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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(Windows(R)用)


26.2.2 HiRDB/パラレルサーバのシステム構成例(スタンバイ型系切り替え)

HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット単位で系を切り替えます。HiRDB/パラレルサーバのシステム構成例を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 1:1系切り替え構成の例

実行系ユニットと待機系ユニットが1:1で対応しているシステム構成を1:1系切り替え構成といいます。系が切り替わってもレスポンスタイムを保証したい場合にこの構成を適用します。ただし,待機系のサーバマシンのリソースは使用できません(どちらか片方のサーバマシンのリソースが使用できません)。HiRDB/パラレルサーバに対する1:1系切り替え構成の例を次の図に示します。

図26‒19 HiRDB/パラレルサーバに対する1:1系切り替え構成の例

[図データ]

注※ サーバモードで系切り替え機能を運用する場合に必要な製品です。

(2) 相互系切り替え構成の例

一つのサーバマシン内に実行系と待機系(ほかのユニットの待機系)を持つ構成を相互系切り替え構成といいます。HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット単位で系を切り替えるため,HiRDB/シングルサーバと異なり,一つのHiRDB/パラレルサーバに対して相互系切り替え構成を適用できます。HiRDB/パラレルサーバに相互系切り替え構成を適用すると,一つのサーバマシン内に実行系ユニットと待機系ユニット(ほかのユニットの待機系ユニット)を配置できます。サーバマシンのリソースを有効に利用したい場合にこの構成を適用してください。ただし,系が切り替わると,レスポンスタイムが低下します。

HiRDB/パラレルサーバに対する相互系切り替え構成の例を次の図に示します。

図26‒20 HiRDB/パラレルサーバに対する相互系切り替え構成の例

[図データ]

注※ サーバモードで系切り替え機能を運用する場合に必要な製品です。

相互系切り替え構成のHiRDBシステム定義の定義例については,マニュアル「HiRDB システム定義」を参照してください。

ポイント

相互系切り替え構成(又は2:1系切り替え構成)をすると,一つのサーバマシン内で二つのユニットが稼働することがあります。このため,次に示す点に留意してください。

  • HiRDB運用ディレクトリ名

  • ポート番号

これらを同じサーバマシン内では,ユニットごとに異なる名称及び異なる番号にしてください。

また,IPアドレスを引き継がない場合は,更に次に示す点に留意してください。

  • ホスト名及びIPアドレス

    同じサーバマシン内ではホスト名及びIPアドレスをユニットごとに異なるものにしてください。

ホスト名の正しい設定例を次の図に,間違った設定例を図「ホスト名の設定例(間違った例)」に示します。

図26‒21 ホスト名の設定例(正しい例)

[図データ]

このときのpdunitオペランドの指定例(正しい例)を次に示します。

pdunit -x hostA -u UNT1  ...  -c hostAA
pdunit -x hostB -u UNT2  ...  -c hostBB

さらに,hostA,hostAA,hostB,hostBBのすべてで異なるIPアドレスに対するホスト名を設定する必要があります。

図26‒22 ホスト名の設定例(間違った例)

[図データ]

このときのpdunitオペランドの指定例(間違った例)を次に示します。

pdunit -x hostA -u UNT1  ...  -c hostB
pdunit -x hostB -u UNT2  ...  -c hostA
〔説明〕

相互系切り替え構成でIPアドレスを引き継がない場合は,pdunitオペランドの-x及び-cオプションに指定するホスト名はすべて異なる必要があります(同じホスト名を指定できません)。

(3) マルチスタンバイ構成の例

一つの実行系ユニットに複数の待機系ユニットを持つシステム構成を,マルチスタンバイ構成といいます。実行系の障害が回復するまでの間に発生する,待機系の障害(多点障害)に備えたい場合にこの構成を適用します。待機系には優先度を付け,実行系に障害が発生したときは,一番優先度の高い待機系に切り替えます。なお,マルチスタンバイ構成は,IPアドレスを引き継ぐシステム構成の場合だけ適用できます。HiRDB/パラレルサーバに対するマルチスタンバイ構成の例を次の図に示します。

図26‒23 HiRDB/パラレルサーバに対するマルチスタンバイ構成の例

[図データ]