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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム導入・設計ガイド(UNIX(R)用)


1.5.3 HiRDBの稼働中に入れ替え

HiRDBの稼働中に入れ替えるには,次の方法があります。

なお,どの方法についても,修正版HiRDBの入れ替え後にpdopsetupコマンドを実行して付加PPを再登録する必要はありません。

〈この項の構成〉

(1) 前提条件

HiRDBの稼働中に入れ替えができるのは,次の条件を満たしている場合です。

(2) 入れ替えの手順

修正版HiRDBへの入れ替え手順を次に示します。

  1. 修正版HiRDBのインストール

    修正版HiRDBを上書きインストールします。HiRDB/パラレルサーバの場合,全ユニットで修正版HiRDBを上書きインストールしてください。インストーラによる入れ替えの場合,インストール方法については「インストール」を参照してください。修正パッチをWeb から入手して適用する場合,適用手順については修正パッチに添付されているRELEASE.TXT又はRELEASE.EUCを参照してください。

  2. 入れ替え用ディレクトリに修正版HiRDBをコピー

    "修正版HiRDBのインストールディレクトリ/bin/pdprgcopy 稼働中のHiRDB運用ディレクトリ"コマンドを実行して,インストールディレクトリに格納されている修正版HiRDBをHiRDB運用ディレクトリ下の入れ替え用ディレクトリ($PDDIR/renew)にコピーしてください。HiRDB/パラレルサーバの場合はシステムマネジャがあるユニットでpdprgcopyコマンドを実行してください。

  3. HiRDBがオンライン状態であるかどうかの確認

    pdlsコマンドで全ユニットが「ACTIVE」と表示されていることを確認してください。

  4. 修正版HiRDBへの入れ替え

    "修正版HiRDBのインストールディレクトリ/bin/pdprgrenew 稼働中のHiRDB運用ディレクトリ"コマンドを実行して,HiRDBの入れ替えをします。このコマンドを実行すると,稼働中のHiRDBをバックアップ用ディレクトリ($PDDIR/renew_bak)に退避した後,稼働中のHiRDBを2.でコピーした入れ替え用ディレクトリの修正版HiRDBと入れ替えます。HiRDB/パラレルサーバの場合はシステムマネジャがあるユニットでpdprgrenewコマンドを実行してください。

(3) 系切り替え機能使用時の入れ替え手順

系切り替え機能を使用している場合,HiRDBの稼働中に入れ替えができるのは次の場合です。

系切り替え機能使用時の修正版HiRDBへの入れ替え手順を次に示します。

(4) 注意事項

(5) 運用上の注意事項

修正版HiRDBへ入れ替えるときの運用上の注意事項を次に示します。

(6) 関連製品の制限及び注意事項

(7) 障害時の運用

(a) エラー発生時の対処

修正版HiRDBへの入れ替え実行中にエラーが発生した場合,pdprgrenewコマンドは自動的に入れ替え前のHiRDBに戻してHiRDBを動作させようとします。エラー発生後に,コマンドがリターンコード12のKFPS04646-Iメッセージを出力して終了した場合,HiRDBを入れ替え前に戻す作業が失敗しています。そのため,標準エラー出力やsyslogfileに出力されたエラーメッセージとKFPS04647-Iメッセージを参照して対処してください。

修正版HiRDBへの入れ替え中にエラーが発生した場合の対処方法を次の図に示します。

図1‒6 修正版HiRDBへの入れ替え中にエラーが発生した場合の対処方法

[図データ]

  1. pdprgrenewコマンドがエラーになった要因を取り除いて,pdprgrenewコマンドを再度実行してください。

  2. HiRDBのサーバプロセスがあれば,pdstop -fコマンドでHiRDBを強制終了してからpdprgrenew -bコマンドを実行してください。HiRDBのサーバプロセスがなければ,pdprgrenew -bコマンドを実行してください。pdprgrenew -bコマンドを実行すると,回復処理として,入れ替え前のHiRDBで再開始しようとします。

    また,HiRDBの終了処理失敗に関するエラーメッセージ及びアボートコードが表示されることがあります。メッセージの対処方法に従って,入れ替え前のHiRDBの稼働環境を確認し,対処してください。

  3. HiRDBのサーバプロセスがあれば,pdstop -fコマンドでHiRDBを強制終了してからpdprgrenew -bコマンドを実行してください。HiRDBのサーバプロセスがなければ,pdprgrenew -bコマンドを実行してください。pdprgrenew -bコマンドを実行すると,回復処理として,修正版HiRDBを入れ替え用ディレクトリに戻します。

    また,HiRDBの開始処理失敗に関するエラーメッセージ及びアボートコードが表示されることがあります。入れ替え後の修正版HiRDBが動作するための環境に問題がある可能性があるので,表示されるメッセージに従って対処してください。

(b) 入れ替え失敗時にHiRDBが入れ替え前の状態に戻っているかどうかの確認

修正版HiRDBへの入れ替えに失敗したとき,入れ替え前のHiRDBに戻っているかどうかは,次の項目をチェックして確認できます。次の項目を満たしていれば,入れ替え前のHiRDBに戻っています。

  • pdadmvr -sコマンドで表示されるバージョンが入れ替え前のHiRDBバージョンと一致する

  • HiRDBがオンライン状態(pdlsコマンドの結果,全ユニットが「ACTIVE」と表示)である

  • バックアップ用ディレクトリ($PDDIR/renew_bak)がない