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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


15.8.5 例題(HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張する方式)

自動増分機能を適用したユーザ用RDエリア(RDAREA1)を追加します。

〈手順〉
  1. HiRDBシステム定義を変更します。

  2. pdfmkfsコマンドでRDエリア用のHiRDBファイルシステム領域を作成します。

  3. pdmodコマンドの制御文ファイルを作成します。

  4. pdmodコマンドでRDエリアを追加します。

  5. pdlogswap -d sys -wコマンドで,システムログファイルをスワップします。

  6. pdcopyコマンドでバックアップを取得します。

  7. pdbufmodコマンドでグローバルバッファを割り当てます。

  8. pdbufferオペランドを修正します。

手順の数字はこの後で説明している( )レベルに対応しています。例えば,3の操作は(3)で説明しています。

〈この項の構成〉

(1) HiRDBシステム定義を変更します

pd_rdarea_extension_timingオペランドの指定値を変更します。この例では,自動増分の契機にuseを指定します。また,自動増分時に自動拡張する領域を初期化するため,pd_rdarea_expand_formatオペランドを指定します。

                         :
set pd_rdarea_extension_timing=use
set pd_rdarea_expand_format=Y
                         :

HiRDBシステム定義の変更方法については,「HiRDBシステム定義を変更する方法」又は「HiRDBの稼働中にHiRDBシステム定義を変更する方法(システム構成変更コマンド)」を参照してください。

(2) pdfmkfsコマンドでRDエリア用のHiRDBファイルシステム領域を作成します

pdfmkfs -n 100 -k DB -a -i /rdarea/area01
〔説明〕

-aオプションを指定して,100メガバイトのRDエリア用HiRDBファイルシステム領域(/rdarea/area01)を作成します。-iオプションを指定して,HiRDBファイルシステム領域を初期化します。

(3) pdmodコマンドの制御文ファイルを作成します

pdmodコマンドのcreate rdarea文を記述した制御文ファイル(/pdmod/create01)を作成します。制御文ファイルの内容を次に示します。

create rdarea RDAREA1
   for user used by PUBLIC
   server name bes1
   page 4096 characters
   storage control segment 10 pages
   extension use 500 segments
   file name "/rdarea/area01/file01"
      initial 1000 segments;
〔説明〕

RDエリアの自動増分を適用するために,extensionオペランドに増分セグメント数を指定します。

この例では,RDエリア(RDAREA1)に割り当てられる最終HiRDBファイル(/rdarea/area01/file01)は,自動増分契機になると,500セグメントずつ自動的に増分します。

(4) pdmodコマンドでRDエリアを追加します

pdmod -a /pdmod/create01
〔説明〕

(3)で作成したpdmodコマンドの制御文ファイル名を指定して,実行します。

(5) pdlogswap -d sys -wコマンドで,システムログファイルをスワップします

pdlogswap -d sys -w

(6) pdcopyコマンドでバックアップを取得します

pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r -a -b /pdcopy/backup01 -p /pdcopy/list01
〔説明〕

pdmodコマンドはログを無効化するため,実行後は必ずバックアップを取得します。ここでバックアップを取得していない場合,RDエリアをpdmodコマンド実行前の状態にしか回復できません。バックアップの取得については,「バックアップの取得方法」を参照してください。

(7) 追加したRDエリアにグローバルバッファを割り当てます

pdbufmod -k add -a gbuf01 -r RDAREA1 -n 1000
〔説明〕

新規のグローバルバッファ(gbuf01)を追加してRDAREA1に割り当てます。

この例では,pdbufmodコマンドでグローバルバッファを追加して割り当てています。

なお,pdbufmodコマンドを実行する場合は,次に示す条件をすべて満たす必要があります。

(8) pdbufferオペランドを修正します

割り当てたグローバルバッファは,HiRDBを正常終了又は計画停止したときに無効になります。そのため,HiRDBを終了したときにpdbufferオペランドの指定値を変更してください。pdbufferオペランドの指定例を次に示します。

                         :
pdbuffer -a gbuf01 -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3 -n 1000
                         :
〔説明〕

グローバルバッファ(gbuf01)に,追加したRDエリア(RDAREA1)を割り当てます。

なお,システム構成変更コマンド(pdchgconfコマンド)を使用すると,HiRDBの稼働中にpdbufferオペランドの指定を変更できます。ただし,システム構成変更コマンドを実行する場合はHiRDB Advanced High Availabilityが必要になります。システム構成変更コマンドでHiRDBシステム定義を変更する方法については,「HiRDBの稼働中にHiRDBシステム定義を変更する方法(システム構成変更コマンド)」を参照してください。

コマンドの実行後,実行結果が正しいかどうか確認することをお勧めします。コマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。