3.5.3 注意事項
滞留監視機能を使用する上での注意事項を次に示します。
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滞留時間は,ステータス情報取得コマンド(hdestate,hdsstate)で参照できます。このため,滞留時間を参照するには,Datareplicatorが稼働している必要があります。
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滞留監視機能は,抽出プロセス,送信プロセス及び反映プロセスが稼働している場合だけ有効です。各プロセスが停止している場合は監視しません。
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滞留監視機能は,日本標準時(JST-9)だけに対応しています。
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PDMIIのSAMファイルを入力として反映を行う場合は,hdssamqinコマンドの実行時間を起点として反映滞留時間の監視を行います。
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最後に更新したSQLの更新時間と,コミットの処理時刻の差が大きいトランザクションがある環境では,滞留監視機能を使用しないでください。抽出滞留時間では滞留超過(オペランドのしきい値を超えている状態)が発生していなくても,送信滞留時間又は反映滞留時間では滞留超過になることがあります。
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抽出側システムと反映側システムとで時刻に差がある場合,滞留時間を正確に監視できないため,注意してください。
滞留監視機能の運用上の注意事項について,反映滞留時間のしきい値に1分を指定した場合の例を,図3-34と図3-35に示します。
更新情報がシステムログファイルに格納されてから反映処理が完了するまでに1分以上掛かると,警告メッセージが出力されます。ただし,図3-34の環境の場合,反映側システムの時刻が2分遅れているため,反映処理が完了するまでに3分以上掛かったときに,警告メッセージが出力されることになります。この場合,反映側システムの時刻を抽出側システムに合わせることで設定したしきい値どおりの動作をしますが,時刻を変更するには,稼働中の関連製品をいったん停止させる必要があります。
図3-34の環境と同じように,更新情報がシステムログファイルに格納されてから反映処理が完了するまでに1分以上掛かると,警告メッセージが出力されます。しかし,反映側システムの時刻が2分進んでいるため,反映処理が完了する前に警告メッセージが出力されてしまいます。この場合,反映側システムの時刻を抽出側システムに合わせることで,回避できます。ただし,反映側システムの時間をバックデートした場合は,バックデートする前の時間に追い付いたことを確認した後に,関連する製品を起動する必要があります。
- 補足
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上記のような事例を防ぐためにも,抽出側システムと反映側システムで時間差がある場合,あらかじめ,両方のシステムの時刻を合わせておくことをお勧めします。合わせない場合は,抽出側システムと反映側システムとの時刻の差を考慮したしきい値を指定してください。