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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド


3.2.1 RAID Managerの環境構築

〈この項の構成〉

(1) RAID Managerのコンフィグファイル

ペア論理ボリュームグループはRAID Managerのコンフィグファイル(HORCM_CONF)に指定します。RAID Managerのコンフィグファイルに対応づける項目を次の表に示します。

表3‒1 RAID Managerのコンフィグファイルに対応づける項目

項目名

RAID Managerのコンフィグファイル(HORCM_CONF)

ペア論理ボリューム

HORCM_DEV dev_nameパラメタ

ペア論理ボリュームグループ

HORCM_DEV dev_groupパラメタ

(2) RAID Managerインスタンスの起動

RAID Managerのコンフィグファイル」で構築したRAID Managerインスタンスを,メインサイトおよびリモートサイトで起動します。RAID Managerインスタンスの起動には,RAID Managerのhorcmstartコマンドを使用します。horcmstartコマンドについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。

(3) ペア論理ボリュームグループの生成

RAID Managerのpaircreateコマンドでペア論理ボリュームグループを生成します。このとき,メインサイトのボリュームがP-VOLになるようにします。paircreateコマンドについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。

paircreateコマンド実行時に指定するフェンスレベル(-fオプションの値)は,リアルタイムSANレプリケーションの処理方式(pd_rise_pairvolume_combinationオペランドの値),および保護モード(pd_rise_fence_levelオペランドの値)によって異なります。関係を次の表に示します。

表3‒2 paircreateコマンド実行時に指定するフェンスレベル

リアルタイムSANレプリ

ケーションの処理方式(pd_rise_pairvolume_

combinationオペランドの値)

保護モード

(pd_rise_fence_level

オペランドの値)

ペア論理ボリューム

グループ名

フェンスレベル

(paircreate

コマンドの

-fオプション

の値)

sync

data

aaaa_bb....bb_DB

data

aaaa_bb....bb_LOG

aaaa_cccc_USTS

aaaa_bb....bb_SSTS

aaaa_bb....bb_SPD

never

aaaa_bb....bb_DB

never

aaaa_bb....bb_LOG

aaaa_cccc_USTS

aaaa_bb....bb_SSTS

aaaa_bb....bb_SPD

async

aaaa_ALL

async

hybrid

data

aaaa_bb....bb_DB

async

aaaa_bb....bb_LOG

data

aaaa_cccc_USTS

aaaa_bb....bb_SSTS

aaaa_bb....bb_SPD

never

aaaa_bb....bb_DB

async

aaaa_bb....bb_LOG

never

aaaa_cccc_USTS

aaaa_bb....bb_SSTS

aaaa_bb....bb_SPD

(凡例)

aaaa:HiRDB識別子

bb....bb:サーバ名

cccc:ユニット識別子

−:該当しません。

また,非同期ペアボリュームを作成するときに指定するコンシステンシーグループについても,リアルタイムSANレプリケーションの処理方式(pd_rise_pairvolume_combinationオペランドの値)によって異なります。関係を次の表に示します。

表3‒3 paircreateコマンド実行時に指定するコンシステンシーグループ(-fオプションの値)

リアルタイムSANレプリ

ケーションの処理方式(pd_rise_pairvolume_

combinationオペランドの値)

ペア論理

ボリューム

グループ名

コンシステンシーグループID

(paircreateコマンドの-fオプションの値)

sync

非同期ペアボリュームはありません。

async

aaaa_ALL

HiRDBシステム内の全ペア論理ボリュームグループを,同じコンシステンシーグループに割り当ててください。

hybrid

aaaa_bb....bb_DB

各ペア論理ボリュームグループを異なるコンシステンシーグループに割り当ててください。

(凡例)

aaaa:HiRDB識別子

bb....bb:サーバ名

ペア論理ボリュームグループの作成例を次に示します。システム構成は次のとおりとします。

システム定義の例

set pd_system_id = HRD1
set pd_rise_use = Y
set pd_rise_pairvolume_combination = hybrid
set pd_rise_fence_level = data
pdunit -u UNT1 -x host1 -d "/opt/HiRDB_S"
pdstart -t SDS -s sds1 -u UNT1

paircreateコマンドの実行例(メインサイトから実行)

paircreate -g HRD1_sds1_DB -f async -vl
paircreate -g HRD1_sds1_LOG -f data -vl
paircreate -g HRD1_UNT1_USTS -f data -vl
paircreate -g HRD1_sds1_SSTS -f data -vl
paircreate -g HRD1_sds1_SPD -f data -vl