Hitachi

HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


6.9.5 系切り替え機能を使うときの注意

系切り替え機能を使ったHiRDBシステムでデータ連動するときの注意について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 抽出側HiRDBがパラレルサーバで相互系切り替えの形態のときの注意

抽出側HiRDBがパラレルサーバで相互系切り替えの形態にすると,系切り替えで1台のサーバマシン上で,一つの抽出対象HiRDBに属するノードマスタプロセスが複数稼働する状態になることがあります。このとき,各ノードマスタプロセスの運用ディレクトリが一つのサーバマシン上で重複するので,運用ディレクトリ下のファイル名がノードマスタプロセス間で重複するおそれがあります。

抽出側HiRDBがパラレルサーバで相互系切り替えの形態の例を図6-31に,図6-31のサーバマシン3に着目した場合の,運用ディレクトリ下の重複するファイルを表6-22に示します。

図6‒31 抽出側HiRDBがパラレルサーバで相互系切り替えの形態の例

[図データ]

表6‒22 サーバマシン3に着目した運用ディレクトリ下の重複するファイル

番号

稼働サーバ

Datareplicator運用ディレクトリ下のファイル

MGR

BES1

BES2

1

  • キューファイル

  • ステータスファイル

  • データ連動用連絡ファイル

  • エラー情報ファイル

  • 稼働トレースファイル

2

  • キューファイル

  • ステータスファイル

  • データ連動用連絡ファイル

  • エラー情報ファイル

  • 稼働トレースファイル

3

  • マスタステータスファイル

  • マスタエラー情報ファイル

  • キューファイル

  • ステータスファイル

  • データ連動用連絡ファイル

  • エラー情報ファイル

  • 稼働トレースファイル

4

  • マスタステータスファイル

  • マスタエラー情報ファイル

  • キューファイル

  • ステータスファイル

  • データ連動用連絡ファイル

  • エラー情報ファイル

  • 稼働トレースファイル

(凡例)

○:稼働しているサーバ

−:稼働していないサーバ

    :ノードマスタプロセス間で重複して使うファイル

ノードマスタプロセスが複数稼働すると,エラー情報ファイルと稼働トレースファイルが重複して使われることがあります。このような系切り替え構成では,抽出システム定義のerrfile_uniqueオペランドにtrueを設定して,エラー情報ファイルと稼働トレースファイルが重複して使われるのを避けるようにしてください。errfile_uniqueオペランドにfalseを指定すると,この形態で系切り替えが実行された後に,待機系のノードマスタプロセスの再起動がエラーになります。

(2) Datareplicatorの状態を監視するときの注意

Datareplicatorの状態を監視する場合は,Datareplicatorが出力するメッセージを監視してください。

(3) 手動でディスクを活性化させる必要がある場合

系切り替えの稼働中,ディスクの活性化及び非活性化はクラスタソフトウェアが制御します。しかし,系切り替えをいったん停止して初期化するときは,ユーザ自身で活性化させる必要があります。ディスクを初期化する前には,ディスクを活性化させておいてください。ただし,初期化前にディスクを活性化してアクセスできるようにしないと,ディスクを初期化できないので注意してください。

(4) マシンの時刻に関する注意

系切り替え構成の場合は,実行系,待機系それぞれのマシンの時刻を合わせてください。実行系,待機系それぞれのマシンの時刻が異なると,系切り替えが発生したとき,抽出プロセスがシステムログファイルから更新情報を抽出できません。

(5) 抽出対象HiRDBが一つのサーバ上に複数のユニットが稼働する構成の場合

系切り替えの過程で抽出ノードマスタプロセスが系切り替え元ユニットで再起動し,系切り替え元ユニットでファイルI/Oエラー,又は切り替え先ユニットで起動エラーとなる場合があります。これを回避するために,次の設定をしてください。