26.17.2 高速系切り替え機能
待機系HiRDBのサーバプロセス及びシステムサーバをあらかじめ起動しておいて,系の切り替え時にサーバプロセス及びシステムサーバの起動処理をしません。これを高速系切り替え機能といいます。系の切り替え時にサーバプロセス及びシステムサーバの起動処理がない分,系の切り替え時間を短縮できます。
なお,高速系切り替え機能の方がユーザサーバホットスタンバイより系の切り替え時間を短縮できます(高速系切り替え機能はユーザサーバホットスタンバイの機能を包括しています)。
(1) IPアドレスについての条件
(a) HiRDB/シングルサーバの場合
高速系切り替え機能をするユニットはIPアドレスを引き継げません。したがって,HiRDB/シングルサーバの場合はIPアドレスを引き継がない構成にしてください。
(b) HiRDB/パラレルサーバの場合
高速系切り替え機能を使用するユニットはIPアドレスを引き継がないようにしてください。対象ユニットのユニット制御情報定義のpd_ha_ipaddr_inheritオペランドにNを指定します。サーバモードで運用しないユニットはIPアドレスを引き継ぐ構成にしてもかまいません。
バックエンドサーバのユニットを高速系切り替え機能の対象として,システムマネジャ及びフロントエンドサーバのユニットを対象外にすることをお勧めします。システムマネジャ及びフロントエンドサーバのユニットをIPアドレスを引き継がない構成にすると,系が切り替わった後の運用がIPアドレスを引き継ぐ場合に比べて難しくなります。システム構成例については,「高速系切り替え機能使用時のシステム構成例」を参照してください。
(2) 高速系切り替え機能を使用する場合に指定するオペランド
高速系切り替え機能を使用するには,pd_ha_agentオペランドにstandbyunitを指定します。
また,HiRDB/パラレルサーバの場合はトランザクションキューイング機能を使用するかどうかを検討してください。トランザクションキューイング機能を使用すると,系切り替え時のトランザクションエラーを少なくできます。トランザクションキューイング機能については,「トランザクションキューイング機能」を参照してください。
(3) pdntenvコマンドによる設定(HiRDB/シングルサーバ限定)
pdntenvコマンドの-roオプションで,リモート系コマンドを使用する設定をしてください。