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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


15.2.2 オプション

〈この項の構成〉

(1) -r {RDエリア名〔,RDエリア名〕…|ALL}

   〜<識別子>((1〜30))

解析するRDエリアの名称を指定します。

指定できるRDエリアを次に示します。

RDエリアの指定方法については,「運用コマンド,ユティリティでのRDエリアの指定」を参照してください。

ALLを指定すると,上記のすべてのRDエリアが処理対象になります。上記以外のRDエリアの処理はスキップされます。

<規則>
  1. 状態解析結果蓄積機能,及び再編成時期予測機能では,1RDエリアに格納されているすべての表を,1回のトランザクションで解析します。そのため,システム定義のpd_max_access_tablesオペランドの指定値は,解析対象RDエリア内で最も表を多く格納しているRDエリアの,表数以上必要となります。

(2) -k {logi|phys|clus|pred}

DB状態解析機能,状態解析結果蓄積機能,又は再編成時期予測機能のどれを実行するのかを指定します。

logi

RDエリアの状態解析(論理的解析),又は状態解析結果蓄積機能を実行する場合に指定します。

phys

RDエリアの状態解析(物理的解析)を実行する場合に指定します。

clus:

クラスタキー及びクラスタリングデータページの格納状態解析を実行する場合に指定します。

pred:

再編成時期予測機能を実行する場合に指定します。

<-kオプションとほかのオプションとの組み合わせ>

-kオプションの指定値よって,-r,-t,及び-iオプションの指定可否が変わります。

-kオプションの指定

オプションの指定可否

備考

-r

-t

-i

logi

×

×

RDエリア単位の状態解析(論理的解析)

phys

×

×

RDエリア単位の状態解析(物理的解析)

clus

×

×

クラスタキー及びクラスタリングデータページの格納状態解析

省略

×

×

表単位の状態解析

×

×

インデクス単位の状態解析

×

×

RDエリア単位の状態解析(論理的解析)

pred

×

×

再編成時期予測機能

(凡例)

○:必ず指定してください。

△:指定は任意です。

×:指定できません。

(3) -d

ページの詳細情報を表示する場合に指定します。このオプションは,論理的解析(-k logi),表単位の状態解析,及びインデクス単位の状態解析の場合に指定できます。ページの詳細情報は,pdrorg,及びpdreclaimの実行要否の基になる情報です。

(4) -z

ページに格納されている表やインデクスの行の情報を表示する場合に指定します。このオプションで表示した内容を基に,空きページ解放ユティリティ(pdreclaim)を実行して削除状態の管理行を解放するかどうかを判断します。解析対象ごとに表示できる情報を次に示します。

項番

表示情報

RDエリア論理解析

RDエリア物理解析

表単位解析

インデクス解析

クラスタキー解析

1

表情報

削除状態の管理行数

2

インデクス情報

残存エントリが管理する行数

3

インデクスが管理する総行数

(凡例)

○:表示できます。

−:表示できません。

注※

次の行数の合計値を表示します。

  • 削除中(トランザクション決着待ち)の行数

  • 削除済み(トランザクション決着済み)の行数

<規則>

このオプションを指定する場合,同時に-dオプションを指定する必要があります。

(5) -f

HiRDBファイル情報を表示する場合に指定します。このオプションは,物理的解析(-k phys)の場合に指定できます。

(6) -a

解析結果をDAT形式で表示する場合に指定します。

なお,RDエリアの状態解析(物理的解析)でこのオプションを指定した場合,-fオプションの指定有無に関係なく,-fオプション指定が仮定されます。

(7) -h

-aオプション指定時に,ヘッダを付ける場合に指定します。

(8) -u 認可識別子

pddbstを実行するユーザの,認可識別子を指定します。

<規則>
  1. このオプションを省略した場合,クライアント環境定義のPDUSERで定義した認可識別子とパスワードが仮定されます。PDUSERが設定されていない場合,ユティリティを実行するユーザのOS上のユーザIDに対応するユーザ名が仮定されます。

  2. 認可識別子を「\""」と「"\"」で囲んだ場合は,英大文字と英小文字が区別されます。「\""」と「"\"」で囲まない場合は,すべて英大文字として扱われます。

(9) -p パスワード

-uオプションで指定した認可識別子に対応するパスワードを指定します。

<規則>
  1. このオプションの指定を省略し,クライアント環境定義のPDUSERにも値が設定されていない場合,ユティリティの実行画面に入力された値が仮定されます。

  2. パスワードを「\""」と「"\"」で囲んだ場合は,英大文字と英小文字が区別されます。「\""」と「"\"」で囲まない場合は,すべて英大文字として扱われます。

(10) -t 〔認可識別子.表識別子

解析する表の名称を指定します。

<規則>
  1. ビュー表,及び一時表は指定できません。このオプションにビュー表又は一時表を指定して実行すると,pddbstはKFPK10106-Wメッセージを出力して,処理を終了します。

  2. 認可識別子を省略した場合は,-uオプションで指定した認可識別子が仮定されます。

  3. 認可識別子又は表識別子を「\""」と「"\"」で囲んだ場合は,英大文字と英小文字が区別されます。「\""」と「"\"」で囲まない場合は,すべて英大文字として扱われます。

  4. 表識別子に空白が含まれる場合は,「\""」と「"\"」で囲んでください。

(11) -s

表単位の状態解析で,格納行数を表示する場合に指定します。表の総格納行数及びRDエリアごとの格納行数を表示します。

オンライン業務と同時に実行する場合は-bも指定してください。-bを指定しない場合は,pddbstによるデータベースの読み込み及び参照によって,先にアプリケーションなどで読み込んでいたページがグローバルバッファから追い出されるため,オンライン業務の性能が遅くなる場合があります。

(12) -i 〔認可識別子.インデクス識別子

解析するインデクスの名称を指定します。

<規則>
  1. 一時インデクスは指定できません。このオプションに一時インデクスを指定して実行すると,pddbstはKFPK10106-Wメッセージを出力して,処理を終了します。

  2. 認可識別子を省略した場合は,-uオプションで指定した認可識別子が仮定されます。

  3. 認可識別子又はインデクス識別子を「\""」と「"\"」で囲んだ場合は,英大文字と英小文字が区別されます。「\""」と「"\"」で囲まない場合は,すべて英大文字として扱われます。

  4. インデクス識別子に空白が含まれる場合は,「\""」と「"\"」で囲んでください。

(13) -b

pddbst実行によるアプリケーションへのオンライン性能劣化を防ぐ場合に指定します。

-sオプションの指定がない場合は,このオプションが指定されたものとして動作します。

-sオプションと同時に指定すると,解析時間が長くなることがあります。また,ディクショナリ表からデータベースの状態解析対象となる表,インデクスの情報を検索する処理や,再編成時期予測機能での運用管理表の検索処理では,-bオプションの指定は無効となります。

<適用基準>

pddbstを実行すると,解析対象の資源のページをグローバルバッファに読み込んでから処理をします。このとき,グローバルバッファ不足が発生すると,先にアプリケーションなどで読み込んでいたページがグローバルバッファから追い出されるため,オンライン性能が劣化する可能性があります。この性能劣化を回避する場合,-bオプションを指定します。

-bオプションを指定した場合,pddbstだけが読み込んだページは常に最古のページとして扱い,グローバルバッファ不足時には最初に追い出されるページとなります。-bオプションを指定しない場合はLRU管理方式となります。

<利点>

グローバルバッファが不足した場合でも,アプリケーションのオンライン性能への影響がありません。ただし,pddbst実行時に,行数を取得するためのディレクトリページの再読み込みが発生します。

(14) -e 予測レベル

状態解析結果蓄積機能,又は再編成時期予測機能を実行する場合の予測レベルを指定します。

1:

状態解析結果蓄積機能,又は再編成時期予測機能を予測レベル1で実行する場合に指定します。

2:

状態解析結果蓄積機能,又は再編成時期予測機能を予測レベル2で実行する場合に指定します。

<規則>
  1. 状態解析結果蓄積機能と再編成時期予測機能の予測レベルは同じにしてください。

  2. -eオプションを指定した場合,-bオプション指定が仮定されます。

(15) -w 休止時間,セグメント数

予測レベル2の状態解析結果蓄積機能を,インターバル解析で実行する場合に指定します。インターバル解析については,「インターバル解析」を参照してください。指定したセグメント数分の解析をした後,休止時間に指定した時間だけ処理を休止します。

休止時間   〜<符号なし整数>((10〜60000))

休止時間を10ミリ秒単位に指定します。10ミリ秒単位の指定でない場合,1けた目を切り上げます(例:15→20)。

セグメント数   〜<符号なし整数>((1〜2147483647))

解析をするセグメント数を指定します。

<規則>
  1. -wオプションは,予測レベル2(-e 2)の場合に有効となります。そのほかの場合に指定すると,制御文エラーになります。

  2. HiRDB/パラレルサーバの場合,指定値はサーバごとに有効となります。

  3. グローバルバッファに解析対象のページがない場合,休止時間が来るまで(指定したセグメント数×セグメントサイズ)回の入出力が発生します。

(16) -n 解析分割数

   〜<符号なし整数>((2〜10))

予測レベル2の状態解析結果蓄積機能を,マージ解析で実行する場合に指定します。マージ解析については,「マージ解析」を参照してください。

1回の状態解析結果蓄積機能の実行を,指定した解析分割数に分けて行います。ここで指定した解析分割数(n)を分母にして,1/nのデータが1回の解析対象となります。最終的には,n回実行すると,対象となる全データが解析されます。

<規則>
  1. -nオプションは,予測レベル2(-e 2)の場合に有効となります。そのほかの場合に指定すると,制御文エラーになります。

  2. -nオプションを指定する場合,指定した回数分pddbstを実行する必要があります。途中で-nオプションの指定値を変更した場合は,前回までに蓄積した解析情報は無効となり,再度最初から解析を始めます。

  3. 全体の解析が終わる前の状態(例えば,全体の2/3が完了している状態)で,表やインデクスをメンテナンスした場合は,再度最初から解析を始めます(1/3から開始します)。

(17) -I

状態解析結果蓄積情報をリセットする場合に指定します。状態解析結果蓄積情報をリセットについては,「障害発生時にデータベースを最新の状態に回復しない場合の再編成時期予測」を参照してください。

<規則>
  1. -Iオプションを指定する場合,-r オプションにALLは指定できません。

  2. -Iオプションは,データベースを回復した後の1回目の状態解析結果蓄積機能実行時にだけ指定してください。それ以外のタイミングで-Iオプションを指定すると,状態解析結果蓄積情報がリセットされます。

(18) -m

再編成時期予測機能で,DBメンテナンス予定日の情報,及びメンテナンス方法の情報を出力する場合に指定します。省略した場合は,DBメンテナンス予定日の情報だけ出力されます。

(19) -R 監視期間〔,メンテナンス延長期間〕

再編成時期予測機能を実行する場合,対象とする期間とメンテナンスの延長期間を指定します。

監視期間 〜<符号なし整数>((1〜400))《14》

監視対象期間を日数で指定します。

例えば,この先2週間以内に,DBメンテナンス予定日となるRDエリアを監視したい場合,14と指定します。

メンテナンス延長期間 〜<符号なし整数>((0〜400))《監視期間÷2》

DBメンテナンス予定日にメンテナンスをした場合,次のDBメンテナンス予定日を迎えるまでの余裕期間を,日数で指定します。

例えば,DBメンテナンスを実行した後,次のDBメンテナンスまで1週間の余裕を持たせたい場合は,7と指定します。

(20) -c 基準値定義ファイル名

   〜<パス名>((1023バイト以内))

再編成時期予測機能を実行する場合,あらかじめ決められた各項目の基準値を基に予測をしています。この各項目の基準値を変更する場合に,基準値定義ファイルを絶対パス名又は相対パス名で指定します。

基準値定義ファイルには,変更後の各項目の基準値を記述します。基準値定義ファイルについては,「基準値定義ファイル(再編成時期予測機能)」を参照してください。

(21) -X サーバ間通信の応答監視時間

   〜<符号なし整数> ((1〜65535)) 《300》

コマンドを実行したサーバで通信障害などの障害が発生した場合,コマンドは無応答となり,業務が停止するおそれがあります。pddbstでは障害を検知するために,コマンドで実施されるディクショナリ操作についての通信の応答時間を監視できます。

-Xオプションには,ディクショナリ操作での応答監視時間を秒数で設定します。ディクショナリ操作時の実行時間が,-Xオプションに設定した時間を超えた場合は,pddbstはディクショナリアクセスで障害が発生したと判断し,リターンコード8で処理を打ち切ります。

<適用基準>
  • 通信障害やユニットダウンによってサーバから応答が返らない状態となった場合に,300秒より早く障害を検知したいとき,-Xオプションに300より小さい値を指定してください。

  • 系切り替え機能を使用している場合,系切り替えが完了しているにもかかわらず,コマンドが応答を待ち続けることがあります。その場合は,監視時間を短く設定することで,コマンドを即時終了できます。

  • 同時実行するアプリケーションやユティリティの多重度が高い場合など,ディクショナリからの応答が遅延し,-Xオプションのデフォルトである300秒以内にユティリティの前処理が完了しないときは,監視時間でタイムアウトするおそれがあります。このような環境では,-Xオプションには300より大きい値を指定してください。

(22) -v 制御文ファイル名

   〜<パス名>((1023バイト以内))

pddbstの制御文を指定したファイルを,絶対パス名又は相対パス名で指定します。

このファイルは,pddbstを実行するホストになければなりません。指定できる制御文を次に示します。なお,制御文ファイル中にコメントは記述できません。

(23) -W 実行監視時間

   〜<符号なし整数>((0〜3600))

データベース状態解析ユティリティの実行時間を監視する場合に,その監視時間を分単位で指定します。

このオプションに指定する値の目安や動作については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム定義」のシステム共通定義pd_cmd_exec_timeオペランドの説明を参照してください。

なお,このオプションに0を指定した場合は,監視を行いません。

オプションを省略した場合は,システム共通定義のpd_cmd_exec_timeオペランドの指定値に従います。