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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム導入・設計ガイド(UNIX(R)用)


21.1.2 マルチコネクションアドレス機能を使用したHiRDBサーバへの接続方法

ネットワークの構成によってはpdunitオペランドで指定したホスト名を指定しても,HiRDBサーバと接続できないことがあります。例えば,HiRDBクライアントとHiRDBサーバ間で使用しているネットワークと,HiRDBサーバのサーバマシン間で使用しているネットワークが異なる場合がこれに該当します。

このような場合,マルチコネクションアドレス機能を使用します。この機能を使用すると,PDHOST又はPDFESHOSTオペランドに,pdunitオペランドと同じホスト名を指定しなくても,HiRDBサーバと接続できるようになります。

〈この項の構成〉

(1) マルチコネクションアドレス機能の使用方法

マルチコネクションアドレス機能を使用するには,システム共通定義のpdstartオペランドで-mオプションを指定します。

系切り替え構成を適用する際は,HiRDBサーバ間で使用するネットワークのIPアドレスを引き継がない場合でも,HiRDBクライアントとHiRDBサーバ間で使用するネットワークのIPアドレス(クライアントの接続先となるIPアドレス)は引き継ぐ構成としてください。その場合の定義例については,「HiRDB/パラレルサーバの場合(IPアドレスを引き継ぐ系切り替えをする場合)」を参照してください。

-m及び-nオプションには,HiRDBクライアントがネットワークを経由して接続できるHiRDBサーバのホスト名を指定します。pdunitオペランドに指定したホスト名と同じ必要はありません。

(2) マルチコネクションアドレス機能を使用したネットワーク構成例と定義例

(a) HiRDB/シングルサーバの場合

マルチコネクションアドレス機能を使用したネットワーク構成例と定義例(HiRDB/シングルサーバの場合)を次の図に示します。

図21‒2 ネットワーク構成例と定義例(HiRDB/シングルサーバの場合)

[図データ]

〔説明〕
  • pdunitオペランドの-xオプションには,HiRDBサーバ間で使用するネットワークのホスト名(HS01)を指定します。

  • pdstartオペランドの-mオプションには,HiRDBクライアントとHiRDB/シングルサーバ間で使用するネットワークのホスト名(he01)を指定します。

  • クライアント環境定義のPDHOSTオペランドには,HiRDBクライアントとHiRDB/シングルサーバ間で使用するネットワークのホスト名(he01)を指定します。

(b) HiRDB/パラレルサーバの場合

マルチコネクションアドレス機能を使用したネットワーク構成例と定義例(HiRDB/パラレルサーバの場合)を次の図に示します。

図21‒3 ネットワーク構成例と定義例(HiRDB/パラレルサーバの場合)

[図データ]

〔説明〕
  • pdunitオペランドの-xオプションには,HiRDBサーバ間で使用するネットワークのホスト名(HS01,HS02)を指定します。

  • pdstartオペランド(フロントエンドサーバを定義するpdstartオペランド)の-mオプションには,HiRDBクライアントとHiRDBサーバ間で使用するネットワークのホスト名(he03)を指定します。

  • クライアント環境定義のPDHOSTオペランドには,HiRDBクライアントとHiRDBサーバ間で使用するネットワークのホスト名(システムマネジャがあるホスト名:he01)を指定します。

(c) HiRDB/パラレルサーバの場合(IPアドレスを引き継ぐ系切り替えをする場合)

マルチコネクションアドレス機能を使用したネットワーク構成と定義例(IPアドレスを引き継ぐ系切り替えをする場合)を次の図に示します。

図21‒4 ネットワーク構成例と定義例(IPアドレスを引き継ぐ系切り替えをする場合)

[図データ]

〔説明〕
  • pdunitオペランドの-xオプションには,HiRDBサーバ間で使用するネットワークのホスト名(HS01,HS03)を指定します。

  • pdstartオペランド(フロントエンドサーバを定義するpdstartオペランド)の-mオプションには,HiRDBクライアントとHiRDBサーバ間で使用するネットワークのIPアドレスに対応するホスト名(he04)を指定します。-nオプションは省略します。

  • クライアント環境定義のPDHOSTオペランドには,HiRDBクライアントとHiRDBサーバ間で使用するネットワークのホスト名(システムマネジャがあるホスト名:he01)を指定します。

(d) HiRDB/パラレルサーバの場合(IPアドレスを引き継がない系切り替えをする場合)

マルチコネクションアドレス機能を使用したネットワーク構成例と定義例(IPアドレスを引き継がない系切り替えをする場合)を次の図に示します。

図21‒5 ネットワーク構成例と定義例(IPアドレスを引き継がない系切り替えをする場合)

[図データ]

〔説明〕
  • pdunitオペランドの-xオプションには,HiRDBサーバ間で使用するネットワークのホスト名(HS01,HS03)を指定します。-cオプションには,予備系のホスト名(HS02)を指定します。

  • pdstartオペランド(フロントエンドサーバを定義するpdstartオペランド)の-mオプションには,HiRDBクライアントとHiRDBサーバ間で使用するネットワークのホスト名(he04)を指定します。-nオプションには,予備系のホスト名(he03)を指定します。

  • クライアント環境定義のPDHOSTオペランドには,HiRDBクライアントとHiRDBサーバ間で使用するネットワークのホスト名(システムマネジャがあるホスト名:he01)を指定します。また,予備系のホスト名(he03)も指定します。