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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 構造型データベース機能


1.1 メインフレームのデータベース資産をオープン化するHiRDB/SD

HiRDB/SDは,構造型DBを管理します。構造型DBとは,データ間の関連を表形式ではなく,階層構造で管理するデータベースです。

近年,メインフレームに対する性能や信頼性が再認識される一方で,メインフレーム上で管理される構造型DBに対する,オープンシステムへの移行のニーズも高まっています。しかし,メインフレームからオープンシステムへの移行は進んでいません。その理由の1つとして,オープンシステムで管理されるデータベースの主流はリレーショナルDBであり,構造型DBとはデータベースのアーキテクチャが大きく異なっていることが挙げられます。

メインフレーム上の構造型DBをオープンシステム上のリレーショナルDBに移行することもできますが,移行のための費用や時間が多く掛かってしまいます。

HiRDB/SDは,メインフレーム上で稼働している構造型DBのアーキテクチャを踏襲しています。また,UAPのインタフェースの差異もほぼ変更しないでオープンシステムに移行できます。そのため,メインフレーム上の構造型DBをオープンシステム上に移行する際の負担を大きく軽減できます。

構造型DBのオープンシステムへの移行とHiRDB/SDの位置づけを次の図に示します。

図1‒1 構造型DBのオープンシステムへの移行とHiRDB/SDの位置づけ

[図データ]

メインフレームが蓄積してきたデータベース資産には,有効活用できるデータや今後も継続的な管理が必要なデータが数多く存在します。HiRDB/SDを使用して,メインフレームのデータベース資産をオープン化することによって,データベース資産のさらなる有効活用やユーザニーズに合わせたデータ管理,運用負荷の低減が期待できます。