20.17.4 ユニットの再開始手順(システムログファイルの不足原因が特定されている場合)
システムログファイルの不足原因が特定されている場合の対処手順を次の図に示します。
注 図中の項番は,以降の説明の( )の番号と対応しています。
- 〈この項の構成〉
(1) システムログファイルの不足原因の対処を行う
システムログファイルの不足原因ごとの対処方法を次の表に示します。複数の原因が該当する場合は,該当するすべての原因の対処を行ってください。
項番 |
システムログファイルの不足原因 |
対処方法 |
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1 |
自動ログアンロード機能が停止したため,アンロード待ち状態のファイルが増えて,システムログファイル不足が発生した。 |
KFPS01150-Eメッセージが出力されています。このメッセージの対処に従って,自動ログアンロード機能が停止した原因を取り除いてください。 また,「障害発生時の対策方法」も参照してください。 |
2 |
システムログファイルをアンロード又は状態変更しなかったため,アンロード待ち状態のファイルが増えて,システムログファイル不足が発生した。 |
アンロード待ち状態のシステムログファイルをアンロード済み状態にしてください。操作方法については,「システムログファイルをアンロード済み状態に変更する方法」を参照してください。 |
3 |
HiRDB Datareplicatorとの連動中に,システムログの抽出処理が追い付かなくなり,抽出未完了状態のファイルが増えて,システムログファイル不足が発生した。 |
対処方法については,「抽出未完了状態のシステムログファイルがある場合の対処方法」を参照してください。 |
4 |
長時間にわたりトランザクションが決着しなかったため,上書きできない状態のファイルが増えて,システムログファイル不足が発生した。 |
次に示す手順で対処してください。
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5 |
シンクポイントダンプの有効化処理がスキップされたため,上書きできない状態のファイルが増えて,システムログファイル不足が発生した。 |
|
6 |
システムログファイルに障害が発生したため,スワップ先にできる状態のファイルがなくなり,システムログファイル不足が発生した。 |
(2) ユニットの再開始時に必要となるシステムログファイルの容量があるか確認する
ここで説明する作業は,表「システムログファイルの不足原因ごとの対処方法」の項番1〜3の対処をした場合にかぎり実施してください。
ユニットの再開始時に必要となるシステムログファイルの容量があるか確認してください。確認手順を次に示します。
- 手順
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pdlogls -d sys -eコマンドを実行して,スワップ先にできる状態のシステムログファイルを確認してください。
表「システムログファイルの不足原因ごとの対処方法」の項番1の対処(自動ログアンロード機能が停止した場合の対処)を実施している場合は,ユニットの再開始時に自動ログアンロード機能が動作してシステムログをアンロードするため,システムログファイルはすべてアンロード済み状態であると見なしてください。
-
スワップ先にできる状態のシステムログファイルのレコード数を合計してください。pdlogls -d sys -eコマンドの実行結果を参照して,スワップ先にできる状態の各システムログファイルのRecord countの右側の値(システムログファイルのレコード数が表示されています)を合計してください。
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「ユニットの再開始時に必要となるレコード数の求め方」を参照して,ユニットの再開始時に必要となるシステムログファイルのレコード数を計算してください。
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上記の手順の2と3で求めたレコード数を比較して,次に示す条件式を満たしている場合は,(3)に進んでください。
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スワップ先にできる状態のシステムログファイルのレコード数(手順の2で求めたレコード数)≧ユニットの再開始時に必要となるシステムログファイルのレコード数(手順の3で求めたレコード数)
上記の条件式を満たしていない場合は,不足分のレコード数を定義したシステムログファイルを追加してください。追加手順については,「システムログファイルの追加方法」を参照してください。
(3) ユニットを再開始する
pdstartコマンドを実行してユニットを再開始します。
ユニットが再開始されると,トランザクションの受け付け可能状態になりますが,新規トランザクションの処理によって出力されるシステムログが原因で,システムログファイルの不足が再度発生するおそれがあります。そのため,(5)の作業が完了した後に業務を再開するようにしてください。
(4) シンクポイントダンプの有効化処理が完了したことを確認する
シンクポイントダンプの有効化処理が完了したことを確認してください。確認手順については,「シンクポイントダンプの有効化処理が完了したことを確認する」を参照してください。
再開始時に必要なシステムログファイルが不足している場合,シンクポイントダンプの有効化処理が完了する前に,ユニットが再度異常終了します。この場合,イベントログ又はメッセージログファイルに出力されているエラーメッセージの対処に従ってください。システムログファイルの不足が解消していない場合は,「ユニットの再開始手順(原因を特定してからユニットを再開始する場合)」を参照して原因を特定してください。
(5) 業務再開のための準備をする
業務を再開する前に次に示すことを実施してください。
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スワップ先にできる状態のシステムログファイルが十分にあるか確認する
pdloglsコマンドを実行して,スワップ先にできる状態のシステムログファイルの数を確認してください。全体の3分の2以上の数があるか確認してください。数が不足している場合は,システムログファイルをアンロードするなどして,スワップ先にできる状態のシステムログファイルの数を増やしてください。
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自動ログアンロード機能が動作しているか確認する
自動ログアンロード機能を使用している場合は,pdlogatul -d sys -iコマンドを実行して,自動ログアンロード機能が動作しているか確認してください。
自動ログアンロード機能が停止している場合は,ユニットの再開始後に出力されたKFPS01150-Eメッセージを確認し,メッセージの対処に従ってください。その後,pdlogatul -d sys -bコマンドを実行して,自動ログアンロード機能を再開してください。
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バックアップ情報及びログポイント情報を取得する
アンロードレスシステムログ運用をしている場合は,pdcopyコマンドでサーバ内の全RDエリアのバックアップを取得してください。このとき,-zオプションを指定してログポイント情報ファイルを取得してください。
バックアップを取得した後,pdlogchg -zコマンドを実行して,システムログファイルの状態をアンロード済み状態にしてください。
システムログファイルの不足を解消した後は,「システムログファイルの不足を解消した後に実施すること」の対処を行ってください。