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インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option Version 10


3.4.2 ミラーリング機能によるレプリカ実体の作成(ペアボリュームの分離)

レプリカRDエリアの実体は,ミラーリング機能を実現するハードウェアまたはソフトウェアを使って作成(ペアボリュームを分離)します。

〈この項の構成〉

(1) ハードウェアを使用する場合

ディスク管理機能によって,二重化されたボリューム(ペアボリューム)を分離します。ミラーリング機能を実現するハードウェアには,例えば,日立ディスクアレイシステムがあります。日立ディスクアレイシステムを使用する場合は,日立ディスクアレイシステムのMRCF(Multiple RAID Coupling Feature)機能,またはShadowImage機能で作成した二重化ディスクの片系を切り離します。二重化ディスクの切り離し(ペアボリュームの分離)については,使用するミラーリング機能のマニュアルを参照してください。なお,日立ディスクアレイシステムを使用している場合は,まず「日立ディスクアレイシステム使用時の注意事項および操作手順」を参照してください。

(2) ソフトウェアを使用する場合

OSのLV(Logical Volume)管理を使用したミラーファイル管理ソフトウェアで二重化したファイル(ペアボリュームのファイル)の片系を分離します。二重化したファイルの切り離し(ペアボリュームの分離)については,使用するミラーリング機能のマニュアルを参照してください。

(3) RDエリアのオープン属性について

RDエリアのオープン後にファイルの実体をOSから切り離すためには,RDエリアを運用コマンドでコマンド閉塞かつクローズにします。また,RDエリアのオープン属性がSCHEDULE以外の場合,pdpfreshコマンドでサーバプロセスのリフレッシュもする必要があります。HiRDBの起動中にペアボリュームやミラーファイルを再統合する場合には,次のどれかの運用をしてください。

以降,RDエリアのオープン属性に関する設定,属性値の変更方法,および属性値のパターンについて説明します。

(a) RDエリアのオープン属性に関する設定

システム共通定義(pdsys)ファイルに指定する次の二つのオペランドの追加または見直しが必要です。

  • pd_lv_mirror_use

    レプリカRDエリアのオープン属性を「SCHEDULE」にする場合,pd_lv_mirror_use = Yにします(「インナレプリカ関連の定義」を参照してください)。

    これを指定すると,ほかのオペランドの指定値に関係なく,レプリカRDエリアのオープン属性は「SCHEDULE」になります。

  • pd_rdarea_open_attribute_use

    RDエリアのオープン属性のDEFER属性またはSCHEDULE属性を使用するかどうかを指定します。オペランド「pd_lv_mirror_use」の指定値との組み合わせによって,実際に設定される属性値が異なります。「RDエリアのオープン属性のパターン」を参照して検討してください。

(b) RDエリアのオープン属性の変更方法

RDエリアのオープン属性は,次のどちらかの方法で変更できます。変更した属性が有効になるのは,次回のHiRDB起動時からです。オープン属性は,「RDエリアのオープン属性のパターン」で示すパターンを参考に検討してください。

  • HiRDBのpdmodコマンドでalter rdarea文を実行

    RDエリアのオープン属性は,HiRDBのpdmodコマンドでalter rdarea文を実行すると変更できます。ただし,define copy文で構成情報を複写した場合,複写元RDエリアと同じオープン属性になるため,必要に応じてalter rdarea文を再実行してください。

  • オペランド「pd_rdarea_open_attribute」にオープン属性を指定

    システム共通定義(pdsys)ファイルに,オペランド「pd_rdarea_open_attribute」を指定します。オペランドには,「SCHEDULE」などのオープン属性を指定します。この指定は,オープン属性が定義されていないRDエリアに対して適用されます。

(c) RDエリアのオープン属性のパターン

RDエリアに実際に設定されるオープン属性は,次のオペランドや制御文の指定値の組み合わせによって異なります。

  • pd_rdarea_open_attribute_use

  • pd_lv_mirror_use

  • alter rdarea文またはpd_rdarea_open_attribute

オペランドや制御文の指定値の組み合わせと,RDエリアに設定されるオープン属性のパターンを次の表に示します。例えば,pd_rdarea_open_attribute_use=Y,pd_lv_mirror_use=Y,alter rdarea文またはpd_rdarea_open_attributeでINITIALを指定すると,オリジナルRDエリアはINITIALのオープン属性になり,レプリカRDエリアはSCHEDULEになります。alter rdarea文またはpd_rdarea_open_attributeでINITIALを指定したにもかかわらず,SCHEDULEになります。このように,指定した値と実際に設定される値は,オペランドや制御文の指定値の組み合わせによって異なります。

表3‒3 オペランドや制御文の指定値の組み合わせによるオープン属性のパターン

pd

_rdarea

_open

_attribute

_useの

指定値

pd_lv

_mirror

_useの

指定値

RDエリアの種類

alter rdarea文または

pd_rdarea_open_attributeでの

オープン属性の指定値

INITIAL

または

指定なし

DEFER

SCHEDULE

Y

Y

通常のRDエリアまたはオリジナルRDエリア

INITIAL

DEFER

SCHEDULE

レプリカRDエリア

SCHEDULE

SCHEDULE

SCHEDULE

N

通常のRDエリアまたは

オリジナルRDエリア

INITIAL

DEFER

SCHEDULE

レプリカRDエリア

INITIAL

DEFER

SCHEDULE

N

Y

通常のRDエリアまたは

オリジナルRDエリア

INITIAL

INITIAL

INITIAL

レプリカRDエリア

SCHEDULE

SCHEDULE

SCHEDULE

N

通常のRDエリアまたは

オリジナルRDエリア

INITIAL

INITIAL

INITIAL

レプリカRDエリア

INITIAL

INITIAL

INITIAL

注※ RDエリア追加直後のRDエリアのオープン属性は「INITIAL」となります。指定したオープン属性値は,次回のHiRDB起動後から有効になります。