Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド


11.5 業務サイトで作成したシステムファイル以外のファイルの扱い

ログ同期方式では,システムファイルを同期コピーしていますが,それ以外のファイルはコピーしていません。業務サイトのHiRDBでコマンドを実行して情報ファイルなどを作成し,その情報ファイルを基に作業する運用を行っている場合,作成した情報ファイルをログ適用サイトへコピーする必要があります。ログ適用サイトへコピーすることで,運用中にサイト切り替えが発生した場合でも作業を続行できます。ログ適用サイトへのコピーは,同期ペアボリュームにコピー対象となるファイルを作成し,TrueCopyを使用して同期コピーする方法をお勧めします。ただし,運用上,同期ペアボリュームに配置できない場合は,次の表に示す対策を実施してください。

表11‒3 システムファイル以外のファイルの扱いと対策

機能名または

コマンド名

同期化されない

ファイル

説明

対策

セキュリティ監査機能

監査証跡ファイル

災害などで業務サイトが使用できなくなった場合,ログ適用サイトにファイルを引き継いでいないと,ファイルを利用した運用が継続できなくなることがあります。

pdaudswapコマンドを実行し,現用の監査証跡ファイルをスワップしてから,ログ適用サイトに転送してください。ただし,スワップしてからログ適用サイトへの転送が完了するまでの間に,業務サイトが使用できなくなると,監査証跡ファイルに蓄積された情報が欠損します。

業務サイトからログ適用サイトへ切り替えるとき,KFPS05704-E,KFPO00105-E _audメッセージなどを出力してログ適用サイトのHiRDBの開始に失敗することがあります。

ログ適用サイトの監査証跡ファイルを格納するHiRDBファイルシステム領域を再初期化したあとにログ適用サイトのHiRDBを開始してください。

HiRDBファイルシステム領域の再初期化については,「第2編 全同期方式,全非同期方式,およびハイブリッド方式編」の「セキュリティ監査機能を使用する場合の注意事項」を参照してください。

プラグインインデクス遅延一括作成

インデクス情報ファイル

災害などで業務サイトが使用できなくなった場合,ログ適用サイトにはファイルがないため,ファイルを利用した運用ができなくなることがあります。

なし。

pdrorg

アンロードデータファイル

災害などで業務サイトが使用できなくなった場合,ログ適用サイトにはファイルがないため,回復またはアンロードができなくなることがあります。

業務サイトで出力が完了したファイルを,ログ適用サイトに転送してください。

pdcopy

バックアップファイル

差分バックアップ管理ファイル

システムログのアンロード(自動ログアンロード機能も含む)

アンロードログファイル

注※

表の再編成のリロード処理中に災害が発生した場合,業務サイトが使用できなくなり,アンロードデータファイルが参照できなくなります。また,ログ適用サイトの表データが削除されている状態のため,表データを元に戻せなくなるおそれもあります。そのため,表の再編成を行う場合は,アンロードとリロードを別々に実行する必要があります(アンロードをしたあと,アンロードデータファイルをログ適用サイトへ転送してください)。