2.29.1 pddbfrzの形式と規則
(1) 機能
ユーザLOB用RDエリアを構成するHiRDBファイルで,データが満杯(ファイルの最終ページまで使用中)となったHiRDBファイルを,更新及び削除できない状態にします。これを更新凍結状態といいます。更新凍結状態となったHiRDBファイルに格納されているLOBデータは,更新及び削除ができません。
このコマンドは,pdcopy以外の方法でバックアップを取得する場合に使用してください。
(2) 実行者
HiRDB管理者が実行できます。
(3) 形式
pddbfrz 〔-d〕 -r {RDエリア名〔,RDエリア名〕…|ALL} 〔-q 世代番号〕〔-W 実行監視時間〕
(4) オプション
(a) -d
HiRDBファイルの更新凍結状態を解除する場合に指定します。
省略した場合は,データが満杯となっているHiRDBファイルを更新凍結状態にします。ただし,RDエリアを構成する先頭のHiRDBファイルは更新凍結状態にできません。
(b) -r {RDエリア名〔,RDエリア名〕…|ALL}
- RDエリア名 〜<識別子>((1〜30))
-
更新凍結状態にするRDエリア名,又は更新凍結状態を解除するRDエリア名を指定します。RDエリア名には,ユーザLOB用RDエリアだけ指定できます。
- ALL
-
すべてのユーザLOB用RDエリアを更新凍結状態にします。-dオプション指定時は,すべてのユーザLOB用RDエリアの更新凍結状態を解除します。
ただし,-qオプション指定時は同じ世代のユーザLOB用RDエリアを対象とします。
<規則>
-
RDエリアを指定する場合の規則については,「運用コマンド,ユティリティでのRDエリアの指定」を参照してください。
-
ユーザLOB用RDエリア以外のRDエリア,プラグインインデクスが格納されているユーザLOB用RDエリア,及び未使用のユーザLOB用RDエリアを指定した場合はエラーとなります。
-
インナレプリカ機能を使用している場合は,オリジナルRDエリア及びレプリカRDエリアも指定できます。
(c) -q 世代番号 〜<符号なし整数>((0〜10))
レプリカRDエリアの世代番号を指定します。
このオプションを指定した場合,-rオプションにはオリジナルRDエリアを指定してください。この場合,レプリカRDエリアがすべて削除されたオリジナルRDエリア,又は通常のRDエリア(レプリカRDエリアがないRDエリア)を指定したときはエラーとなります。
(d) -W 実行監視時間 〜<符号なし整数>((0〜3600))
pddbfrzコマンドの実行時間を監視する場合に,その監視時間を分単位で指定します。このオプションに指定する値の目安や動作については,マニュアル「HiRDB システム定義」のシステム共通定義pd_cmd_exec_timeオペランドの説明を参照してください。
なお,このオプションに0を指定した場合は,監視を行いません。
また,このオプションを省略した場合は,システム共通定義のpd_cmd_exec_timeオペランドの指定値に従います。
(5) 規則
-
pddbfrzコマンドは,HiRDBが稼働中のときだけ実行できます。
-
pddbfrzコマンドは,シングルサーバ又はシステムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。
-
pddbfrzコマンドを実行する場合,ユーザLOB用RDエリアが次のどちらかの状態でなければなりません。
-
オープン状態,かつ閉塞解除状態
-
オープン状態,かつpdholdコマンドによる閉塞状態
-
-
pddbfrzコマンドを実行すると,RDエリアに対して排他モードで排他を掛けます。そのため,ほかのトランザクションがアクセスしているRDエリアに対してpddbfrzコマンドを実行すると,そのトランザクションが終了するまでpddbfrzコマンドは待ち状態となります。
-
RDエリアを構成する先頭のHiRDBファイルには,HiRDBの管理レコードがあるため,pddbfrzコマンドを実行しても更新凍結状態にはなりません。
-
更新凍結状態にできるHiRDBファイルは,コマンド実行時にデータが満杯となっているファイルだけです。そのため,コマンド実行時に満杯ではなかったHiRDBファイルがその後のデータ登録などで満杯になったとしても,更新凍結状態に切り替わることはありません。
-
pddbfrzコマンドは,更新可能なオンライン再編成を使用しているRDエリアに対しては実行できません。
(6) 注意事項
-
pddbfrzコマンドの結果は,pddbstで確認できます。
-
更新凍結状態のHiRDBファイルのデータを更新したい場合,又はpdrorgの再編成などでRDエリアを更新する必要がある場合,pddbfrz -dコマンドで更新凍結状態を解除してください。なお,RDエリアの更新後は,RDエリアのすべてのHiRDBファイルのバックアップを取得し直す必要があります。
-
pddbfrzコマンドのリターンコードと基本的な対処方法を次に示します。
0以外の場合,一部のユーザLOB用RDエリアのHiRDBファイルが更新凍結状態になっていることがあります。その状態では業務を継続できないおそれがあるため,pddbfrzコマンドに指定したRDエリアをpddbfrzコマンド(-dオプション指定)で更新凍結状態を解除してください。
0:正常終了
- 4:警告終了
-
一部のRDエリアの処理がエラー終了しました。
- 8:異常終了
-
一部のRDエリアの処理がエラー終了していることがあります。
- 12:異常終了
-
エラーメッセージを表示できない事象が発生しました。
一部のRDエリアの処理がエラー終了していることがあります。シングルサーバ又はディクショナリサーバがあるホストのsyslogfile中のエラーメッセージを参照して,エラーの要因を取り除いた後,再度コマンドを実行してください。syslogfile中にエラーメッセージが出力されていない場合は保守員に連絡してください。