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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 UAP開発ガイド


6.3.5 Windowsクライアントでのサイレントインストール及びアンインストール

HiRDBクライアントのサイレントインストール,サイレントアンインストール,および修正パッチのサイレントインストールについて説明します。サイレントインストール,およびサイレントアンインストールでは,実行時にダイアログが表示されません。

〈この項の構成〉

(1) サイレントインストール

サイレントインストール用のコマンドを起動し,インストールします。サイレントインストールでは,すべてのクライアント機能をインストールします。

クライアント機能の一覧については,表「Windows系HiRDB製品でのクライアント機能同梱状況」を参照してください。

(a) 格納場所

この機能で使用するコマンドは,統合CD-ROM中の次のフォルダに格納されています。

_PPDIR\形名フォルダ\DISK1

形名フォルダは,形名を短縮した名称となります。例えば,形名P-2662-11A4の場合,「_PPDIR¥P266211A4¥DISK1」となります。

(b) 実行者

Administratorsグループの管理者権限で実行してください。

(c) コマンドラインの形式

pdslinst.exe 〔/AUTO;オプションファイルのパス〕
/AUTO;オプションファイルのパス

サイレントインストールの設定情報を記述したオプションファイルを,259文字(バイト)以内の絶対パスで指定します。

(d) オプションファイルの形式

オプションファイルには,次の形式でオプションを記載します。

オプション名=指定値

最後にCR+LF形式の「改行」を入れてください。また,オプションファイルの文字コードはMS932です。

オプションファイルの記述例

instdir=C:\Program Files\HITACHI\HiRDB

指定できるオプションを次の表に示します。

表6‒2 オプションファイルに指定できるオプション

オプション

指定値

説明

instdir

インストール先フォルダ

インストール先フォルダを,200文字(バイト)以内の絶対パスで指定してください。

指定値とインストール先の対応を次に示します。

指定値とインストール先

【新規インストール】
  • 省略時はデフォルトのインストール先へインストールします。

【上書きインストール】
  • 省略時はインストール済みのパスへインストールします。

  • 指定を省略しないで,インストール済みのパス以外を指定した場合にはエラーが発生します(新規インストール時と異なるパス文字列表現をした場合にもエラーが発生します)。

注※

デフォルトのインストール先です。デフォルトのインストール先を次の表に示します。

表6‒3 デフォルトのインストール先

OS

HiRDBクライアント

Windows(x86)

Windows(x64)

Windows(x86)

C:¥Program Files¥HITACHI¥HiRDB

インストール不可

Windows(x64)

C:¥Program Files (x86)¥HITACHI¥HiRDB

C:¥Program Files¥HITACHI¥HiRDB

(e) 戻り値

0:正常終了

2:正常終了(Windowsの再起動要)

-1:インストール失敗

インストールが失敗した場合のエラー情報の詳細は,インストール実行結果情報ファイルを参照してください。インストール実行結果情報ファイルが出力されていない場合は,環境変数ALLUSERSPROFILE及び環境変数TEMPに書き込みできるフォルダを設定した上で再インストールしてください。インストール実行結果情報ファイルが参照できない場合は保守員に連絡してください。

(f) インストール実行結果情報ファイル

インストールコマンドを実行すると,%ALLUSERSPROFILE%¥HITACHI¥HiRDB¥pdslinst.logにインストール実行結果情報ファイルを出力します。出力できない場合は%TEMP%¥pdslinst.logに出力します。

インストール実行結果情報ファイルには,次の表に示す情報を出力します。

表6‒4 インストール実行結果情報ファイルの内容

出力行

情報

内容

1行目

コマンドライン

実行されたコマンドライン

(コマンドは絶対パスで出力)

2行目

終了ステータス

インストール実行結果を示す2桁の16進数

3行目

終了ステータスに応じて次のどれかを出力

終了ステータス=00,02

アンインストールコマンド

サイレントアンインストールを実行する場合に使用するコマンドライン

終了ステータス=B6

詳細コード

InstallShieldの戻り値

終了ステータス=BA

詳細情報

Windows API:エラーコード

上記以外

なし

なし

出力例を次に示します。

なお,出力例の↓は1行の末尾を示します。実際に出力するファイルでは表示されません。

インストール実行結果情報ファイルの出力例

  • 正常終了の場合

    C:\tmp\DISK1\pdslinst.exe /AUTO;C:\tmp\test.ini↓
    00↓
    "C:\Program Files (x86)\InstallShield Installation Information\{1CD2D8D0-BFC9-4A6D-B5A0-ECA663C9C9E5}\setup.exe" -runfromtemp -l0x0411 -uninst /a /s /f1"C:\Program Files (x86)\InstallShield Installation Information\{1CD2D8D0-BFC9-4A6D-B5A0-ECA663C9C9E5}\setup.iss"↓
  • InstallShieldでエラーが発生した場合

    C:\tmp\DISK1\pdslinst.exe /AUTO;C:\tmp\test.ini↓
    B6↓
    -5001↓
  • オプション不正の場合

    C:\tmp\DISK1\pdslinst.exe /AUTO;C:\tmp\test.ini↓
    88↓
  • Windows APIでエラーが発生した場合

    C:\tmp\DISK1\pdslinst.exe “/AUTO;C:\tmp\test.ini” ↓
    BA↓
    CreateProcess : 5↓

インストール実行結果情報ファイルの終了ステータスの意味を次の表に示します。対処方法でインストールできない場合は,保守員に連絡してください。

表6‒5 インストール実行結果情報ファイルの終了ステータスの意味

終了ステータス

区分

内容

対処方法

00

正常終了

インストールを正常に終了しました。

なし。

02

インストールを正常に終了しましたが,使用中のファイルがあるため,Windowsの再起動が必要です。

なし。

83

異常終了

レジストリアクセス中にエラーが発生しました。

権限不足のため,エラーが発生しています。Administrators権限を持っているユーザで再インストールしてください。

85

ディスクアクセス中にエラーが発生しました,又はインストール先ディスクの空き容量が不足しています。

ディスクアクセス時のメモリ不足を回避するため,起動中のプログラムやサービスを停止し,次のフォルダがあるどれかのドライブの不要ファイルを削除してから,Administrators権限を持っているユーザで再インストールしてください。

  • インストール先フォルダ

  • 環境変数TEMPのフォルダ

  • 環境変数WINDIRのフォルダ

88

コマンドライン又はオプションファイルの内容に誤りがあります。

コマンドライン又はオプションファイルの内容を修正し,再インストールしてください。

92

Windows(x64)版のHiRDBクライアントを,Windows(x86)のOSにインストールしました。

Windows(x86)版のHiRDBクライアントをインストールするか,又はWindows(x64)のOSにインストールしてください。

B1

HiRDB ODBCドライバのインストールでエラーが発生しました。

保守員に連絡してください。

B4

Windows Installerでエラーが発生しました。

コントロールパネルからWindows Installerのサービスが開始できない場合は,Windows Installerを修復(Windows Installerを再インストールするなど)して再インストールしてください。

B5

上書きインストールで,既存のインストール先と異なる絶対パスがインストール先に指定されました。

コマンドライン引数を削除して再インストールしてください。

B6

InstallShieldでエラーが発生しました。

インストール実行結果情報ファイルの詳細コードを確認し,保守員に連絡してください。

B7

オプションファイルの読み込み時にエラーが発生しました。

オプションファイルへの参照権限があるユーザで,/AUTOオプションにオプションファイルの絶対パスを正しく指定して,再インストールしてください。

B8

システム環境変数への登録時にエラーが発生しました。

システム環境変数に次のサイズのパスが追加できるよう,不要なパスを削除して,再インストールしてください。

<PATH>

インストール先の絶対パス + 5

<CLASSPATH>
  • HiRDB/Developer's Kitの場合

    インストール先の絶対パス×3 + 49

  • HiRDB/Run Timeの場合

    インストール先の絶対パス×4 + 72

B9

メモリ不足が発生しました。

起動中のプログラムやサービスを停止し,Administrators権限を持っているユーザで再インストールしてください。

BA

Windows APIでエラーが発生しました。

保守員に連絡してください。

BB

.NET Framework4以降が未インストールです。

.NET Framework4以降をインストールして,再インストールしてください。

80

上記以外のエラーが発生しました。

保守員に連絡してください。

(g) InstallShieldのログファイル

インストールコマンドを実行すると,%ALLUSERSPROFILE%¥HITACHI¥HiRDB¥pdslinst_setup.logにInstallShieldのログファイルを出力します。出力できない場合は%TEMP%¥pdslinst_setup.logに出力します。

(2) サイレントアンインストール

サイレントアンインストール用のコマンドを起動し,アンインストールします。

(a) 実行者

Administratorsグループの管理者権限で実行してください。

(b) コマンドラインの形式

インストール実行結果情報ファイルで出力されているアンインストールコマンド

インストール結果情報ファイルがない場合には,スタートメニューに登録されたショートカット「HiRDB Clientのアンインストール」のコマンドのプロパティを参照し,最後に次のオプションを追加してください。インストール結果情報ファイルで出力されるアンインストールコマンドと同等の形式になります。

/a /s /f1"「HiRDB Clientのアンインストール」のsetup.exeコマンドのあるフォルダ\setup.iss"

サイレントアンインストールをするためのコマンドラインの例を,次に示します。

「HiRDB Clientのアンインストール」のコマンドのプロパティ

"C:\Program Files (x86)\InstallShield Installation Information\{1CD2D8D0-BFC9-4A6D-B5A0-ECA663C9C9E5}\setup.exe" -runfromtemp -l0x0411  -uninst

サイレントアンインストールをするためのコマンドライン

"C:\Program Files (x86)\InstallShield Installation Information\{1CD2D8D0-BFC9-4A6D-B5A0-ECA663C9C9E5}\setup.exe" -runfromtemp -l0x0411  -uninst /a /s /f1" C:\Program Files (x86)\InstallShield Installation Information\{1CD2D8D0-BFC9-4A6D-B5A0-ECA663C9C9E5}\setup.iss"

(c) アンインストールエラー情報ファイル

アンインストール時にエラーが発生した場合,%ALLUSERSPROFILE%¥HITACHI¥HiRDB¥unsetup.errにアンインストールエラー情報ファイルを出力します。出力できない場合は%TEMP%¥unsetup.errに出力します。

アンインストールエラー情報ファイルには,発生したエラーを示すエラーコードを出力します。出力例を次に示します。

アンインストールエラー情報ファイルの出力例

80

エラーコードの意味について,次の表に示します。

対処方法でアンインストールできない場合は,保守員に連絡してください。

表6‒6 エラーコードの意味

エラーコード

内容

対処方法

80

Windows Installerでエラーが発生しました。

コントロールパネルからWindows Installerのサービスが開始できることを確認し,開始できない場合は,Windows Installerを修復(Windows Installerを再インストールするなど)し,再アンインストールしてください。

81

メモリ不足が発生しました。

起動中のプログラムやサービスを停止し,再アンインストールしてください。

82

レジストリアクセス中にエラーが発生しました。

Administratorグループの管理者権限でアンインストールしていない場合,Administratorグループの管理者権限で再アンインストールしてください。

(3) 修正パッチのサイレントインストール

修正パッチ適用時のサイレントインストールについて説明します。

なお,修正パッチだけをサイレントアンインストールすることはできません。

(a) 実行者

Administratorsグループの管理者権限で実行してください。

(b) コマンドラインの形式

cmd /c "setup.exe /s"

修正パッチを任意のフォルダへ展開し,展開したフォルダに移動した後,コマンドを実行してください。

(c) 戻り値

戻り値について次の表に示します。

対処方法でアップデートできない場合は,保守員に連絡してください。

表6‒7 修正パッチコマンドの戻り値

戻り値

内容

対処方法

0

正常に終了しました。

なし。

1

正常に終了しましたが,使用中のファイルがあるため,Windowsの再起動が必要です。

なし。

132

メモリ不足が発生しました。

起動中のプログラムやサービスを停止し,再アップデートしてください。

134

ディスクの空き容量が不足しています。

次のフォルダがあるどれかのドライブの不要ファイルを削除してから,Administrators権限を持っているユーザで再アップデートしてください。

  • インストール先フォルダ

  • 環境変数WINDIRのフォルダ

135

ログファイルのオープン時にエラーが発生しました。

インストール先フォルダに書き込み権限を与えた上で,再アップデートしてください。

144

ファイル及びディレクトリ操作で,エラーが発生しました。

ディスクアクセス時のメモリ不足を回避するため,起動中のプログラムやサービスを停止し,Administrators権限を持っているユーザで再アップデートしてください。

159

HiRDBクライアントが未インストールであるか,又は修正パッチ適用対象のバージョンが不正です。

HiRDBクライアントがインストール済みであることを確認してください。又は,適用する修正パッチのバージョン番号,リビジョン番号,修正版コード(VV-RR-SSのSS)が正しいことを確認し,再アップデートしてください。

上記以外

その他エラーが発生しました。

保守員に連絡してください。

(d) バージョン情報の確認

パッチ適用に成功した場合は,修正パッチのコマンド(setup.exe)を格納したディレクトリ内のRELEASE.TXTを参照し,「◆パッチユーティリティ」の記載内容に従ってバージョン情報を確認してください。