XML Extensionで提供している機能を利用して,次のような運用方法でデータを登録できます。
- UAPの更新による運用
INSERT文またはUPDATE文を使用し,UAPでデータを登録する方法です。
- バッチ登録による運用
HiRDBの「pdload(データベース作成ユティリティ)」を使用してデータを登録する方法です。
- プラグインインデクスの遅延一括作成による運用
インデクスを作成しないでUAPでデータを登録します。UAPの終了後,一括してインデクスを作成する方法です。
XML Extensionは,プラグインインデクスの遅延一括作成機能をサポートしています。プラグインインデクスの遅延一括作成については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」を参照してください。
- インデクス作成方法に初期分割登録を指定してインデクスを作成する運用
大量のXMLデータまたは文字列データを表に登録したあと,空のインデクスだけを作成し,インデクス作成開始ユティリティを実行してインデクスへXMLデータまたは文字列データを登録する方法です。インデクス作成開始ユティリティの詳細については,「3.2.8 phjstartidx(インデクス作成開始ユティリティ)」を参照してください。
- インデクス作成方法に分割遅延登録を指定してインデクスを作成する運用
インデクスを作成しないでUAPでデータを登録したあと,一括してインデクスを作成する方法です。
「プラグインインデクスの遅延一括作成による運用」に比べて,次の特長があります。
- ユティリティを使用してインデクスを作成する場合,作成時間または作成件数を指定できるため,柔軟に運用できます。
- 遅延登録するかどうかを,列(インデクス)単位で指定できます。
- 登録・検索同時実行を併用することで,ユティリティによるインデクス作成中に検索が実行できます。
- 登録・検索同時実行による運用
排他制御の単位を小さくすることで,SQLによる登録と検索の同時実行を可能とする運用
登録運用の長所および短所を表6-1に,登録・検索同時実行による運用の長所および短所を表6-2に示します。
表6-1 XML Extensionの登録運用の長所および短所
方式 |
長所 |
短所 |
UAPの更新による運用 |
INSERT文またはUPDATE文による通常の更新運用ができます |
登録済みのデータの増大に伴い,登録時間および登録単位のログ量が増大します |
バッチ登録による運用 |
- 一括してデータ更新ができます
- 1件ずつデータ登録するよりもログ量が削減できます※
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なし |
プラグインインデクスの遅延一括作成による運用 |
- UAPのスループットが通常の更新に比べて向上します
- ログ量はバッチ登録と同等です
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- 登録データの検索がインデクスを作成するまで実行できません
- インデクスは別途作成する必要があります。この間,処理中のXML型およびIXXML型に対する検索およびデータ更新はできません
- UPDATE文を実行した場合,元データは削除されるため,検索対象外となります
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インデクス作成方法に初期分割登録を指定してインデクス作成をする運用 |
- インデクス作成時の処理時間が短くなります
- インデクスへのXMLデータまたは文字列データの登録を時間を区切って実行できます
- ログ量はバッチ登録と同じです
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- インデクス未登録状態のXMLデータまたは文字列データは,検索対象になりません
- インデクス作成開始ユティリティを実行し,インデクスへXMLデータまたは文字列データを登録する必要があります
- インデクス未登録状態のXMLデータまたは文字列データは,インクリメンタルの対象外になります
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分割遅延登録による運用 |
- UAPのスループットが通常の更新と比べて向上します
- ログ容量はバッチ登録と同等です
- インデクス作成時に,時間と件数を指定できます
- 登録・検索同時実行と併用できます
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- 登録データの検索がインデクスを作成するまで実行できません
- UPDATE文を実行した場合,元データは削除されるため検索対象外となります
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- 注※
- 1件ずつ登録する場合,ログ量は通常の更新と同じです。
表6-2 登録・検索同時実行による運用の長所および短所
方式 |
長所 |
短所 |
登録・検索同時実行による運用 |
- SQLによる単数の更新系トランザクションと,複数の検索系トランザクションを同時に実行できます
- インデクス未作成の場合,複数の更新系トランザクションを同時に実行できます
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- ほかのユーザが更新中(トランザクションが終了していない状態)のXMLデータまたは文字列データを検索できます
- XML Extensionのデータの整合性を確保する排他制御のため,オーバヘッドが掛かります。また,排他制御が競合した場合,一時的に待ち時間が発生します
- 共用メモリが必要です
- ロールバックによる回復処理中のRDエリアに対して検索した場合,「回復中であるため,検索できない」というエラーになる場合があります
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登録・検索同時実行を使用しない運用 |
- XML Extensionのデータの整合性確保のための排他制御によるオーバヘッドが掛かりません
- 共用メモリは不要です
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- 更新系トランザクションと,ほかのトランザクションを同時に実行できません
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