Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


2.98.1 pdstopの形式と規則

〈この項の構成〉

(1) 機能

HiRDBシステム,ユニット,又はサーバを終了します。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

(a) 正常終了

HiRDB/シングルサーバの場合
 pdstop 〔-d〕
HiRDB/パラレルサーバの場合
 pdstop 〔{-x ホスト名|-u ユニット識別子|-s サーバ名
 
       |-u ユニット識別子 -s サーバ名}〕 〔-d〕

(b) 計画停止

 pdstop -P 〔-d〕

(c) 強制終了

HiRDB/シングルサーバの場合
 pdstop -f 〔{-d|-q}〕
HiRDB/パラレルサーバの場合
 pdstop {-f 〔{-x ホスト名|-u ユニット識別子|-s サーバ名
 
         |-u ユニット識別子 -s サーバ名}〔-d〕〕
 
      |-z〔{-d|-q|-c|-s サーバ名}〕}

(4) オプション

(a) -P

計画停止の場合に指定します。

計画停止と正常終了の違いを次に示します。

HiRDBへのCONNECT

トランザクション

正常終了

計画停止

なし

なし

あり

×

×

あり

なし

×

あり

×

×

(凡例)

○:実行できます。

×:実行できません。

(b) -f

強制終了する場合に指定します。ただし,-sオプションと同時に指定している場合は,影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用しているユニットに配置したバックエンドサーバ以外のサーバ名を指定すると,正常終了となります。

(c) {-x ホスト名|-u ユニット識別子|-s サーバ名}

ユニット又はサーバを終了する場合に指定します。省略した場合,HiRDBシステムを終了します。

-x ホスト名 〜<識別子>((1〜32))

ユニットを終了する場合,終了するユニットがあるホストの名称を指定します。ただし,システムマネジャがあるユニットのホスト名は指定できません。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合,指定したホストのユニットにあるホストBESとゲストBESを終了します。終了したサーバが実行系の場合,HAグループ内のほかのユニットからの受け入れ可能状態が解除されます。

-u ユニット識別子 〜<識別子>((4文字))

ユニットを終了する場合,終了するユニットのユニット識別子を指定します。ただし,システムマネジャがあるユニットのユニット識別子は指定できません。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合,指定したユニットにあるホストBESとゲストBESを終了します。終了したサーバが実行系の場合,HAグループ内のほかのユニットからの受け入れ可能状態が解除されます。

-s サーバ名 〜<識別子>((1〜8))

サーバを終了する場合,終了するサーバの名称を指定します。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合:

-uオプションを指定していない場合,HAグループ内の稼働中の全ユニットで,指定したサーバを終了します。

-uオプションを指定している場合,そのユニットの指定したサーバを終了します。終了したサーバが実行系の場合,HAグループ内のほかのユニットからの受け入れ可能状態が解除されます。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」を参照してください。

(d) -z

HiRDB/パラレルサーバで,システムマネジャが異常終了して再開始できないときに,システムマネジャ以外のユニットに直接ログインし,そのユニットを強制終了する場合に指定します。

HiRDBシステム開始中,又は正常終了中に,誤って-zオプションを指定したpdstopコマンドを実行した場合は,ユニットが異常終了したり,コマンドが実行されなかったりします。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合,-sオプションを指定すると,該当するユニットの指定したサーバを強制終了できます。

(e) -d

終了と同時に共用メモリダンプを出力する場合に指定します。ただし,同時に-sオプションを指定した場合,このオプションの指定は無視されます。共用メモリダンプは,%PDDIR%\spool\pdshmdump\shmdumpに出力します。

(f) -q

系切り替え機能を使用している場合に強制終了するときに指定します。このオプションは,システム定義のpd_haオペランドにuseを指定していて,かつpd_ha_unitオペランドを省略している場合に指定してください。

(g) -c

1:1スタンバイレス型系切り替え機能を使用している場合に,代替部を強制終了するときに指定します。次の場合に指定してください。

  • Hitachi HA Toolkit Extensionを使用している場合,代替中に系を戻すときに指定します(Hitachi HA Toolkit Extensionのtermcommandオペランドにpdstop -q -cコマンドを指定します)。

  • 代替BESユニットを停止しないで,代替部だけを強制終了する場合に指定します。なお,代替中の場合は,システムマネジャがあるユニットから「pdstop -f -u 正規BESユニットのユニット識別子」又は「pdstop -f -x 正規BESユニットのホスト名」を実行しても,代替部を強制終了できます。

pdstop -q -cコマンドを実行する場合,強制終了する代替部のホスト(システム定義のpdunitオペランドの-xに指定したホスト)に,直接ログインして実行してください。

(5) 規則

  1. pdstopコマンドは,HiRDBが稼働中のときだけ実行できます。

  2. pdstopコマンドは,シングルサーバ,又はシステムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。

  3. pdstartコマンドに-rオプションを指定して開始した場合は,-xオプションでユニット単位に終了できません。この場合は,オプションを指定しないか,又は-fオプションを指定してHiRDBシステムを終了してください。

  4. pdstartコマンドに-iオプションを指定して開始した場合,データベース初期設定ユティリティの処理の終了後であれば,-xオプションでユニット単位に終了できます。ただし,データベース初期設定ユティリティの処理の終了前の場合は,-xオプションでユニット単位に終了できません。この場合は,-fオプションを指定してHiRDBシステムを終了してください。

  5. -zオプション指定時は,該当するユニットの強制停止だけをして,そのほかのオプションは無視されます。

  6. pdstopコマンド,又はpdstop -PコマンドでHiRDBを停止している場合,pdstop -f -xホスト名,又はpdstop -f -uユニット識別子による強制終了はできません。

  7. pdrplstart,及びpdrplstopコマンド実行中は,pdstopコマンド(-f,及び-zオプション指定は除く)は実行しないでください。

  8. 運用コマンド,又はユティリティを実行している場合,pdstopコマンドは正常終了できないことがあります。なお,pdstopコマンドでの計画停止及び強制終了はできます。

(6) 注意事項

  1. pdstopコマンドのリターンコードを次に示します。

    0:正常終了

    4:異常終了(計画停止の通信タイムアウト)

    8:異常終了(オプション指定不正)

  2. pdstopコマンドの結果は,pdlsコマンド(-d svr指定)で確認できます。

  3. HiRDB開始処理中,HiRDB終了処理中,又はトランザクション処理中にpdstopコマンド(-f指定)を実行すると,ユニットが異常終了することがあります。

  4. システムマネジャの正常動作中に,システムマネジャ以外のユニットに-zオプション指定のpdstopコマンドが入力された場合,そのユニットが異常終了したことになります。

  5. HiRDBがOLTPシステムと連携して動作している場合は,先にOLTP側を終了させてからHiRDBを終了してください。先にOLTP側を終了しないと,OLTP側のトランザクションが処理できないで,OLTPの正常終了又は計画停止とならない場合があります。

  6. pdstop -Pコマンド実行後,ユティリティ実行中やトランザクション実行中のために15分経過しても計画停止処理が終了しない場合,計画停止処理に時間が掛かっていることを示すKFPS05072-Wメッセージが表示されます。その後,計画停止処理は続行されます。

  7. システム定義のpd_log_auto_unload_pathオペランドを指定していて,かつ自動ログアンロード機能動作中にpdstopコマンドを実行した場合,すべてのシステムログファイルのアンロードが完了するまでHiRDBは停止できません。すぐにHiRDBを停止したい場合は,pdstopコマンド実行前にpdlogatul -tコマンドで自動ログアンロード機能を停止させてください。

  8. pdstart -rコマンドでHiRDB/パラレルサーバを開始した後,システムマネジャのユニットに障害が発生して異常終了した場合,次のどちらかの方法で,一度すべてのシステムマネジャ以外のユニットを終了してください。

    • システムマネジャのユニットで,pdstart -Rコマンドを実行します。

    • すべての稼働中のシステムマネジャ以外のユニットでpdstop -zコマンドを実行します。

    対処については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「pdstart -rコマンドで開始した場合に障害が発生したときの対処」を参照してください。

  9. システムの正常停止(HiRDBのサービス停止も含む)又は計画停止時に監査証跡表の自動データロード実行中だった場合,KFPS05719-Wメッセージを表示して,自動データロードが完了するのを待ちます

    監査証跡表の自動データロード処理が完了すると,KFPS05720-Iメッセージを表示して,停止処理を継続します。早急にHiRDBを停止したい場合は,pdstopの前にpdaudatld -tコマンドを実行して,監査証跡表の自動データロード機能を停止してください。既に自動データロードが実行中の場合は,pdcancelコマンドでキャンセルしてください。

  10. 監査証跡表の自動データロード完了を待っている間に自動データロードがエラー終了した場合,KFPS05721-Wメッセージを表示してから,停止処理を継続します。

  11. ユニットの正常停止時に監査証跡表の自動データロードが実行中だった場合,コマンドエラーになることがあります。監査証跡表を配置したBESがあるユニット,又は自動データロード中の監査証跡ファイルがあるユニットを正常停止しようとすると,KFPS05070-E又はKFPS05234-Eメッセージを表示します。確実にユニットを正常停止したい場合は,pdaudatld -tコマンドを実行して,監査証跡表の自動データロード機能を停止してからpdstopコマンドを実行してください。

  12. サーバの正常停止時に監査証跡表の自動データロードが実行中だった場合,コマンドエラーになることがあります。監査証跡表を配置したBESを正常停止しようとすると,KFPS05071-E又はKFPS05235-Eメッセージを表示します。確実にBESを正常停止したい場合は,pdaudatld -tコマンドを実行して,監査証跡表の自動データロード機能を停止してからpdstopコマンドを実行してください。

  13. インメモリRDエリアがある場合,HiRDBを正常終了又は計画停止できません。そのため,インメモリ化を解除した後に,HiRDBを正常終了又は計画停止してください。

    なお,インメモリRDエリアがある場合でも強制終了はできますが,このとき,インメモリデータバッファ上の更新データはインメモリRDエリアに反映されません。

  14. pdstopコマンドが強制終了した場合には,OSのsyslogfileにKFPS04671-Iメッセージが出力されているか確認してください。KFPS04671-Iメッセージが出力されている場合は,強制終了処理で異常が発生した後に,HiRDBが自動で後処理を行っていますので強制終了処理は完了しています。

注※

pdstopコマンドはシステム正常停止(オプションなし)のとき,UAP又はユティリティが15分以上動作し続けると停止処理を打ち切ります。また,システム計画停止(-Pオプション)のとき,トランザクション又はユティリティが15分以上動作し続けるとKFPS05072-Wメッセージを表示して警告終了します。しかし,監査証跡表の自動データロード完了を待つ場合の待ち時間はこの15分には含みません。