3.3.5 修飾名の設定の変更
修飾名とは,AP実行時に画面の色などの属性や帳票のけい線などの属性を動的に変更する場合,どのような変更をするかを指示する定数のことをいいます。
画面の表示属性の動的変更,および帳票の表示属性の動的変更に使用する修飾名の設定を,必要に応じて変更できます。標準設定の修飾名やデータ名にAP作成上の不都合がある場合や,動的変更の種類を独自に追加したい場合だけ,変更してください。
設定した修飾名は,ドローの設定の[表示属性の動的変更]ダイアログの「設定する修飾名」のリストに表示されます。
なお,修飾名の設定値と,AP作成時に属性の動的変更のために使用する定数テーブル「動的変更テーブル(X3MODTBL)」の内容は一致していなければなりません。したがって,修飾名の標準値を変更した場合は,これに合わせて,XMAP3から標準に提供されている動的変更テーブルの更新も必要になります。
ドローセットアップで修飾名の設定を変更すると,設定内容に合わせてXMAP3が自動的に動的変更テーブルを生成します。「3.3.5(2) 修飾名の変更に合わせて動的変更テーブル(X3MODTBL)を更新する」を参照してください。
(1) 修飾名の設定を変更する
修飾名の設定を変更するときは,[ドローセットアップ]ダイアログの[修飾名の設定]ボタンをクリックして,[修飾名の設定]ダイアログを開きます。
-
「動的変更の種別」から,変更したい修飾名の設定のラジオボタンをオンにします。
指定した動的変更の種別の,現在の設定が表示されます。
-
表示された動的変更種別の修飾名の設定(修飾名,データ名,修飾名長)を変更します。
修飾名,データ名,修飾名長のそれぞれの設定,および登録できる修飾名の数については,(a)〜(f)を参照してください。
既存の修飾名の設定を変更する場合は,リストボックスから目的の設定を選び変更します。新しい修飾名を追加する場合は,[追加]ボタンをクリックします。また,削除する場合は,リストボックスから目的の設定を選び,[削除]ボタンをクリックします。
修飾名の設定の標準値を次の表に示します。修飾名長の標準値はすべて「2」バイトになっています。
動的変更の種別 |
修飾名の標準値 |
|||
---|---|---|---|---|
修飾名 |
データ名 |
コメント |
||
ウィンドウ属性 |
GUI /CUI 共通 |
WR |
XMAP-CNTRL1 |
WRITE(重ね書きモード) |
EW |
XMAP-CNTRL2 |
ERASE(再表示モード) |
||
CL |
XMAP-CNTRL3 |
表示値を消去 |
||
BL |
XMAP-CNTRL4 |
アラームを鳴らす |
||
キャラクタ コントロール (キーエントリ/ 選択エントリ) ※1 |
GUI /CUI 共通 ※2 |
ER |
XMAP-IN-ATTR1 |
エラー(赤色表示) |
RV |
XMAP-IN-ATTR2 |
リバース |
||
PT |
XMAP-IN-ATTR3 |
入力抑止 |
||
NP |
XMAP-IN-ATTR4 |
入力可能 |
||
BK |
XMAP-IN-BK |
黒色表示 |
||
GR |
XMAP-IN-GR |
緑色表示 |
||
BL |
XMAP-IN-BL |
青色表示 |
||
LR |
XMAP-IN-LR |
ライトレッド(背景色) |
||
LB |
XMAP-IN-LB |
ライトブルー(背景色) |
||
LG |
XMAP-IN-LG |
ライトグリーン(背景色) |
||
LY |
XMAP-IN-LY |
ライトイエロー(背景色) |
||
IV |
XMAP-IN-IV |
全体非表示 |
||
GO |
XMAP-IN-GO |
グレーアウト表示 |
||
キャラクタ コントロール (ラベル)※1 |
GUI /CUI 共通 ※3 |
RE |
XMAP-OUT-ATTR1 |
赤色表示 |
GR |
XMAP-OUT-ATTR2 |
緑色表示 |
||
BL |
XMAP-OUT-ATTR3 |
青色表示 |
||
YE |
XMAP-OUT-ATTR4 |
黄色表示 |
||
CY |
XMAP-OUT-ATTR5 |
空色表示 |
||
MA |
XMAP-OUT-ATTR6 |
紫色表示 |
||
WH |
XMAP-OUT-ATTR7 |
白色表示 |
||
BK |
XMAP-OUT-BK |
黒色表示 |
||
DR |
XMAP-OUT-DR |
ダークレッド表示 |
||
DB |
XMAP-OUT-DB |
ダークブルー表示 |
||
DG |
XMAP-OUT-DG |
ダークグリーン表示 |
||
DY |
XMAP-OUT-DY |
ダークイエロー表示 |
||
IV |
XMAP-OUT-IV |
全体非表示 |
||
GO |
XMAP-OUT-GO |
グレーアウト表示 |
||
候補選択 コントロール/ コマンド コントロール |
GUI 専用 |
PT |
XMAP-BUTTON -SEL1 |
不活性 |
ON |
XMAP-BUTTON -SEL2 |
押した状態 |
||
OF |
XMAP-BUTTON -SEL3 |
押す前の状態 |
||
ST |
XMAP-BUTTON -SEL4 |
フォーカスのセット |
||
IV |
XMAP-BUTTON -SEL5 |
全体非表示 |
||
位置属性 |
GUI 専用 |
RT |
XMAP-WINDOW-RT |
右上 |
RD |
XMAP-WINDOW-RD |
右下 |
||
LT |
XMAP-WINDOW-LT |
左上 |
||
LD |
XMAP-WINDOW-LD |
左下 |
||
IV |
XMAP-WINDOW-IV |
一時非表示 |
||
FR |
XMAP-WINDOW-FR |
手前に表示 |
||
VC |
XMAP-WINDOW-VC |
中央に表示 |
||
確定キー属性 |
GUI 専用 |
AL |
XMAP-EVENT-AL |
すべてのキーを有効にする |
PC |
XMAP-EVENT-PC |
パソコンキーボード |
||
[帳票]フィールド 表示属性 |
BL |
XMAP-FIELD-BL |
強調(太字) |
|
SH |
XMAP-FIELD-SH |
網掛け |
||
CR |
XMAP-FIELD-CR |
抹消線 |
||
RE |
XMAP-FIELD-RE |
赤色印字 |
||
[帳票]けい線 表示属性 |
DB |
XMAP-LINE-DB |
二重線 |
|
IV |
XMAP-LINE-IV |
非表示(引かない) |
||
SL |
XMAP-LINE-SL |
実線(細線) |
||
DS |
XMAP-LINE-DS |
破線(細線) |
||
DT |
XMAP-LINE-DT |
点線(細線) |
(a) 修飾名の設定
AP実行時に属性変更を指示するための定数を変更できます。修飾名の設定には,次の制限があるので,この範囲内で設定してください。
-
指定する文字数は,修飾名長の設定と同じにする
-
文字は,半角文字で指定する
変更は,[修飾名の設定]ダイアログの「修飾名」のテキストボックスに,変更したい文字列を入力します。
(b) データ名の設定
AP実行時に属性変更を指示するための定数項目のデータ名を変更できます。データ名には,次の制限があるので,この範囲内で設定してください。
-
データ名の文字数は,30文字以内
-
指定できる文字は,英数字(英小文字可),ハイフン(COBOLの場合),アンダーバー(C言語の場合)
-
ハイフンとアンダーバーとの重複指定はできない
-
ほかのデータ名との重複はできない
変更は,[修飾名の設定]ダイアログの「データ名」のテキストボックスに変更したい文字列を入力します。
(c) 修飾名長の設定
AP実行時に属性変更を指示するための定数項目の長さを変更できます。2バイトが標準値となっているので,AP作成上,必要であれば変更してください。修飾名長は,1〜8の範囲に変更できます。
変更は,[修飾名の設定]ダイアログでの「修飾名長」で,ドロップダウンリストから変更したい長さを選択します。
(d) データ名の変換
設定したデータ名を,C言語用の動的変更テーブルが自動生成される際に小文字に変換するかどうかを指定できます。標準設定では,小文字への変換が指定されています。この必要がない場合は,「C言語のデータ名を小文字にも変換する」のチェックをオフにして,設定を解除してください。
(2) 修飾名の変更に合わせて動的変更テーブル(X3MODTBL)を更新する
修飾名の設定を変更した場合,[修飾名の設定]ダイアログで[OK]ボタンをクリックし,さらにドローセットアップで[OK]ボタンをクリックすると,[X3MODTBLの更新]ダイアログが表示されます。[X3MODTBLの更新]ダイアログの[OK]ボタンをクリックすると,修飾名の設定内容に従って動的変更テーブルが自動的に更新されます。
[X3MODTBLの更新]ダイアログでは,新しい修飾名の設定を反映する動的変更テーブルの出力先を指定します。COBOLのAP作成に登録集原文として使用するX3MODTBL.CBL,C言語のAP作成にヘッダファイルとして使用するX3MODTBL.Hのそれぞれについて,出力先を指定してください。
- 注意
-
-
[X3MODTBLの更新]ダイアログの出力先の初期値には,XMAP3をインストールしたときに標準提供される動的変更テーブルが指定されています。初期値のまま[OK]ボタンを選ぶ場合は,新しい設定内容を上書きしてよいかどうか,十分に確認した上で操作してください。
-
出力先のフォルダやファイル名を変更できるため,標準提供された動的変更テーブルとは別ファイルに保管できます。ただし,ファイル名を変更した場合には,AP作成時に指定する動的変更テーブルの名称にも注意が必要です。
-
XMAP3からAP作成のために提供されているAPパターン,AP部品では,動的変更テーブルの名称および修飾名の指定に標準設定を使用しています。したがって,動的変更テーブルの名称および修飾名の設定を変更する場合には,APへの影響を十分に考慮してください。
-
動的変更テーブルを更新すると,データ有無コードが書き込まれます。データ有無コードは,APにデータが設定されていないことを示す1バイトの文字コードです。標準値は(1F)16ですが,ターゲット環境の設定がメインフレーム−PC分散用の画面・帳票開発の場合は(3F)16になります。
APでほかの値のデータ有無コードを使用する場合は,動的変更テーブルを修正してください。
(3) 動的変更テーブルの運用例
修飾名の設定を変更する場合,動的変更テーブルの出力先やファイル名を,任意に指定できます。このため,例えば,各プロジェクトの開発システムに対応するフォルダや名称を付けて管理できます。
次に,動的変更テーブルの運用例を説明します。
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単一プロジェクトの開発をする
修飾名の設定を変更したあと,動的変更テーブルの出力先に標準提供の動的変更テーブル(XMAP3インストールフォルダ\INCLUDE\X3MODTBL.CBL)を指定し,変更内容を上書きします。
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前プロジェクトのAP開発環境を残し,次の新規プロジェクトの開発をする
1台のマシン上で,プロジェクトごとに異なる動的変更テーブルを使用する場合,ファイル名で区別する方法と,動的変更テーブルの格納フォルダを分けて管理する方法が考えられます。
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管理方法1:ファイル名で区別する
プロジェクトごとに異なるファイル名を付けて管理します。この場合,APのソースプログラムで動的変更テーブルの取り込みを指定するとき,プロジェクトに対応したファイル名を記述して使い分けます。
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管理方法2:フォルダを分けて管理する
プロジェクトごとにフォルダを分けて管理します。この場合,APのコンパイル時に開発プロジェクトに対応したフォルダをCOPYライブラリとして指定し,取り込む動的変更テーブルを使い分けます。
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