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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 UAP開発ガイド


11.1.7 再接続トレース機能

再接続トレースは,自動再接続機能で再接続が行われた場合,HiRDBが内部的に管理している接続ハンドルの値,再接続前の接続情報,再接続後の接続情報,及び再接続時刻を,再接続トレースファイルに出力します。この情報は,CosminexusのPRFトレース機能で出力されるトレース中の接続情報を追跡するために使用します。

〈この項の構成〉

(1) 再接続トレースの取得方法

再接続トレースは,クライアント環境定義PDRCTRACEに値を設定すると取得できます。

再接続トレースファイルは,クライアント環境定義PDCLTPATHに指定したディレクトリに二つ作成されます。作成されるファイル名称は,pdrcnct1.trc,及びpdrcnct2.trcです。

(2) 再接続トレースの見方

再接続トレースは,自動再接続機能で自動的に接続が行われた場合に出力されます。

再接続トレースの出力例を次に示します。

   [1]  [2]                         [3]                                [4]
40004250 S 2004/04/12 11:10:36.766 - 2004/04/12 11:10:41.846 sds:9:23763 => sds:10:23750
40004250 S 2004/04/12 11:11:07.491 - 2004/04/12 11:11:12.547 sds:10:23750 => sds:11:23765
40004850 F 2004/04/12 11:17:58.285 - 2004/04/12 11:18:23.395 sds:14:23751 => 
40005050 S 2004/04/12 11:27:35.098 - 2004/04/12 11:27:40.152 sds:1:24414 => sds:2:24418
[説明]
  1. 接続ハンドルの値

    HiRDBが内部的に管理している接続ハンドル値が16進数で出力されます。

    クライアントが32ビットモードの場合は8けた,64ビットモードの場合は16けたとなります。接続ハンドルの値が同一のトレースは,UAPからすると同じ接続であることを意味します。

    上記出力例の場合,接続ハンドルの値として40004250が2回出力されています。これは,この接続ハンドルを使用しているUAPからすると,再接続が2回行われたことを意味します。

  2. 再接続結果

    再接続結果が出力されます。

    S:成功

    F:失敗

  3. 再接続開始日時,及び再接続完了日時

    切断を検知してから再接続を開始した日時と,正常に再接続が完了した日時が,ミリ秒単位で出力されます。再接続に失敗した場合は,UAPに制御が戻る直前の日時を出力します。

  4. 再接続前,及び再接続後の接続情報

    再接続前の接続情報,再接続後の接続情報が出力されます。接続情報は,接続サーバ名称,コネクト通番,及び接続サーバのプロセスIDをコロンで区切って出力します。

    再接続に失敗した場合,再接続後の接続情報は出力されません(空白となります)。

(3) CosminexusのPRFトレース情報との突き合わせ方法

CosminexusのPRFトレースには,出力例の4で示した接続情報が出力されます。その後,自動再接続機能で再接続が行われた場合は,次の手順で付き合わせを行います。

<手順>
  1. PRFトレース中のHiRDBの接続情報を取得してください。

  2. 再接続トレースファイルの4の中から,手順1で取得した接続情報を探し,その接続ハンドル値を取得してください。

  3. 再接続トレースファイルの1の中から,手順2で取得した接続ハンドルと同じ値のトレースを追跡します。同じ値の接続ハンドルが見付かった場合,再接続前の接続情報が一つ前の同じ接続ハンドルの,再接続後の接続情報と同じときは,追跡対象となります。異なる場合は,この接続ハンドルで新たに接続されているため(DISCONNECT−CONNECT),追跡対象とはなりません。

(4) 再接続トレースのバックアップの取得

再接続トレース出力中に再接続ログファイルの容量が一杯になると,そのファイルへは出力しないで,もう一方の再接続トレースファイルに再接続ログを出力します。この場合,切り替え先の再接続トレースファイルに格納されている古い再接続トレースは消去され,新しい再接続トレースに書き換えられます。このため,長時間運用をする場合は,必要に応じて再接続トレースファイルの内容をコピーして,バックアップを取得しておいてください。

なお,現在使用している再接続トレースファイルを知りたい場合は,ファイルの最終更新日時を調べてください。最終更新日時の新しい方が現在使用している再接続トレースファイルになります。

HiRDBクライアントがWindows版の場合はdirコマンド又はエクスプローラで,ファイルの最終更新日時を調べてください。

HiRDBクライアントがUNIX版の場合はOSのls -lコマンドで,ファイルの最終更新日時を調べてください。