Hitachi

インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option Version 10


5.1.5 取得した情報を基にした障害対策

更新可能なオンライン再編成状態の確認」までに取得した障害情報を基に障害対策を行います。

状況ごとの対策方法については次の表を参照してください。

なお,再編成状態がNONE,READY1,READY2のときは,データベース静止化コマンドの取り消しコマンド(pdorbegin -u)で更新可能なオンライン再編成の実行を取り消せます。

表5‒5 障害対策方法(ユニットダウンまたはコマンドが異常終了した場合)

再編成状態

対策後の運用方針

対策方法

NONE

オンライン再編成を続行する。

障害要因を取り除いて,データベース静止化コマンド(pdorbegin)からやり直します。

READY1

オンライン再編成を続行する。

使用するミラーリング機能のマニュアルを参照してください。

READY2

オンライン再編成を続行する。

障害要因を取り除いて,データベース静止化コマンド(pdorbegin)からやり直します。

READY3

障害回復後,オンライン再編成を続行する。

障害要因を取り除いて,データベースの再編成コマンド(pdrorg)を実行します。

オンライン再編成を中止して,レプリカRDエリアで業務を続行する。

マスタDBの修復のために,HiRDBを停止しない(ただし,アクセスを制限する)。

  1. オンライン再編成を取り消します(pdorend -u)。

  2. レプリカRDエリアを参照可能バックアップ閉塞状態にします。

  3. レプリカDBのバックアップを取得します。

  4. 3.で取得したバックアップを使って,オリジナルRDエリアを回復します。

  5. カレントデータベース切り替えコマンド(pddbchg)を実行します。

オンライン再編成を中止して,レプリカRDエリアで業務を続行する。

マスタDBの修復のために, HiRDBを一時停止する。

  1. オンライン再編成を取り消します(pdorend -u)。

  2. レプリカRDエリアを参照可能バックアップ閉塞状態にします。

  3. カレントデータベース切り替えコマンド(pddbchg)を実行します。

  4. HiRDBを停止します(pdstop)。

  5. レプリカRDエリアのデータをオリジナルRDエリアにコピーします。

    <ボリューム内のすべてのRDエリアに対して更新可能なオンライン再編成を行っている場合>

    レプリカボリュームのデータをオリジナルボリュームにコピーする機能を使用して,レプリカDBの状態をマスタDBに反映(二重化(pairresysnc -restore))します。日立ディスクアレイシステムを使用している場合は,「日立ディスクアレイシステム使用時の注意事項および操作手順」を参照してください。

    <ボリューム内に更新可能なオンライン再編成を行っていないRDエリアを含む場合>

    レプリカRDエリアを構成するHiRDBファイルをpdfbkupでバックアップし,pdfrstrでオリジナルRDエリアを構成するHiRDBファイルにリストアします。

  6. HiRDBを開始します(pdstart)。

REFLEC

オンライン再編成を中止して,レプリカRDエリアで業務を続行する。

マスタDBの修復のために,HiRDBを停止しない(ただし,アクセスを制限する)。

  1. オンライン再編成を取り消します(pdorend -u)。

  2. レプリカRDエリアを参照可能バックアップ閉塞状態にします。

  3. レプリカDBのバックアップを取得します。

  4. 3.で取得したバックアップを使って,オリジナルRDエリアを回復します。

  5. カレントデータベース切り替えコマンド(pddbchg)を実行します。

オンライン再編成を中止して,レプリカRDエリアで業務を続行する。

マスタDBの修復のために, HiRDBを一時停止する。

  1. オンライン再編成を取り消します(pdorend -u)。

  2. レプリカRDエリアを参照可能バックアップ閉塞状態にします。

  3. カレントデータベース切り替えコマンド(pddbchg)を実行します。

  4. HiRDBを停止します(pdstop)。

  5. レプリカRDエリアのデータをオリジナルRDエリアにコピーします。

    <ボリューム内のすべてのRDエリアに対して更新可能なオンライン再編成を行っている場合>

    レプリカボリュームのデータをオリジナルボリュームにコピーする機能を使用して,レプリカDBの状態をマスタDBに反映(二重化(pairresysnc -restore))します。日立ディスクアレイシステムを使用している場合は,「日立ディスクアレイシステム使用時の注意事項および操作手順」を参照してください。

    <ボリューム内に更新可能なオンライン再編成を行っていないRDエリアを含む場合>

    レプリカRDエリアを構成するHiRDBファイルをpdfbkupでバックアップし,pdfrstrでオリジナルRDエリアを構成するHiRDBファイルにリストアします。

  6. HiRDBを開始します(pdstart)。

オンライン再編成を続行する。

  1. 障害要因を取り除くか,またはカレントデータベースへのアクセスを制限するかして,追い付き反映コマンド(pdorend)を実行します。

SYNC

オンライン再編成を中止して,レプリカRDエリアで業務を続行する。

マスタDBの修復のために,HiRDBを停止しない(ただし,アクセスを制限する)。

  1. オンライン再編成を取り消します(pdorend -u)。

  2. レプリカRDエリアを参照可能バックアップ閉塞状態にします。

  3. レプリカDBのバックアップを取得します。

  4. 3.で取得したバックアップを使って,オリジナルRDエリアを回復します。

  5. カレントデータベース切り替えコマンド(pddbchg)を実行します。

オンライン再編成を中止して,レプリカRDエリアで業務を続行する。

マスタDBの修復のために,HiRDBを一時停止する。

  1. オンライン再編成を取り消します(pdorend -u)。

  2. レプリカRDエリアを参照可能バックアップ閉塞状態にします。

  3. カレントデータベース切り替えコマンド(pddbchg)を実行します。

  4. HiRDBを停止します(pdstop)。

  5. レプリカRDエリアのデータをオリジナルRDエリアにコピーします。

    <ボリューム内のすべてのRDエリアに対して更新可能なオンライン再編成を行っている場合>

    レプリカボリュームのデータをオリジナルボリュームにコピーする機能を使用して,レプリカDBの状態をマスタDBに反映(二重化(pairresysnc -restore))します。日立ディスクアレイシステムを使用している場合は,「日立ディスクアレイシステム使用時の注意事項および操作手順」を参照してください。

    <ボリューム内に更新可能なオンライン再編成を行っていないRDエリアを含む場合>

    レプリカRDエリアを構成するHiRDBファイルをpdfbkupでバックアップし,pdfrstrでオリジナルRDエリアを構成するHiRDBファイルにリストアします。

  6. HiRDBを開始します(pdstart)。

オンライン再編成を完了させる。

  1. 障害要因を取り除いて,追い付き反映コマンド(pdorend)を実行します。

表5‒6 障害対策方法(マスタDBのボリューム障害の場合)

再編成状態

対策後の運用方針

対策方法

NONE

オンライン再編成を続行する。

  1. ボリュームを交換します※1

  2. ログをアンロードします。

  3. 再編成前のバックアップとシステムログからマスタDBを障害発生直前まで回復します。

  4. データベースの静止化コマンド(pdorbegin)からやり直します。

READY1

オンライン再編成を続行する。

使用するミラーリング機能のマニュアルを参照してください。

READY2

オンライン再編成を続行する。

  1. ボリュームを交換します※1

  2. ログをアンロードします。

  3. 再編成前のバックアップとシステムログからマスタDBを障害発生直前まで回復します。

  4. データベースの静止化コマンド(pdorbegin)からやり直します。

  5. カレントデータベースの切り替えコマンド(pdorchg)を実行します。

READY3

オンライン再編成を続行する。

  1. ボリュームを交換します※1

  2. ログをアンロードします。

  3. 再編成前のバックアップとシステムログからマスタDBを障害発生直前まで回復します。

  4. データベースの再編成コマンド(pdrorg)を実行します。

REFLEC

オンライン再編成を続行する。

追い付き反映処理は初めからやり直す※2

  1. ボリュームを交換します※1

  2. 再編成後のバックアップからマスタDBを再編成完了時まで回復します。

  3. pdorchg実行後のすべてのトランザクションを初めから反映させるための追い付き反映コマンド(pdorend -z)を実行します。

オンライン再編成を続行する。

追い付き反映処理は障害発生時の続きから行う。

  1. ボリュームを交換します※1

  2. ログをアンロードします。

  3. 再編成後のバックアップからマスタDBを障害発生直前まで回復します。

  4. 追い付き反映コマンド(pdorend)を実行します。

オンライン再編成を中止して,レプリカRDエリアで業務を続行する(マスタDBの修復については,表「障害対策方法(ユニットダウンまたはコマンドが異常終了した場合)」を参照してください)。

追い付き反映処理を取り消します(pdorend -u)。

SYNC

オンライン再編成を続行する。

  1. ボリュームを交換します※1

  2. ログをアンロードします。

  3. 再編成後のバックアップからマスタDBを障害発生直前まで回復します。

  4. 追い付き反映コマンド(pdorend)を実行します。

オンライン再編成を中止して,レプリカRDエリアで業務を続行する。

(マスタDBの修復については,表「障害対策方法(ユニットダウンまたはコマンドが異常終了した場合)」を参照してください)。

追い付き反映処理を取り消します(pdorend -u)。

注※1

ペア状態の回復については,使用するミラーリング機能のマニュアルを参照してください。

注※2

システム定義のpd_log_org_reflected_logpointオペランドにkeepを,pd_log_org_no_standby_file_oprオペランドにstopを指定して,システムログ反映開始ポイントを消去しないと指定している場合に選択できます。

表5‒7 障害対策方法(レプリカDBのボリューム障害の場合)

再編成状態

対策後の運用方針

対策方法

NONE

障害回復後,オンライン再編成を続行する。

  1. レプリカDBの回復については,使用するミラーリング機能のマニュアルを参照してください。

  2. データベースの静止化コマンド(pdorbegin)からやり直します。

READY1

障害回復後,オンライン再編成を続行する。

  1. データベースの静止化コマンド(pdorbegin)の -u指定でオンライン再編成を取り消します。

  2. レプリカDBの回復については,使用するミラーリング機能のマニュアルを参照してください。

  3. データベースの静止化コマンド(pdorbegin)からやり直します。

READY2

障害回復後,オンライン再編成を続行する。

  1. データベースの静止化コマンド(pdorbegin)の -u指定でオンライン再編成を取り消します。

  2. レプリカDBの回復については,使用するミラーリング機能のマニュアルを参照してください。

  3. データベースの静止化コマンド(pdorbegin)からやり直します。

READY3

オンライン再編成を中止して,障害の発生していないマスタDBにレプリカDBのデータを反映する。その後,マスタDBで業務を続行する。

  1. 追い付き反映処理を取り消します(pdorend -u)。

  2. マスタDBをコマンド閉塞クローズします(pdhold -c)。

  3. ログをアンロードします。

  4. 再編成直前に取得したバックアップとカレントRDエリア(レプリカRDエリア)の更新ログからマスタDBを障害発生直前まで回復します(pdrstr -q 0 -x c)。

  5. 回復後のバックアップを取得します。

  6. マスタDBの閉塞を解除します(pdrels -o)。

  7. カレントデータベースの切り替えコマンド(pddbchg)を実行します。

REFLEC

オンライン再編成を中止して,障害の発生していないマスタDBにレプリカDBのデータを反映する。その後,マスタDBで業務を続行する。

  1. 追い付き反映処理を取り消します(pdorend -u)。

  2. マスタDBをコマンド閉塞クローズします(pdhold -c)。

  3. ログをアンロードします。

  4. 再編成直前に取得したバックアップとカレントRDエリア(レプリカRDエリア)の更新ログからマスタDBを障害発生直前まで回復します(pdrstr -q 0 -x c)。

  5. 回復後のバックアップを取得します。

  6. マスタDBの閉塞を解除します(pdrels -o)。

  7. カレントデータベースの切り替えコマンド(pddbchg)を実行します。

SYNC

オンライン再編成を完了させる。

追い付き反映コマンド(pdorend)を実行します。

表5‒8 障害対策方法(構成情報の複写漏れによるディレクトリ管理情報不正の場合)

再編成状態

対策後の運用方針

対策方法

READY1

READY2

オンライン再編成を続行する。

  1. 更新可能なオンライン再編成を取り消します(pdorbegin -u)。

  2. レプリカRDエリアにオリジナルRDエリアの構成情報を複写します(pdmod)。

  3. データベースの静止化コマンド(pdorbegin)からやり直します。

READY3

オンライン再編成を続行する。

  1. レプリカRDエリアを再初期化します(pdmodのwith reconstruction指定でオリジナルRDエリアの構成と合わせます)。

  2. レプリカRDエリアにアクセスするプロセスを停止します(pdpfresh)。

  3. ペアボリュームを再同期し,ペアを解除します。

  4. カレントデータベースの切り替えコマンド(pdorchg)を実行します。

  5. レプリカRDエリアの閉塞を解除します(pdrels)。