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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 UAP開発ガイド


11.2.1 UAP障害時の回復方法

UAPに障害が発生した場合,HiRDBシステム全体が停止しないように対処する必要があります。

ここでは,UAP障害時の回復方法について説明します。

UAP障害時の回復方法としては,次に示す三つに分けられます。

UAP障害の種別と回復方法を次の表に示します。

表11‒7 UAP障害の種別と回復方法

障害種別

検 出 方 法

システム側の処置

回 復 方 法

UAP異常終了

UAP処理時間監視機能

UAPの切り離し

UAPトランザクションのロールバック

UAP無限ループ

トランザクション未終了

UAP処理エラー

サーバ※1内の各種エラー検出機能

UAPへエラー応答

UAP指示によるトランザクションのロールバック

UAPによるエラー検出とロールバック要求

UAPによるエラー検出

UAPの指示に従う

デッドロック

HiRDBのデッドロック検出機能

UAPへエラー応答(暗黙的ロールバック)

UAPトランザクションの終了

メモリ不足

メモリ確保時のエラー

UAP起動不可

共用メモリ,プロセス固有メモリの見直し※2

注※1

フロントエンドサーバ,及びバックエンドサーバを示します。

注※2

共用メモリ,プロセス固有メモリの見直しについては,システム管理者に依頼してください。

〈この項の構成〉

(1) UAP処理時間監視機能

UAPを実行すると,HiRDBのUAP処理時間監視機能によってタイマ監視されます。これは,UAPに異常が発生してHiRDBの処理が長時間止まった状態になることを防止するためです。

タイマ監視は,クライアント環境定義で環境変数PDSWAITTIMEによって監視する時間を指定します。時間を指定しないと,HiRDBの仮定値によって監視します。

クライアント環境定義の詳細については,「クライアント環境定義(環境変数の設定)」を参照してください。

(2) サーバ内の各種エラー検出機能

HiRDB/パラレルサーバの場合,SQLの実行中にフロントエンドサーバ内,又はバックエンドサーバ内で,データベース処理のプロセス異常などのエラーを検出すると,プロセスの切り離しなどが必要なため,UAP側にエラーステータスを返します。エラーステータスに対してUAPがロールバック要求を発行すると,HiRDBとしての回復処理がされます。

(3) UAPによるエラー検出

UAP内で障害を検出した場合,ロールバック要求を発行することで回復処理がされます。

なお,UAPが正常に処理された場合,UAPからのDISCONNECT指示によってプロセスが切り離されます。

(4) メモリ容量の再検討

共用メモリ,及びプロセス固有メモリが不足すると,メモリ,又はディスク容量の不足を表すメッセージが出力されます。メッセージが出力された場合,UAPを起動するために必要なメモリを確保した後,UAPを再実行します。

なお,共用メモリ,プロセス固有メモリの見直しについては,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照するか,又はHiRDB管理者に連絡してください。