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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 構造型データベース機能


10.9.1 pdsdbarc(SDBディレクトリ情報の常駐化および最終更新日時のチェック)

〈この項の構成〉

(1) 機能

pdsdbarcコマンドには次に示す機能があります。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

■SDBディレクトリ情報の事前常駐領域への常駐,最終更新日時のチェック,または情報表示の場合

 pdsdbarc {-e|-c|-a}〔-u ユニット識別子〔,ユニット識別子〕…〕

■事前常駐領域を常用常駐領域に切り替える場合

 pdsdbarc -w -q

(4) オプション

(5) 規則

(6) 留意事項

(7) リターンコード

pdsdbarcコマンドのリターンコードを次に示します。

(8) 出力形式

pdsdbarcコマンドの実行結果(標準出力への出力形式)について説明します。

(a) pdsdbarc -eコマンドの実行時(SDBディレクトリ情報を事前常駐領域に常駐する場合)

[図データ]

KFPB31011-Iメッセージの出力内容の各項目については,「(9) pdsdbarcコマンドの実行結果の出力内容」を参照してください。

(b) pdsdbarc -cコマンドの実行時(SDBディレクトリ情報の最終更新日時をチェックする場合)

■チェックの結果,整合性が取れている場合の例

[図データ]

KFPB31012-Iメッセージの出力内容の各項目については,「(9) pdsdbarcコマンドの実行結果の出力内容」を参照してください。

■チェックの結果,整合性が取れていない場合の例

[図データ]

(c) pdsdbarc -aコマンドの実行時(SDBディレクトリ情報に関する情報を表示する場合)

[図データ]

KFPB31019-IおよびKFPB31020-Iメッセージの出力内容の各項目については,「(9) pdsdbarcコマンドの実行結果の出力内容」を参照してください。

(d) pdsdbarc -w -qコマンドの実行時(事前常駐領域を常用常駐領域に切り替える場合)

[図データ]

ユニットunt1の事前常駐領域を常用常駐領域に切り替えた例です。

(9) pdsdbarcコマンドの実行結果の出力内容

pdsdbarcコマンドの実行結果の出力内容を次の表に示します。

表10‒11 pdsdbarcコマンドの実行結果の出力内容

出力情報

説明

unit

ユニット識別子

kind

SDBディレクトリ情報の格納場所

  • DIC:ディクショナリ表

  • FILE:SDBディレクトリ情報ファイル

  • ADVA:事前常駐領域

  • CONS:常用常駐領域

time stamp

SDBディレクトリ情報の最終更新日時

( )内はSDB定義文の最終更新日時

state

SDBディレクトリ情報の状態

  • U:有効な状態です。

  • E:常駐化に失敗している状態です。

  • I:SDBディレクトリ情報の常駐処理が行われていない状態です。

  • M:SDBディレクトリ情報の整合性が取れていない状態です。

  • N:SDBディレクトリ情報が存在しない状態です。

  • R:無効な状態です。事前常駐領域を常用常駐領域に切り替えたため,切り替え前に使用していたSDBディレクトリ情報を無効にしました。

  • S:事前常駐領域を使用しない設定の場合に表示されます。pd_structured_advance_resident オペランドにnouseを指定するか,またはこのオペランドを省略している場合に表示されます。

  • T:処理が競合したため,事前常駐処理が失敗した状態です。

  • W:常用常駐領域と事前常駐領域の切り替え処理で内部矛盾が発生した状態です。

  • *:日時情報の取得に失敗した状態です。

(10) ディクショナリ表中の最終更新日時とSDBディレクトリ情報ファイル中の最終更新日時が異なる場合のSDBデータベースへのアクセス制限

SDBデータベースへのアクセスが実行される際,HiRDB/SDはディクショナリ表中の次に示す最終更新日時と,SDBディレクトリ情報ファイル中の次に示す最終更新日時が一致しているかどうかを確認しています。

ディクショナリ表中の上記2つの最終更新日時と,SDBディレクトリ情報ファイル中の上記2つの最終更新日時が一致している場合は,SDBデータベースにアクセスできます。一方,ディクショナリ表中の上記2つの最終更新日時と,SDBディレクトリ情報ファイル中の上記2つの最終更新日時が両方とも一致していない場合は,SDBデータベースにアクセスできません。

なお,次に示す場合は,一部のレコード型にアクセスできません。

SDB定義文の最終更新日時は一致しているが,SDBディレクトリ情報の最終更新日時が一致していない場合
参考

HiRDBの再起動を必要としないSDBデータベースの定義追加または定義変更をしてから,事前常駐領域を常用常駐領域に切り替えるまでの間は,上記の状態になります。

(例1)レコード型の追加の場合

[図データ]

上記のようにレコード型を追加した場合,アクセスできるレコード型は次のようになります。

アクセス対象

pd_structured_advance_residentオペランドの指定値

アクセス可否

SDBデータベース

レコード型

DB01

REC_A

use

REC_B

REC_C

REC_D

×※1

DB02

REC_X

×※1

REC_Y

×※1

DB01

REC_A

nouseまたは省略

×※2

REC_B

×※2

REC_C

×※2

REC_D

×※2

DB02

REC_X

×※2

REC_Y

×※2

(凡例)

○:アクセスできます。

×:アクセスできません。

注※1

新しいSDBディレクトリ情報ファイルを全ユニットに配布して,事前常駐領域を常用常駐領域に切り替えたあとにアクセスできるようになります。

注※2

新しいSDBディレクトリ情報ファイルを全ユニットに配布して,HiRDBを再起動したあとにアクセスできるようになります。

(例2)RDエリアの追加の場合

[図データ]

上記のように格納RDエリアを追加した場合,アクセスできるRDエリアのレコード型は次のようになります。

アクセス対象

pd_structured_advance_residentオペランドの指定値

アクセス可否

格納RDエリア

レコード型

RDAREA01

REC_A

use

REC_B

REC_C

RDAREA02

REC_A

REC_B

REC_C

RDAREA03

REC_A

×※1

REC_B

×※1

REC_C

×※1

RDAREA01

REC_A

nouseまたは省略

×※2

REC_B

×※2

REC_C

×※2

RDAREA02

REC_A

×※2

REC_B

×※2

REC_C

×※2

RDAREA03

REC_A

×※2

REC_B

×※2

REC_C

×※2

(凡例)

○:アクセスできます。

×:アクセスできません。

注※1

新しいSDBディレクトリ情報ファイルを全ユニットに配布して,事前常駐領域を常用常駐領域に切り替えたあとにアクセスできるようになります。

注※2

新しいSDBディレクトリ情報ファイルを全ユニットに配布して,HiRDBを再起動したあとにアクセスできるようになります。