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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


15.2.2 例題

ユーザ用RDエリア(RDAREA1)を追加します。

〈手順〉
  1. pdfmkfsコマンドでRDエリア用のHiRDBファイルシステム領域を作成します。ただし,既存のHiRDBファイルシステム領域にRDエリアを追加する場合は,この操作は必要ありません。

  2. pdmodコマンドの制御文ファイルを作成します。

  3. pdmodコマンドでRDエリアを追加します。

  4. pdlogswap -d sys -wコマンドで,システムログファイルをスワップします。

  5. pdcopyコマンドでバックアップを取得します。

  6. pdbufmodコマンドでグローバルバッファを割り当てます。

  7. pdbufferオペランドを修正します。

手順の数字はこの後で説明している( )レベルに対応しています。例えば,3の操作は(3)で説明しています。

〈この項の構成〉

(1) pdfmkfsコマンドでRDエリア用のHiRDBファイルシステム領域を作成します

pdfmkfs -n 100 -l 10 -k DB -i /rdarea/area01
〔説明〕

RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域(/rdarea/area01)を作成します。

-n:HiRDBファイルシステム領域の大きさをメガバイト単位で指定します。

-l:HiRDBファイルシステム領域に作成するHiRDBファイル数の最大値を指定します。

-k:RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域を作成するため,DBを指定します。

-i:HiRDBファイルシステム領域を初期化することを指定します。

/rdarea/area01:作成するHiRDBファイルシステム領域の名称を指定します。

(2) pdmodコマンドの制御文ファイルを作成します

pdmodコマンドのcreate rdarea文を記述した制御文ファイル(/pdmod/create01)を作成します。制御文ファイルの内容を次に示します。

create rdarea RDAREA1                              1
   globalbuffer gbuf01                             2
   for user used by PUBLIC                         3
   server name bes1                                4
   page 4096 characters                            5
   storage control segment 10 pages                6
   file name "/rdarea/area01/file01"               7
      initial 1000 segments;                       8
〔説明〕
  1. 追加するRDエリア(RDAREA1)を指定します。

  2. RDAREA1に割り当てるグローバルバッファ(gbuf01)を指定します。次回のHiRDB開始以降,ここで指定したグローバルバッファに割り当てられないため,pdbufferオペランドの指定値を変更する必要があります。なお,(6)でグローバルバッファを割り当てる場合はこのオペランドを指定する必要はありません。

  3. RDAREA1を公用RDエリアにします。

  4. このオプションはHiRDB/パラレルサーバのときだけ指定してください。ここにはRDエリアを追加するサーバの名称を指定します。

  5. ページ長を指定します。

  6. セグメントサイズを指定します。

  7. RDエリアを構成するHiRDBファイルを指定します。

    /rdarea/rdarea01は,(1)で作成したHiRDBファイルシステム領域です。

  8. HiRDBファイルのセグメント数を指定します。

(3) pdmodコマンドでRDエリアを追加します

pdmod -a /pdmod/create01
〔説明〕

-a:(2)で作成したpdmodコマンドの制御文ファイル名を指定します。

(4) pdlogswap -d sys -wコマンドで,システムログファイルをスワップします

pdlogswap -d sys -w

(5) pdcopyコマンドでバックアップを取得します

pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r -a -b /pdcopy/backup01 -p /pdcopy/list01
〔説明〕

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

-M:バックアップ取得モードを指定します。

-a:このオプションを指定すると,全RDエリアのバックアップを取得します。RDエリアを追加すると,マスタディレクトリ用RDエリア及びデータディクショナリ用RDエリアの内容が更新されます。そのため,ここでは全RDエリアのバックアップを取得しています。

-b:バックアップファイル名を指定します。

-p:pdcopyコマンドの処理結果リストの出力先を指定します。

バックアップの取得については,「バックアップの取得方法」を参照してください。

(6) pdbufmodコマンドでグローバルバッファを割り当てます

新規のグローバルバッファ(gbuf01)を追加してRDAREA1に割り当てます。

pdbufmod -k add -a gbuf01 -r RDAREA1 -n 1000
〔説明〕

-k add:グローバルバッファを追加する場合に指定します。

-a:追加するグローバルバッファの名称を指定します。

-r:割り当てるRDエリアを指定します。

-n:グローバルバッファのバッファ面数を指定します。

なお,pdbufmodコマンドを実行する場合は,次に示す条件をすべて満たす必要があります。

(7) pdbufferオペランドを修正します

割り当てたグローバルバッファはHiRDBを正常終了又は計画停止したときに無効になります。そのため,HiRDBを終了したときにpdbufferオペランドの指定を変更してください。pdbufferオペランドの指定例を次に示します。

                         :
pdbuffer -a gbuf01 -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3 -n 1000
                         :
〔説明〕

グローバルバッファ(gbuf01)に,追加したRDエリア(RDAREA1)を割り当てます。

なお,システム構成変更コマンド(pdchgconfコマンド)を使用すると,HiRDBの稼働中にpdbufferオペランドの指定を変更できます。ただし,システム構成変更コマンドを実行する場合はHiRDB Advanced High Availabilityが必要になります。システム構成変更コマンドでHiRDBシステム定義を変更する方法については,「HiRDBの稼働中にHiRDBシステム定義を変更する方法(システム構成変更コマンド)」を参照してください。

コマンドの実行後,実行結果が正しいかどうか確認することをお勧めします。コマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。