Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


2.100.1 pdstsinitの形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

HiRDBファイルシステムにステータスファイル(論理ファイル)を構成する物理ファイルを作成し,稼働中のHiRDBで使用できるように初期設定をします。稼働中のHiRDBで使用している(現用又は予備の状態)ステータスファイルの初期設定はできません。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

(a) HiRDB/シングルサーバの場合

ユニット用ステータスファイル
 pdstsinit 〔{-x ホスト名|-u ユニット識別子}〕
 
       -f 物理ファイル名 〔-l レコード長〕 〔-c レコード数〕
サーバ用ステータスファイル
 pdstsinit -s サーバ名
 
      -f 物理ファイル名 〔-l レコード長〕 〔-c レコード数〕

(b) HiRDB/パラレルサーバの場合

ユニット用ステータスファイル
 pdstsinit {-x ホスト名|-u ユニット識別子}
 
       -f 物理ファイル名 〔-l レコード長〕 〔-c レコード数〕 〔-D〕
サーバ用ステータスファイル
 pdstsinit -s サーバ名 〔{-x ホスト名|-u ユニット識別子}〕
 
      -f 物理ファイル名 〔-l レコード長〕 〔-c レコード数〕 〔-D〕

(4) オプション

(a) {-x ホスト名|-u ユニット識別子}

ユニット用ステータスファイルの初期設定をする場合,ユニット用ステータスファイルに対応するホストのホスト名,又はユニットのユニット識別子を指定します。HiRDB/シングルサーバの場合,自ホスト又は自ユニットに固定されているので省略できます。

-x ホスト名 〜<識別子>((1〜32))
  • ユニット用ステータスファイルの場合

    ユニット用ステータスファイルに対応するホストのホスト名を指定します。

  • サーバ用ステータスファイルの場合

    影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合,ファイル作成先となるディスクがあるホストのホスト名を指定します。このホストには,-sオプションで指定したサーバの移動先となる,HAグループにあるユニットがなければなりません。

    -sオプションで指定したサーバ,及びシステムマネジャが稼働中の場合は,このオプションを指定しても無視されます。

    影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用していない場合,このオプションと-sオプションを同時に指定すると,このオプションに指定したホストと-sオプションに指定したサーバの現用系のホストが一致しているか,チェックをします。ホスト名が一致しない場合,エラーとなります。

-u ユニット識別子 〜<識別子>((4文字))
  • ユニット用ステータスファイルの場合

    ユニット用ステータスファイルに対応するユニットのユニット識別子を指定します。

  • サーバ用ステータスファイルの場合

    影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合,ファイル作成先となるディスクがあるホストのユニット識別子を指定します。このユニットは,-sオプションで指定したサーバの移動先となる,HAグループにあるユニットでなければなりません。

    -sオプションで指定したサーバ,及びシステムマネジャが稼働中の場合は,このオプションを指定しても無視されます。

    影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用していない場合,このオプションと-sオプションを同時に指定すると,このオプションに指定したユニットの現用系のホストと,-sオプションに指定したサーバの現用系のホストが一致しているか,チェックをします。ホスト名が一致しない場合,エラーとなります。

(b) -s サーバ名 〜<識別子>((1〜8))

サーバ用ステータスファイルの初期設定をする場合,サーバ用ステータスファイルに対応するサーバの名称を指定します。

(c) -f 物理ファイル名 〜<パス名>((167文字以内))

初期設定をする物理ファイルの名称を絶対パス名で指定します。物理ファイル名は,HiRDBファイルシステム領域名¥HiRDBファイル名で指定してください。また,HiRDBファイル名にplで始まる名称は指定できません。既に初期設定している物理ファイル名を指定した場合は,再度初期設定されます。

(d) -l レコード長 〜<符号なし整数>((1024〜32768))《4096》

ステータスファイルのレコード長をバイト単位で指定します。レコード長は,短いとステータスファイルの入出力回数は増加しますが,使用効率が良くなります。逆に,長いとステータスファイルの入出力回数は減少しますが,使用効率が悪くなります。これらの点を考慮して,レコード長を指定してください。

(e) -c レコード数 〜<符号なし整数>((32〜2096107))《256》

ステータスファイルのレコード数を指定します。

レコード数の見積もりについては,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」を参照してください。なお,見積もったレコード数×1.2を目安にしてください。

(f) -D

pdchgconfコマンドでユニットの追加,又はサーバの追加をする場合に指定します。

ユニットの追加,又はサーバの追加をする場合に必要となる,ステータスファイルの初期化をします。このオプションを指定した場合,ユニット識別子及びサーバ名のチェックはしません。

このオプションを指定してpdstsinitコマンドを実行する場合,作成するステータスファイルがあるユニットで実行してください。

(5) 規則

  1. pdstsinitコマンドは,HiRDBの稼働に関係なく実行できます(ただし,HiRDB開始処理中及びHiRDB終了処理中は除きます)。

  2. pdstsinitコマンドは,シングルサーバ又はシステムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。

  3. 一つの論理ファイルを構成するA系とB系の物理ファイルは,レコード長とレコード数が同じになるように初期設定をしてください。論理ファイルごとであれば,レコード数は同じでなくてもかまいません。ただし,レコード長はすべて同じにする必要があります。

  4. ステータスファイルのレコード数はHiRDBシステムの構成に依存します。ステータスファイルのレコード数は,pdlsコマンド(-d sts指定)で確認できます。そのときにレコード使用率も表示されるので,レコード使用率を参考にしてレコード数を変更してください。例えば,レコード使用率が高くなった場合,現用のファイルよりレコード数の多いステータスファイルを予備のファイルとして初期設定をしておく方法などがあります。

(6) 注意事項

  1. pdstsinitコマンドの結果は,コマンド実行時のリターンコード,又はエラーメッセージの有無で確認できます。コマンド実行時のリターンコードが0の場合は正常終了,8の場合は異常終了(オプション指定不正,rsh失敗など),12の場合は異常終了(IPアドレス引き継ぎなし構成の待機系でリトライしたとき)です。

  2. 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合の,-u,及び-sオプションの指定方法を次に示します。

    初期設定対象

    ユニット又はサーバの状態

    ファイル作成先のディスクがあるホスト

    -u,及び-sオプションの指定方法

    ユニット用ステータスファイル

    稼働中

    ユニットがあるホスト

    どちらか一方を指定します。

    停止中

    サーバ用ステータスファイル

    稼働中

    実行系バックエンドサーバがあるホスト

    省略できます。

    停止中

    現用系バックエンドサーバがあるホスト

    上記以外のホスト

    どちらか一方を指定します。

(7) 使用例

ユニット用ステータスファイル及びサーバ用ステータスファイルを作成します。

【HiRDB/シングルサーバの場合】
 pdstsinit -f c:\sysarea\rdsys011\systs01a   ...1
           -c 512   ............................2
 pdstsinit -f c:\sysarea\rdsys012\systs01b   ...1
           -c 512   ............................2
 pdstsinit -s sds1   ...........................3
           -f c:\sysarea\rdsys011\stsf01a   ....4
           -c 512   ............................5
 pdstsinit -s sds1   ...........................3
           -f c:\sysarea\rdsys012\stsf01b   ....4
           -c 512   ............................5
[説明]
  1. ユニット用ステータスファイルを構成する物理ファイルの名称

    c:¥sysarea¥rdsys011¥systs01a,c:¥sysarea¥rdsys012¥systs01b

  2. 物理ファイルのレコード数 512

  3. サーバ用ステータスファイルに対応するサーバの名称 sds1

  4. サーバ用ステータスファイルを構成する物理ファイルの名称

    c:¥sysarea¥rdsys011¥stsf01a,c:¥sysarea¥rdsys012¥stsf01b

  5. 物理ファイルのレコード数 512

【HiRDB/パラレルサーバの場合】
 pdstsinit -x host1   ..........................1
           -f c:\sysarea\rdsys011\systs11a   ...2
           -c 512   ............................3
 pdstsinit -x host1   ..........................1
           -f c:\sysarea\rdsys012\systs11b   ...2
           -c 512   ............................3
 pdstsinit -x host2   ..........................1
           -f c:\sysarea\rdsys013\systs21a   ...2
           -c 512   ............................3
 pdstsinit -x host2   ..........................1
           -f c:\sysarea\rdsys014\systs21b   ...2
           -c 512   ............................3
 pdstsinit -x host3   ..........................1
           -f c:\sysarea\rdsys015\systs31a   ...2
           -c 512   ............................3
 pdstsinit -x host3   ..........................1
           -f c:\sysarea\rdsys016\systs31b   ...2
           -c 512   ............................3
 pdstsinit -s fes1   ...........................4
           -f c:\sysarea\rdsys011\stsf11a   ....5
           -c 512   ............................6
 pdstsinit -s fes1   ...........................4
           -f c:\sysarea\rdsys012\stsf11b   ....5
           -c 512   ............................6
 pdstsinit -s ds1   ............................4
           -f c:\sysarea\rdsys013\stsf21a   ....5
           -c 512   ............................6
 pdstsinit -s ds1   ............................4
           -f c:\sysarea\rdsys014\stsf21b   ....5
           -c 512   ............................6
 pdstsinit -s bes1   ...........................4
           -f c:\sysarea\rdsys015\stsf31a   ....5
           -c 512   ............................6
 pdstsinit -x bes1   ...........................4
           -f c:\sysarea\rdsys016\stsf31b   ....5
           -c 512   ............................6
[説明]
  1. ユニット用ステータスファイルに対応するホスト名 host1,host2,host3

  2. ユニット用ステータスファイルを構成する物理ファイルの名称

    c:\sysarea\rdsys011\systs11a

    c:\sysarea\rdsys012\systs11b

    c:\sysarea\rdsys013\systs21a

    c:\sysarea\rdsys014\systs21b

    c:\sysarea\rdsys015\systs31a

    c:\sysarea\rdsys016\systs31b

  3. 物理ファイルのレコード数 512

  4. サーバ用ステータスファイルに対応するサーバ名 fes1,ds1,bes1

  5. サーバ用ステータスファイルを構成する物理ファイルの名称

    c:\sysarea\rdsys011\stsf11a

    c:\sysarea\rdsys012\stsf11b

    c:\sysarea\rdsys013\stsf21a

    c:\sysarea\rdsys014\stsf21b

    c:\sysarea\rdsys015\stsf31a

    c:\sysarea\rdsys016\stsf31b

  6. 物理ファイルのレコード数 512