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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(Windows(R)用)


26.9.5 スクリプト実行に関連するリソースの作成

HiRDBユニットの開始,停止,稼働監視を行うスクリプトを準備します。CLUSTERPROのグループリソースのうち,スクリプトリソース,及びカスタム監視リソースにスクリプトを登録することで,HiRDBユニットの起動,停止,又は稼働を監視できます。

〈この項の構成〉

(1) HiRDBのスクリプト

次のスクリプトを作成します。「HiRDB/シングルサーバの場合」又は「HiRDB/パラレルサーバの場合」の例を参照してください。

HiRDBユニットの稼働監視を行うスクリプトは現用系,予備系サーバの両方に格納する必要があります。

HiRDB/シングルサーバの場合

●HiRDB(ユニット)起動コマンドのスクリプト(hirdb_start.bat)

@rem #################### start HiRDB #######################################
@net start HiRDBClusterService...................................1
@if "%ERRORLEVEL%"=="0" @goto end
  @call "C:\HiRDB_S\SAMPLE\sampleconf\HiRDBCMD.BAT".......2
  @call %PDDIR%\bin\pdstart
:end
〔説明〕
  1. HiRDBClusterServiceサービスを起動した延長で,pdstartコマンドを実行します。この設定例はHiRDBを標準インストールした場合の例です。HiRDBを識別子付きセットアップでインストールした場合は,対応する識別子付きのサービス名に修正してください。

  2. HiRDBClusterServiceサービスの起動処理に失敗した場合,HiRDBインストールフォルダ配下の環境変数設定用バッチファイルを実行して,環境変数を設定します。HiRDBをインストールしたフォルダのパス名に変更してください。

●HiRDB(ユニット)停止コマンドのスクリプト(hirdb_stop.bat)

@rem #################### stop HiRDB #######################################
@call "C:\HiRDB_S\SAMPLE\sampleconf\HiRDBCMD.BAT"..........1
@call %PDDIR%\bin\pdstop -f -q...................................2
〔説明〕
  1. HiRDBインストールフォルダ配下の環境変数設定用バッチファイルを実行して環境変数を設定します。HiRDBをインストールしたフォルダのパス名に変更してください。

  2. 系が短時間で切り替わるように,終了コマンドには強制終了(pdstop -f -q)を使用してください。

●HiRDBユニットの稼働監視を行うスクリプト(hirdb_pdls.bat)

@rem #################### check HiRDB ######################################
 
@call "C:\HiRDB_S\SAMPLE\sampleconf\HiRDBCMD.BAT"..........1
@call %PDDIR%\bin\pdls -d ust
〔説明〕
  1. HiRDBインストールフォルダ配下の環境変数設定用バッチファイルを実行して環境変数を設定します。HiRDBをインストールしたフォルダのパス名に変更してください。

HiRDB/パラレルサーバの場合

注意事項

HiRDB/パラレルサーバでスクリプトリソースを開始してHiRDBユニットを起動する場合,HiRDBユニットが起動完了する前にスクリプトリソースが開始状態となります。HiRDBユニットのグループリソースが系切り替えする場合も同様です。HiRDBユニットの起動が完了したかどうか,又は系切り替えが完了したかどうかはイベントログのKFPS05110-Iメッセージを確認してください。KFPS05110-Iメッセージが出力されていれば,ユニットの起動,又は系切り替えは完了しています。

また,イベントログにエラーメッセージが出力され,ユニットの起動が失敗している場合は,起動失敗の要因を取り除いた後,HiRDBシステム,又はHiRDBユニットが開始中の場合はHiRDBを強制終了(pdstop -f,又はpdstop -zコマンドで終了)してください。その後,CLUSTERPROのコマンド操作,又はCluster WebUIによるGUI操作で,スクリプトリソースを停止して再度起動してください。

●HiRDB(ユニット)起動コマンドのスクリプト(hirdb_start.bat)

@rem #################### start HiRDB #######################################
@net start HiRDBClusterService...................................1
@if "%ERRORLEVEL%"=="0" @goto end
  @call "C:\HiRDB_P\SAMPLE\sampleconf\HiRDBCMD.BAT".......2
  @call %PDDIR%\bin\pdstart -q
:end
〔説明〕
  1. HiRDBClusterServiceサービスを起動した延長で,pdstart -qコマンドを実行します。この設定例はHiRDBを標準インストールした場合の例です。HiRDBを識別子付きセットアップでインストールした場合は,対応する識別子付きのサービス名に修正してください。

  2. HiRDBClusterServiceサービスの起動処理に失敗した場合,HiRDBインストールフォルダ配下の環境変数設定用バッチファイルを実行して,環境変数を設定します。HiRDBをインストールしたフォルダのパス名に変更してください。

●HiRDB(ユニット)停止コマンドのスクリプト(hirdb_stop.bat)

@rem #################### stop HiRDB #######################################
@call "C:\HiRDB_P\SAMPLE\sampleconf\HiRDBCMD.BAT"..........1
@call %PDDIR%\bin\pdstop -z -q...................................2
〔説明〕
  1. HiRDBインストールフォルダ配下の環境変数設定用バッチファイルを実行して環境変数を設定します。HiRDBをインストールしたフォルダのパス名に変更してください。

  2. 系が短時間で切り替わるように,終了コマンドには強制終了(pdstop -z -q)を使用してください。

●HiRDBユニットの稼働監視を行うスクリプト(hirdb_pdls.bat)

@rem #################### check HiRDB ######################################
@call "C:\HiRDB_P\SAMPLE\sampleconf\HiRDBCMD.BAT"..........1
@call %PDDIR%\bin\pdls -d ust
〔説明〕
  1. HiRDBインストールフォルダ配下の環境変数設定用バッチファイルを実行して環境変数を設定します。HiRDBをインストールしたフォルダのパス名に変更してください。

(2) スクリプトリソースの作成

CLUSTERPROのグループリソースのうち,スクリプトリソースを作成してください。

HiRDBに関係する設定項目を次の表に示します。

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「スクリプトリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」にチェックを入れます。

復旧動作

活性リトライしきい値

0を指定します。

フェイルオーバしきい値

0を指定します。

詳細

Start Script

Start Scriptを選択の上,[置換]を選択します。

アップロードするファイルの選択画面が表示されるので,HiRDBの開始スクリプトのファイルを選択します。

Stop Script

Stop Scriptを選択の上、[置換]を選択します。

アップロードするファイルの選択画面が表示されるので,HiRDBの停止スクリプトのファイルを選択します。

調整

開始

同期を選択します

タイムアウト

pd_system_complete_wait_timeオペランド以上の値を指定してください。

正常な戻り値

0を指定してください。

待機系サーバで実行する

チェックを入れません。

終了

同期を選択します。

タイムアウト

変更不要です。

待機系サーバで実行する

チェックを入れません。

実行ユーザ

指定不要です。

注意事項

HiRDBの開始処理でpd_system_complete_wait_timeオペランド値の時間が経過してもHiRDBが起動しない場合,イベントログにKFPS05078-Iメッセ—ジを出力してスクリプトリソースがエラー終了します。HiRDBとしては開始処理を続行するため,HiRDBシステム又はHiRDBユニットを強制終了(pdstop -fコマンド,又はpdstop -zコマンドで終了)してください。その後,スクリプトリソースも停止してください。スクリプトリソース再起動時に同様の理由でエラーにならないよう次の値を変更してスクリプトリソースを開始してください。

  • pd_system_complete_wait_timeオペランド値

  • スクリプトリソース 開始のタイムアウト値

(3) カスタム監視リソースの作成

スクリプトリソースを作成した後,HiRDBユニットの稼働を監視する場合は,CLUSTERPROのモニタリソースのうち,カスタム監視リソースを作成してください。カスタム監視リソース作成時にHiRDBユニットの稼働を監視するスクリプトを登録することで,HiRDBユニットが異常終了した場合,HiRDBユニットの異常を検知して,グループの再起動,又はフェイルオーバを実施できます。

なお,カスタム監視リソースを作成して,グループの再起動,又はフェイルオーバを実施する場合は,pd_mode_confにMANUAL2を指定してください。

カスタム監視リソースについて,HiRDBに関係する設定項目を次の表に示します。

表26‒28 カスタム監視リソースに指定する項目の値

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「カスタム監視」を選択します。

監視(共通)

タイムアウト発生時にリトライしない

チェックを入れません。

リトライ回数

1以上の任意の値を指定します。

監視タイミング

活性時を選択します。

対象リソース

[参照]ボタンを選択して,HiRDB(ユニット)を起動するスクリプトリソースを選択します。

監視(固有)

ユーザアプリケーションを選択します。

ファイル

HiRDBの稼働監視スクリプトのファイルパス名を指定します。

監視タイプ

同期を選択します。

正常な戻り値

「0,4」を指定します。

クラスタ停止時に活性時監視を待ち合わせる

チェックを入れます。

回復動作

回復対象

[参照]ボタンを選択して,HiRDB(ユニット)の起動,停止を行うフェイルオーバグループを指定します。