「二次ウィンドウ」の時の「二次ウィンドウの位置」ではウィンドウ種別のIDによって二次ウィンドウの表示位置およびサイズを指定できます。IDごとに次の表に示すように分類して使用することをお勧めします。
ID |
表示制御の内容 |
---|---|
1 |
データ入力の補助のために表示するダイアログ。 |
2 |
メッセージを表示するダイアログ。 |
3 |
ヘルプ情報を表示するダイアログ。 |
(a) データ入力補助のダイアログとして使用する
一次ウィンドウで選択対象とする項目が多岐にわたり,ポップアップなどでは表示できない場合や,選択するデータを検索したい場合に使用します。データ入力時の煩雑さをなくすために,一次ウィンドウの一つの項目に対するデータ入力補助を目的とし,二次ウィンドウから選択するデータは基本的に一つにすることをお勧めします。
画面のサイズは一次ウィンドウの半分以下とし,一次ウィンドウと同様の機能を使用して画面を設計します。
(b) メッセージ表示のダイアログとして使用する
画面を操作するオペレータに対してメッセージを通知するときに使用します。
メッセージには「エラー」「インフォメーション」「クエスチョン」「ワーニング」があります。
画面のサイズは一次ウィンドウの1/4以下を目安とし,テキストボックスやフィールドボックスを使用した出力メッセージと,メッセージアイコンとを組み合わせて画面を設計します。
(c) ヘルプ表示のダイアログとして使用する
一次ウィンドウに対する操作説明などのヘルプ情報を表示するときに使用します。ヘルプ情報は,確認後,[OK]のプッシュボタンなどで二次ウィンドウを閉じるように指定します。
画面のサイズは一次ウィンドウの半分以下とし,テキストボックスやフィールドボックスを使用して画面を設計します。
(6) 画面の表示フォント
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XMAP3で画面の表示に使用するフォントは,XMAP3実行環境の表示・印刷セットアップ(フォント構成ファイル:X3PFONT)の定義情報に従います。
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画面の外観をXMAP3実行環境の表示・印刷環境ファイルで,3D(立体的な表示)にした場合,標準では画面解像度に関係なく,MSゴシックの14ドットフォントとなります。これ以外のフォントおよびサイズを使用したい場合は,XMAP3実行環境の表示・印刷セットアップ(フォント構成ファイル:X3PFONT)の「表示文字」タブで設定してください。