付録D 用語解説
(英字)
- AP(Application Program)
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業務プログラムのことです。XMAP3のAPは,画面・帳票の入出力処理を実行します。
- API(Application Programming Interface)
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関数,ライブラリなど,APから製品の機能を呼び出すときのインタフェースのことです。XMAP3のAPでは,画面の入出力,および帳票の出力を実行するときに,APIでXMAP3の機能を呼び出します。
- APパターン・AP部品
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APの定型的な型としてXMAP3が提供しているCOBOL用とC言語用のパターンです。APパターンは,プログラムの標準的な骨組みです。AP部品は,処理の手続きです。これらを組み合わせて利用すると,APを効率良く開発でき,定型的なコーディングの統一も図れます。
格納場所:
[Windows版]XMAP3インストールフォルダ\PATTERNS\COBOL(またはC)
[UNIX版]/opt/HIXMAP/patterns
- Bean
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Javaの用語で,部品化されたプログラムのことです。
- C/Sシステム(Client / Server System)
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サーバとクライアントで処理を分散する業務形態です。また,一つの処理をネットワーク上のサーバとクライアントで分担する機器構成モデル,または処理方式です。
- C/Sセットアップ
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WindowsサーバとWindowsクライアントに設定されたTCP/IPのホスト名,APで指定する仮想端末名,および表示・印刷サービス名など,XMAP3のC/S構成でのC/Sシステム環境を設定するファイルです。
C/Sセットアップは,Windows版XMAP3 Server Runtimeで提供します。
- Cosminexus
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アプリケーションサーバを中核とした,性能および信頼性の高い業務アプリケーションを実行および開発するためのシステム構築基盤製品です。
- CUI画面(Character User Interface)
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キーボードからの文字入力が中心の画面です。従来のメインフレーム型オンライン業務か,キャラクタベースの業務で使用していた画面です。
XMAP3では,画面の入出力を物理マップと論理マップを使って実現しています。
- Eclipse
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Eclipseプロジェクト(eclipse.org)が提供するオープンソースの統合開発環境です。ソースコードの編集やデバッグなど,Javaアプリケーションの開発効率を向上させる各種機能を備えています。
Cosminexusが提供するEclipseプラグインをEclipseに組み込むと,Eclipseからアプリケーション開発ツールを起動したり,開発したアプリケーションを実行したりできます。
- GUI画面(Graphical User Interface)
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キーボードからの入力のほかに,マウスによる操作ができる画面です。Windowsの「ボタン」「スクロール」「プルダウン・カスケード」「ポップアップ」などが使用できます。XMAP3では,画面の入出力を物理マップと論理マップを使って実現しています。
- Java言語用ツール
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ドローおよびドローセットアップで生成されたC言語用のファイルから,Webアプリケーションに必要なファイル(入力/出力データ用XML文書,定数用XML文書および動的変更用XML文書)を生成する機能です。Java言語用ツールは,XMAP3 Developerで開発した画面・帳票をCosminexusアプリケーションサーバ上で実行させるWebシステム構成のAPを開発する場合に使用します。
Java言語用ツールは,XMAP3 Developerで提供します。
- MyEclipse
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Javaアプリケーションの開発環境です。EclipseでJavaアプリケーションを開発するためのプラグインがまとめられています。MyEclipseを使用すると,Javaアプリケーションの作成,J2EEサーバへのデプロイ,J2EEサーバの起動・停止などができます。また,フレームワークを使用したアプリケーションの開発や,アプリケーションの設計もできます。
Cosminexus V8では,MyEclipseの日本語版環境であるMyEclipse for Cosminexusを提供しています。
- OCR(Optical Character Recognition)
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出力OCR用の文字でデータを印字するオブジェクトです。データはAPから指定し,論理マップを介して帳票に印字します。字間値は10CPI相当が標準です。
- OLTP(Online Transaction Processing)
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銀行の電子商取引など,ミッションクリティカルな業務向けの処理方式のことです。OLTPを実現する製品として,OpenTP1があります。OpenTP1を利用すると,クライアントアプリケーション構成や,サーバアプリケーションを利用した大規模なシステム構成型のOLTPを構築できます。
- OpenTP1
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オープンシステム上でオンライントランザクション処理をするソフトウェア(TPモニタ)です。OpenTP1を使うと,分散システム化,オープンシステム化,さらに業務の拡大に柔軟に対応できます。トランザクションとは,データ通信業務で,業務処理ごとの単位に区切って,それぞれの処理の結果を有効にするか無効にするかを決定する処理の単位のことです。
- PDF(Portable Document Format)
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Adobe Acrobatが扱う文書のファイル形式で,特定のプラットフォームに依存しないで文書を表示できます。XMAP3では,ページプリンタ用帳票をPDFファイルに出力できます。
- Servlet
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サーバ側でJavaを実行させる方法の一つです。Servletは,Webサーバと連携して,WebサーバにHTML文書や画像ファイルを送るだけではなく,アプリケーションを実行し,その結果をHTML文書として送り返す機能を提供します。
- Webサーバ
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Webブラウザとの間でHTMLファイルなどの文書を転送するための,アプリケーションレベルのプロトコルを制御する製品,または製品が動作するマシンのことです。Webサーバを構築する製品には,Cosminexus HTTP Server(Hitachi Web Server)とInternet Information Servicesがあります。
- Windows対応プリンタ
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Windows用にプリンタドライバが提供されているプリンタです。XMAP3では,GDIモードで印刷できるプリンタをWindows対応プリンタと呼びます。
(ア行)
- 網掛け帳票
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240dpi/300dpiのページプリンタ用の帳票です。各種の文字サイズ,けい線,網掛けなどが使えます。
- 印刷拡張セットアップ
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印刷実行時に有効となるプリンタ給紙トレイの設定や,帳票中に指定された標準/明朝/ゴシックの書体に対する出力時のフォントを,それぞれ任意のフォントに変更できる機能です。
設定内容は,プリンタ構成ファイル(X3PPINF)のオプションとして保存されます。
印刷拡張セットアップは,Windows版XMAP3 Server Runtimeで提供します。XMAP3 Client Runtimeで利用する場合は,XMAP3 Client 印刷拡張機能をインストールする必要があります。
- インポート
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UNIXまたはメインフレームのシステムで作成したパネル定義文または書式記述文を入力し,Windows版XMAP3で入力できる形式のマップ定義ファイルまたは書式定義ファイルに変換します。
インポートは,XMAP3 開発支援ユティリティで提供します。
(カ行)
- 環境ファイル操作
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バックアップファイル(.sbk)を使って,セットアップ内容などの各種の情報を保存・復元します。XMAP3の環境をほかのWindowsマシンに移行する場合などに使います。開発環境のバックアップファイルは開発環境に,実行環境のバックアップファイルは実行環境にリストアできます。
開発環境用の環境ファイル操作は,XMAP3 Developerで提供します。
実行環境用の環境ファイル操作は,XMAP3 Server Runtime または XMAP3 Client Runtime で提供します。
- グラフィック帳票
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240dpi/300dpiのページプリンタ用の帳票です。網掛け帳票の機能に加え,オブジェクトやけい線などのバリエーションなどをより豊富に備えていて,文字のカラー印刷にも対応しています。また,複数のデータ項目を扱えるバーコード(GS1-128)を使用できます。
- けい線帳票
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180dpiのドットインパクトプリンタ用の帳票です。カット紙に対応するものと,連続紙に対応するものがあります。OCR文字も使えます。
- コンバート
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すでに作成したマップ定義ファイルや書式定義ファイルについて,画面・帳票の種別や適用言語(COBOL,C言語)を変換します。
コンバートは,XMAP3 開発支援ユティリティで提供します。
(サ行)
- 支援ツール
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次に示すXMAP3の機能の総称です。
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環境ファイル操作
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マップ生成
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セットアップ情報反映
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ポップアップメニューエディタ
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Java言語用ツール
XMAP3 Developerでは,すべての機能を提供します。
Windows版XMAP3 Server RuntimeおよびXMAP3 Client Runtimeでは,環境ファイル操作を提供します。
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- 書式イメージファイル
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書式オーバレイの文字列やけい線などの情報を格納するファイルで,拡張子は.fmpです。書式オーバレイの定義終了時に,行制御データファイルとともに生成されます。
- 書式オーバレイ
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240dpi/300dpiのページプリンタ用の書式オーバレイです。定型帳票から書式(文字列やけい線などの固定項目)を分離し,アプリケーション(行データ)を印刷時に重ね合わせるソフトオーバレイ方式を採用しています。書式をプリンタ(ハードウェア側)に登録するメインフレーム環境の出力方式とは異なります。
- 書式定義ファイル
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ドローで定義した書式の定義情報を格納したファイルで,拡張子は.ifmです。書式の定義終了時に生成され,書式イメージファイルと行制御データファイルはこの書式定義ファイルを基に生成されます。
(タ行)
- 定義体
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画面や帳票のレイアウトに関する情報を格納した,物理マップ,書式イメージファイルおよび行制御データファイルの総称です。
- 動的変更テーブル
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画面や帳票の実行時に色などの属性をAPから変更するときに,XMAP3が用意する属性変更用の定数テーブルの修飾名を表示属性の動的変更制御項目に代入します。
- ドロー
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XMAP3の画面や帳票を定義するエディタです。画面や帳票のレイアウトや,各オブジェクトの属性を定義します。ドローで定義した内容を基に,マップ定義ファイル(書式オーバレイでは書式定義ファイル),物理マップと論理マップ(書式オーバレイでは行制御データファイルと書式イメージファイル)が作成されます。
- ドローセットアップ
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XMAP3の画面や帳票の定義に関する標準の値をカスタマイズする機能です。XMAP3にはセットアップ項目の標準値があり,この標準値を変更する場合や,動的変更で修飾名を追加したい場合にドローセットアップを実行します。セットアップ項目はマップの形式に関係しているので,画面や帳票を作成する前にドローセットアップを済ませておく必要があります。
ドローセットアップは,XMAP3 Developerで提供します。
(ハ行)
- 表示・印刷セットアップ
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XMAP3が表示・印刷する画面・帳票の環境を必要に応じて設定するための機能です。ユーザ画面の外観や操作キーの割り当て,プリンタの印刷モードなどの各種設定があります。
表示・印刷セットアップは,Windows版XMAP3 Server Runtime,XMAP3 Client Runtime,XMAP3/Web for Cosminexusで提供します。
- 表示属性
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画面での,テキストやフィールドに出力する文字色やボタンの活性/不活性などを指定する属性,および帳票での,フィールドの文字の書体やけい線の種類などを指定する属性のことです。ドローでは,必要に応じて各ダイアログで変更できます。また,表示属性は定義上の指定のほかに,APから動的に変更できる属性もあります。APから動的に表示属性を変更するためには,ドローセットアップの動的変更を指定する修飾名で指定します。
- 物理マップ
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画面のオブジェクトの位置などを格納した情報ファイルです。ファイル名はマップ名にデバイスID(マップの定義対象を示す1文字または2文字の英数字)を付けた名前で,拡張子は.pmpです。画面の定義終了時に,論理マップとともに生成されます。ディスプレイやプリンタの入出力データを論理マップデータに変換したり,論理マップデータを入出力データに変換したりするときにXMAP3が参照します。
- プリンタ構成ファイル(X3PPINF)
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プリンタ構成を設定する環境設定ファイルです。このファイルの内容は,次の方法で設定します。
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Windows版XMAP3 Server RuntimeまたはXMAP3 Client Runtimeの表示・印刷セットアップの「プリンタ」タブ
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Windows版XMAP3 Server Runtimeで提供する印刷拡張セットアップ
XMAP3 Client Runtimeで使用する場合は,XMAP3 Client 印刷拡張機能が必要です。
プリンタ構成ファイルは,Windows版XMAP3 Server Runtime,XMAP3 Client Runtime,またはXMAP3/Web for Cosminexusで提供します。
格納場所とファイル名:
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XMAP3 Server Runtime または XMAP3 Client Runtimeの場合
XMAP3インストールフォルダ\ETC\X3PPINF
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XMAP3/Web for Cosminexus(XMAP3 Cosminexus連携機能)の場合
XMAP3インストールフォルダ\Web for Cosminexus\ETC\X3PPINF
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XMAP3/Web for Cosminexus(XMAP3 TP1/Web連携機能)の場合
XMAP3インストールフォルダ\Web for TP1\ETC\X3PPINF
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- プレプリント帳票
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180dpiのドットインパクトプリンタ用の帳票です。カット紙に対応するものと,連続紙に対応するものとがあります。プレプリント用紙(あらかじめ,けい線や標題などが印刷されている用紙)に対して可変データを印字するときに使います。バーコードやOCR文字も使えます。
(マ行)
- マップ
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XMAP3では,画面や帳票の様式に関する情報をAPから切り離して,マップと呼ばれる入れ物に保管します。マップにはマップ定義ファイル,物理マップ,および論理マップがあります。
- マップコンペア
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物理マップファイル,書式イメージファイル,行制御データファイルをファイル単位またはフォルダ単位で比較します。ファイルの生成・更新日付,サイズ,内容について,違いを確認できます。
マップコンペアは,XMAP3 開発支援ユティリティで提供します。
- マップ生成
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マップ定義ファイルから,論理マップファイルと物理マップファイルを生成します。また,書式定義ファイルから書式イメージファイルと行制御データファイルを生成します。
マップ生成は,XMAP3 Developerで提供します。
(ラ行)
- レイアウトパターン
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ドローで画面/帳票を新規作成するときに,用途に応じて指定するパターンです。標準的なレイアウト領域のサイズやパターンなどがあらかじめ設定されていて,ドローでのレイアウト定義の基本フォーマットとなります。
XMAP3が標準提供しているレイアウトパターンのほかに,ユーザが独自に作成・登録することもできます。
- 連続紙
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連続紙は,各ページの境がミシン目になってつながっている用紙です。シリアルインパクト帳票でだけ利用できます。
- ロギング支援
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XMAP3のAP実行時に,ログ情報を採取してログファイルに出力したり,ログ情報を表示したりする機能です。ログ情報は,実行時に発生した問題の解決に利用します。
ロギング支援は,XMAP3 Server RuntimeおよびXMAP3 Client Runtimeで提供します。
- 論理マップ
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論理マップは,プログラムの可変データを格納する領域です。画面データの入出力や帳票データの出力時に,APがXMAP3に対するパラメタとして利用します。COBOLでAPを開発する場合は,論理マップは登録集原文として生成され,COPY文でAPに取り込みます。APの実行時には,APに取り込まれた論理マップのデータ領域を介して,データがやり取りされます。ファイルの拡張子は,COBOLの場合は.cbl,C言語の場合は.hになります。
書式オーバレイ印刷の場合は,論理マップを使用しません。画面,帳票の物理マップに相当する書式イメージファイルと行制御データファイルを使用します。