9.1.2 マルチHiRDBの環境設定
- 〈この項の構成〉
(1) HiRDBサーバの環境変数の設定
マルチHiRDBのサーバで別々に設定したHiRDB管理者は,それぞれが操作する対象のHiRDBを環境変数PDDIRで判別します。HiRDB管理者別に,HiRDB運用ディレクトリを環境変数PDDIRに指定します。
また,環境変数PATHに各HiRDBの$PDDIR/binを設定すると,PATH中で先に指定したHiRDBの運用コマンドしか使用できません。そこで,各HiRDBを操作し分けるには,それぞれのHiRDB用のウィンドウを用意し,それぞれのウィンドウで環境変数を設定して運用することをお勧めします。
HiRDB管理者が設定する環境変数については,「環境変数の設定」を参照してください。
(2) HiRDBシステム定義の設定
HiRDBごとにHiRDBシステム定義を作成してください。HiRDBシステム定義に指定する次に示す情報は,HiRDBごとに変えてください。
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HiRDB識別子(システム共通定義のpd_system_idオペランド)
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HiRDBのポート番号(システム共通定義のpd_name_portオペランド)
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ユニット識別子(ユニット制御情報定義のpd_unit_idオペランド)
(3) クライアント環境定義の設定
クライアントからどのHiRDBにアクセスするかは,クライアント環境定義のPDNAMEPORTオペランドで指定します。アクセスするHiRDBのポート番号をPDNAMEPORTオペランドに指定してください。クライアント環境定義については,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。
(4) ユティリティ専用ユニットの設置
マルチHiRDBにユティリティ専用ユニットを設置する場合,1.又は2.のどちらかのシステム構成が選択できます。
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HiRDBごとにユティリティ専用ユニットを持つシステム構成
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複数のHiRDBでユティリティ専用ユニットを共用するシステム構成
HiRDBごとに別々の業務をする場合は,1. のシステム構成をお勧めします。相互系切り替え構成で系切り替え機能を使用する場合は,2. のシステム構成をお勧めします。
マルチHiRDBでのユティリティ専用ユニットの設置例を次の図に示します。
(5) ライブラリの共用化
マルチHiRDBを構成する各HiRDBで,インストールディレクトリ(/opt/HiRDB_S又は/opt /HiRDB_P)下のライブラリの一部を共用化できます。pdmemsv -sコマンドでライブラリの一部を共用化すると,必要なメモリを削減できます。
ただし,ライブラリの一部を共用化するには,次に示す前提条件があります。
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マルチHiRDBを構成するHiRDBのバージョンが同じであること
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マルチHiRDBを構成するHiRDBが使用する文字コードが同じであること
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マルチHiRDBを構成するHiRDBが使用するロード種別が同じであること(POSIXライブラリ版を使用する場合は全HiRDBで使用すること)
なお,ライブラリを共用化する場合,インストールディレクトリとHiRDB運用ディレクトリを格納するボリュームを別々にしてください。こうすると,インストールディレクトリを格納するハードディスクに障害が発生してHiRDBが稼働できなくなった場合,pdmemsv -dコマンドでライブラリの共用化を解除すれば,HiRDBが稼働できるようになります。ライブラリを共用化する手順を次に示します。
# pdsetup /USERS/DB1 1 # pdsetup -d /USERS/DB1 2 # PDDIR="USERS/DB1" 3 # export PDDIR # $PDDIR/bin/pdmemsv -s 4 # pdsetup /USERS/DB1 5
- 〔説明〕
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スーパユーザがこの作業を実行してください。
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インストールディレクトリ以外のディレクトリに,HiRDBを構築します。
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一度,OSへの登録を解除します。このとき,メッセージKFPS00036-Qに対して,nを返答します。
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環境変数PDDIRを設定します。
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ライブラリを共用化します。
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もう一度,HiRDBをOSに登録します。
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- 注意事項
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HiRDBを再インストールする場合,pdmemsv -dコマンドでライブラリの共用化をいったん解除してください。再インストール後に,再度pdmemsv -sコマンドを実行してライブラリを共用化してください。
また,pdsetup -dコマンドを実行した際にKFPS00036-Qメッセージにyで応答し,OSへの登録を解除した場合,pdmemsvコマンドを前記の手順に従って再実行してください。