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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム導入・設計ガイド(UNIX(R)用)


4.1.1 環境設定手順

実行者 HiRDB管理者

ここでは,コマンドを使用したプラグインの環境設定方法について説明します。ここでの説明は,HiRDBの環境設定が終了している(HiRDBが既に稼働している)ことを前提として説明します。

プラグインの環境設定手順を次に示します。

〈手順〉
  1. プラグインを組み込むのに必要なリソースの見積もり

  2. 稼働中のHiRDBの終了

  3. プラグインのインストール

  4. プラグインのセットアップ

  5. HiRDBの開始

  6. データディクショナリLOB用RDエリア,ユーザ用RDエリア及びユーザLOB用RDエリアの追加※1

  7. プラグインの登録

  8. レジストリ機能の初期設定※2

  9. HiRDBの終了

  10. pdpluginオペランドの追加

  11. HiRDBの開始

  12. レジストリ情報の登録

注※1

データディクショナリLOB用RDエリアは,既にストアドファンクション,ストアドプロシジャ又はプラグインを使用している場合は不要です。ユーザ用RDエリア(ユーザLOB用RDエリア)は,新規追加したプラグイン用に表を作成した場合に必要です。

注※2

使用するプラグインによっては不要な場合があります。

〈この項の構成〉

(1) リソースの見積もり

プラグインをHiRDBに組み込む前に次に示すリソースを見積もる必要があります。

プラグインを組み込むときに必要なリソースの見積もり方法については,該当するプラグインのマニュアルを参照してください。

(2) HiRDBの終了

プラグインをセットアップする前に,pdstopコマンドで現在稼働しているHiRDBを終了してください。

(3) プラグインのインストール

プラグインをインストールします。インストール方法については,該当するプラグインのマニュアルを参照してください。

(4) プラグインのセットアップ

pdplgsetコマンドでプラグインをセットアップしてください。

HiRDB/パラレルサーバの場合,各サーバマシンでプラグインのセットアップをしてください。プラグインのセットアップ手順を次に示します。

  1. HiRDBが稼働中でないかどうかをpdlsコマンドで確認してください。稼働中の場合,pdstopコマンドでHiRDBを正常終了させてください。

  2. pdplgsetコマンドを実行します。

pdplgsetコマンドを実行すると,プラグインをインストールしたディレクトリからプラグインライブラリを下記の場所にコピーします。

プラグインのセットアップの流れを次の図に示します。

図4‒1 プラグインのセットアップの流れ

[図データ]

〔説明〕

HiRDB運用ディレクトリ(環境変数PDDIR)下のpluginディレクトリ及びプラグイン名のディレクトリは,pdplgsetコマンドで自動的に作成されます。

(5) HiRDBの開始

pdstartコマンドでHiRDBを開始します。

(6) RDエリアの追加

HiRDBにプラグインを登録する前に,データベース構成変更ユティリティ(pdmod)のcreate rdarea文で必要なRDエリアを追加してください。追加する必要があるRDエリアを次に示します。

RDエリアの追加方法については,「ユーザ用RDエリアの作成」,「ユーザLOB用RDエリアの作成」又は「データディクショナリLOB用RDエリアの作成」を参照してください。

なお,既にデータベース環境を構築している場合には,プラグインインストール後のRDエリアの追加は不要です。

注※1

プラグイン用に別の表を作成し,その表を格納するためのRDエリアを新しく用意したい場合に必要です。

注※2

レジストリ機能初期設定ユティリティ(pdreginit)を実行する場合に,あらかじめHiRDBがストアドプロシジャ機能を使用できるようにしておく必要があるため,このRDエリアが必要です。

(7) プラグインの登録

pdplgrgstコマンドでプラグインをHiRDBに登録してください。pdplgrgstコマンドは,任意のサーバマシンから入力してください。

プラグインの登録の流れを次の図に示します。

図4‒2 プラグインの登録の流れ

[図データ]

(a) pdplgrgstコマンドの入力形式

pdplgrgstコマンドの入力形式を次に示します。

pdplgrgst プラグイン定義ファイル名 PICファイル名

HiRDB Text Search Plug-inの場合の指定例
  • データ型プラグインの場合:

    pdplgrgst _phsgml.adt _phsgml.pic

    (カレントディレクトリが/TSPlugin/_phsgml/etcの場合)

  • インデクス型プラグインの場合:

    pdplgrgst _phngram.idx _phngram.pic

    (カレントディレクトリが/TSPlugin/_phngram/etcの場合)

注意事項
  • インデクス型プラグインを登録する場合,あらかじめ対応するデータ型プラグインが登録されていなければなりません。

  • データ型プラグインとインデクス型プラグインは,必ず同じスキーマ内に登録してください。

(b) プラグインの所有者

プラグインの所有者(プラグインが提供する抽象データ型,インデクス型及び関数の所有者)はMASTERになります。したがって,プラグインが提供する関数を呼び出す処理をSQL文に記述する場合,認可識別子を省略できます。

MASTER以外にする場合

所有者をMASTERではなく,pdplgrgstコマンドの実行者にできます。pdplgrgstコマンドに-uオプションを指定すると,プラグインの所有者はpdplgrgstコマンドの実行者(クライアント環境定義のPDUSERオペランドに指定した認可識別子)になります。ただし,この場合,次に示す注意があります。

注意事項
  1. pdplgrgstコマンド実行者のスキーマが既に定義されている必要があります。

  2. プラグインが抽象データ型及びインデクス型の両方を提供している場合は,必ず同じ所有者にしてください。

  3. プラグインの削除又はバージョンアップは,プラグインの所有者しかできません。また,pdplgrgstコマンドに-uオプションを指定してプラグインを削除又はバージョンアップしてください。

  4. プラグイン所有者のスキーマを削除すると,プラグインも同時に削除されます。この場合,次に示す作業が必要です。

    ・システム共通定義からpdpluginオペランドを削除します。

    ・すべてのサーバマシンでpdplgset -dコマンドを実行してプラグインをアンセットアップします。

  5. 複数のプラグインで,関数名及びパラメタ数が同じである関数を提供している場合,一方のプラグインを登録し,そのプラグインが提供する関数を呼び出す関数をユーザが定義した後,もう一方のプラグインを登録します。このとき,ユーザが定義した関数のパラメタ,又は戻り値のデータ型に抽象データ型を使用し,かつ,その関数をビュー定義に使用している場合は,プラグインの登録時にエラーとなります。この場合,その関数を使用したビュー表を削除した後,再度プラグインの登録を行う必要があります。

(c) HiRDB Version 5.0(HiRDB Object Option付)01-00を使用していた場合

プラグインの所有者は変わりません

HiRDB Version 5.0(HiRDB Object Option付)01-00では,プラグインの所有者はpdplgrgstコマンドの実行者です。HiRDB Version 6 06-00以降にバージョンアップしても,プラグインの所有者は変わりません(MASTERになりません)。

所有者をMASTERにする方法

所有者をMASTERにするには,いったんプラグインを削除して再登録する必要があります。

なお,プラグインを削除するには,プラグインが提供している抽象データ型,インデクス型及び関数を使用している表やビュー表,インデクスを事前に削除する必要があります。その後,pdplgrgstコマンドを実行します。

また,既存のSQL文でプラグインが提供する関数を呼び出している箇所に認可識別子を記述している場合,それを削除するかMASTERに書き換える必要があります。

(8) レジストリ機能の初期設定

プラグインによっては,レジストリ機能が必要な場合があります。その場合,レジストリ機能初期設定ユティリティ(pdreginit)のcreate rdarea文で次に示すRDエリアを作成してください。ただし,既にプラグインでレジストリ機能を使用している場合は不要です。

なお,レジストリ機能初期設定ユティリティ(pdreginit)は,すべてのプラグインを登録するまでの間で一度だけ実行します。

また,レジストリ用RDエリア及びレジストリLOB用RDエリアには,レジストリ情報が格納されます。どちらのRDエリアに格納されるかは,登録されるデータの長さによって自動的に決定されます。

レジストリ用RDエリア,レジストリLOB用RDエリアの作成の手順を次の図に示します。

図4‒3 レジストリ用RDエリア,レジストリLOB用RDエリアの作成の手順

[図データ]

(9) HiRDBの終了

プラグインを使用できる状態にするため,いったんpdstopコマンドでHiRDBを正常終了させます。再度開始するまでは,登録したプラグインを使用した表の定義やインデクスの定義などは実行できません。

HiRDB終了後,更新したRDエリアのバックアップを必ず取得してください。

(10) pdpluginオペランドの追加

HiRDBが正常終了したら,システム共通定義にpdpluginオペランドを指定してください。pdpluginオペランドには,使用するプラグインの名称を指定します。

HiRDB/パラレルサーバの場合,すべてのサーバマシン上のシステム共通定義にpdpluginオペランドを追加してください。追加漏れがあるとHiRDBを開始できません。

(11) HiRDBの開始

pdstartコマンドでHiRDBを開始します。

(12) レジストリ情報の登録

レジストリ機能の初期設定の完了後,プラグインの必要に応じてレジストリ情報を登録します。登録すると,プラグイン及びレジストリ機能を使用できる状態になります。レジストリ情報の登録については,該当するプラグインのマニュアルを参照してください。