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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


12.1.3 表定義情報と表データを別々に移行する方法

まず,pddefrev(定義系SQLの生成)を使用して定義系SQLを生成します。移行先でデータベース定義ユティリティ(pddef)を使用して,生成した定義系SQLによって表・インデクスを定義します。pddefrev(定義系SQLの生成)を使用した表定義情報の移行を次の図に示します。

図12‒4 pddefrev(定義系SQLの生成)を使用した表定義情報の移行

[図データ]

次に,データベース再編成ユティリティ及びデータベース作成ユティリティで,現在使用している表データをほかのHiRDBシステムに移行します。データベース再編成ユティリティ及びデータベース作成ユティリティを使用した表データの移行を次の図に示します。

図12‒5 データベース再編成ユティリティ及びデータベース作成ユティリティを使用した表データの移行

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) 移行する情報

(2) 移行手順

表定義情報と表データを別々にほかのHiRDBシステムに移行する手順の概略を次の図に示します。

図12‒6 表定義情報と表データを別々にほかのHiRDBシステムに移行する手順

[図データ]

(3) エンディアンが異なるシステムに表データを移行する場合

移行先システムでデータロードするときにエンディアン変換を行います。

ビッグエンディアンのシステムからリトルエンディアンのシステムに,バイナリデータを含む表を移行した場合の例を次の図に示します。

図12‒7 エンディアンが異なるシステム間の表データの移行

[図データ]

注意事項

移行対象の表データに含まれるバイナリデータ(LOB型,BLOB型又はBINARY型)の有無に応じて,移行元のデータを抽出するpdrorgコマンド,及び移行先でデータをロードするpdloadコマンドのオプションを次のように指定してください。

表データのバイナリデータの有無

pdrorgコマンドのオプション指定

pdloadコマンド

オプション指定

制御文ファイルでの指定

なし

-k unld -W dat

あり

-k unld -W bin

-W -b

option文のsrcendianオペランドに,移行元システムのエンディアン形式を指定します。

big:ビッグエンディアン

little:リトルエンディアン

(凡例)

−:指定する必要はありません。

コマンドの実行例については,「例題4(エンディアンが異なるシステムに,バイナリデータを含む表を移行する場合)」を参照してください。pdrorgコマンド及びpdloadコマンドについては,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。

(a) 移行元の表データにBLOB型のデータが含まれる場合

移行元のデータを抽出するpdrorgコマンド,及び移行先でデータをロードするpdloadコマンドのオプションを,移行元のHiRDBのバージョンに応じて次のように指定してください。

HiRDBのバージョン

BLOB列の有無

pdrorgコマンド

pdloadコマンドのオプション指定

オプション指定

アンロードファイルの種類

02-00〜02-04

-k unld

-U

03-00〜04-02

なし

-k unld -W bin

-W -b

あり

×

×

×

04-03〜05-04

なし

-k unld -W bin

-W -b

あり

-k unld -j

-U

05-05以降

なし

-k unld -W bin

-W -b

あり

-k unld -W bin -j

-W -b

(凡例)

−:該当しません。

×:移行できません。

●:pdrorg用アンロードファイルが作成されます。

○:pdload用アンロードファイルが作成されます。

(b) 移行元の表データに抽象データ型が含まれる場合

移行元のデータを抽出するpdrorgコマンドのオプションを,移行元のHiRDBのバージョンに応じて次のように指定してください。

移行先でデータをロードするときは,移行元で作成されたアンロードファイルの種類に応じて,pdrorg又はpdloadコマンドを使用してください。

HiRDBのバージョン

抽象データ型の種別

pdrorgコマンド

オプション指定

アンロードファイルの種類

05-00〜05-03

BLOB属性

×

×

BLOB属性以外

×

×

05-04

BLOB属性

×

×

BLOB属性以外

-k unld

05-05〜05-06

BLOB属性

-k unld -j

BLOB属性以外

-k unld

06-00以降

BLOB属性

-k unld -W bin -j

BLOB属性以外

-k unld -W bin

(凡例)

×:移行できません。

●:pdrorg用アンロードファイルが作成されます。

  移行先ではpdrorgコマンドでデータをロードしてください。

○:pdload用アンロードファイルが作成されます。

  移行先ではpdloadコマンドでデータをロードしてください。

(c) 移行元の表データに繰返し列又はBINARY列が含まれる場合

移行元のデータを抽出するpdrorgコマンド,及び移行先でデータをロードするpdloadコマンドのオプションを,次のように指定してください。

pdrorgコマンド

pdloadコマンドのオプション指定

オプション指定

アンロードファイルの種類

-k unld -W bin

-W -b

(凡例)

○:pdload用アンロードファイルが作成されます。

繰返し列はバージョン05-03以降,BINARY列はバージョン07-00以降のHiRDBで使用できるデータ型です。

(4) 固定長文字データの定義長を拡張して表データを移行する場合

移行先システムの表定義(データ型又は列の定義長)が,移行元システムと異なっていても,移行先システムでデータロードできます。

固定長文字データの列の定義長を拡張して,移行先システムに表を移行する場合の例を次の図に示します。

図12‒8 固定長文字データの列の定義長を拡張する表データの移行

[図データ]