8.1.1 ディザスタリカバリシステムとは
- 〈この項の構成〉
(1) 機能概要
通常使用しているシステムが地震,火災などの災害によって物理的に回復困難な状況になった場合,遠隔地に準備している予備のシステムを稼働して業務を続行できます。このシステムをディザスタリカバリシステム(リアルタイムSANレプリケーション(RiSe))といいます。なお,通常使用しているシステムがあるサイトをメインサイトといい,遠隔地に準備している予備のシステムがあるサイトをリモートサイトといいます。
メインサイトおよびリモートサイトのデータは,日立ディスクアレイサブシステム上に配置し,メインサイトのデータに更新が発生した場合,日立ディスクアレイサブシステムのUniversal ReplicatorまたはTrueCopyを使用してリモートサイトに反映(更新コピー)します。
ディザスタリカバリシステムの概要を次の図に示します。
- [説明]
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通常はメインサイトのHiRDBを使用して業務を行います。メインサイトのファイルに更新が発生した場合,その更新内容をリモートサイトに更新コピーします。更新コピーによってメインサイトとリモートサイトで同じデータを持ちます。
メインサイトで地震や火災などの大規模災害が発生し,メインサイトのシステムが早期に復旧できない場合,リモートサイトでHiRDBを再開始して業務を続行できます。
- 参考
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更新コピーは,Universal ReplicatorまたはTrueCopyが行います。Universal ReplicatorおよびTrueCopyは,ホストを経由しないで,日立ディスクアレイサブシステム間で直接データをコピーします。
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RAID Managerとは,日立ディスクアレイサブシステムの付加プログラムプロダクトで,Universal ReplicatorおよびTrueCopyを制御,運用するコマンドなどを提供しています。
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(2) 更新コピーの対象になるファイル
更新コピーの対象になるファイルを次に示します。これらのファイルに更新が発生すると,リモートサイトの同じファイルに更新情報がコピーされます。
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データベースファイル(RDエリアを構成するHiRDBファイル)
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システムログファイル
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シンクポイントダンプファイル
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ステータスファイル
- 注意事項
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SDBディレクトリ情報ファイルは更新コピーの対象にはなりません。そのため,SDBデータベースの定義を追加,変更,または削除した場合は,SDBディレクトリ情報ファイルをリモートサイトに転送する必要があります。